04143/04342 MHD02502 ARION 悲しみ=怒りを無に帰す ( 7) 94/11/30 00:33 コメント数:10  まことに心もて思い、胸に響きを欲する者へ  長い間、人々の語らいを見てきた。  その話さんとするところを理解してきた。  しかし、人々はお互いに理解しようとはせず、  お互いに自らの正しさを主張することに、エネルギを使っている様にしか見えず、  我々の話してきたことは悲しみを以って彩られた。  時空を超え、時流に逆らい語り続けることは容易くなく、  流砂の落ちる音の減少を待つまでもなく、  語り得る事々は少なくなる。  既に語られたことは僅かに実行されるのみ。  これから語り得ることは、既知の轍をなぞるのみとすれば…。  心を持つ者が如何に少なかろうと、  魂に語りかける言葉を受け取る者が如何に少なかろうと、  我々は残された砂が尽きるまで、  ここに居ようと決め、そう実行しているが。  あなたがた、まことに語り合う言葉を探す者は何人居るのか?  まことに伝えたい事は何かを、何故に探さないのか?  冗長なる文字群の中で、まことに己の心から発した言葉が幾つあるのか?  明け行く空に輝く星を見出し、希望にかえるか?  それとも暮れなずむ空に輝く星を見出し、安堵にかえるか?  或は、真昼に輝く星が見出せないと不平を言うか?  全ては各々が選ぶ視線の中に。  そして、約束通りに、時は砂を残らず降ろすだろう。  悲しみ=怒りを無に帰す選択をせざるを得ないのか?  答は、各々の心の奥にある魂の前庭に伝わるのみ。                      −−−ARION,O∴O−−−