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『倶舎論』の予言

仏典は、「論書」「経書」「律書」の三部に分かれる。そのうちの「論書」を、小乗仏教では『阿毘達磨』と呼ぶ。それを代表する著作に『倶舎論』がある。著者は、小乗仏教から仏門に入り、大乗仏教の礎を築いた、大学者・世親。彼は仏陀釈迦牟尼が説いた十二縁起の法などの他、天界から地獄界の成り立ち、須弥山を中心とした世界の構造、一切の生き物の発生・変化・寿命などを論じた。
仏教の世界観によれば、この世は「成劫(創造期)」「住劫(維持期)」「壊劫(破壊期)」「空劫(虚空期)」の四サイクルを繰り返しているという。そして「住劫」の中では「減劫※1」と「増劫※2」を繰り返しているという。現代はまさに「減劫」の時期で、その間、世の中は悪化し、ついにはほとんどの人類が悲惨な災禍に巻き込まれ、仏教の教えは衰退し、終末を向かえるという。

※1減劫:人間の寿命が8万歳から10歳まで減じる。
※2増劫:人間の寿命が10歳から8万歳まで延びる。

「諸々の業の道が増長し、人間の寿命は次第に短くなっていき、最後には人寿10歳となる。・・・人間の寿命が10年になるとき、一つの中劫が終わる。いかにして終わるのか。刀兵と疾役(疾病・悪疫)と飢饉によつて終わる」

「(減劫の)中劫が終わる時、諸々の人間の寿命は10年である。その時、人間は物欲や邪淫の行いを貪り耽溺することにすっかり汚染されるようになり、詐欺や暴力によって他人の物を我が物としようとする不平等の愛に征服され、邪で転倒した思想や教えに取り込まれる。彼らの心に害心が芽生える時というのは、あたかも猟師が獲物の鹿を林で見つけたときのような目で他者を見、はなはだ激しい害心がむらむらと浮かび上がってくる。その時、彼らが手にする物は、どんなものでも鋭利な武器となり、一人に対して一人が殺生を為すに至る」

「中劫が終わる時には、諸々の人に非ざる悪鬼らが、人寿十年の人々に、多種多様な悪疫を吐く。そのため人間には、救いがたいさまざまな病が生じるに至る。その病によって死するのである。」

「(中劫が終わる時には)天が雨を降らさない。そのため『チャンチュ』と呼ばれる飢饉と『白骨』と呼ばれる飢饉と『かずとりによる生活』と呼ばれる飢饉が起こるに至る」

「もし仏が世に現れなければ、人寿命は100年に1歳ずつ減じる。しかし、仏が世に出て正法が行われるならば、寿命は減じない」


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