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観弥勒下生経

釈迦の入滅後、釈迦が在当時に救済できなかった人々を漏れなく救う未来仏としての、救世主が弥勒てせある。弥勒はサンスクリット語でマイトレーヤの音訳。。マイトレーヤはイランを起源とする古代密儀の神ミトラに由来し、原義は「慈しみから生じたもの」である。
弥勒の地上降臨は釈迦の入滅後56億7000万年とされる。弥勒信仰は2世紀ごろのインドに起こり、4世紀末までには「弥勒下生経」「弥勒上生経」「弥勒三部経」の弥勒三部経が成立し、中国、朝鮮を経て日本には6世紀末ごろ伝来した。弥勒はたんなる未来仏ではなく、末法の世を救い、地上に楽園をもたらす当来仏としてその下生が熱狂的に待望されるようになり、山岳信仰系の富士講から大本教、霊友会などに至るまで幅広く受容されて、今日に至っている。

「弥勒が閻浮堤に姿を現すのは五十六億七千万歳で『弥勒下生経』に説くとおりである」
(「弥勒上生経」)

弥勒仏は諸々の大衆を見てこう言われた。「今様々な人達が私のもとに集まったのは、天上界に生まれる楽しみを得るためではない。また今生の楽しみのためでもなく、この人達は皆、仏教の教えに従い、様々な功徳の種を植え、釈迦牟尼仏から遣わされて私に託された。それゆえに今、皆が私の所にやってきたのである」
(「弥勒下生経」)

「汝ら衆生はよく困難なことを成し遂げた。かの悪世の貪欲、瞋恚(怒り)、愚痴に迷う命の短い人の中にあって、よく持戒を修し、諸々の功徳をなしてきたことは大変珍しい。その時、多くの人は父母、沙門、バラモンを認めず、悟りの道も知らず、互いに脅迫しあい、時には武器を執り、殺し合いをする災厄の時代へと近づき、深く五欲の欲望に執着し、嫉妬、へつらい、おもねり、邪な偽りにまみれて憐れみの心がない。さらに殺し合って、相手の肉を食い、血を飲む。汝らがそうした中にあってよく善事につとめたのは希有のことである。釈迦仏は、汝らを救うために、自分の頭を施し、耳や鼻、手足などの部分を断ち切り、多くの苦悩をその身に受けて汝らに利益を与えられたのである」
(「弥勒下生経」)

「四大海の水が漸次に減少して三千由旬※に至ると、閻浮堤の地面は、縦の長さが一万由旬、横の長さが八千由旬になって鏡のように平坦である・・・。城壁に囲まれた都市が次々と並び、鶏も空を飛んでいる。
人の寿命も八万四千歳。智慧、威徳、色力(体力)が共に備わり、心は穏やかに安らぎに満ち、信仰の愉悦に浸っている。ただし、三つの病気がある。一つ目は排泄、二つ目は飲食、三つ目は老衰である」


由旬:古代インドにおける里程の単位ヨージャナの音訳。帝王が一日に行軍する距離とされ、厳密な長さは不明。7、11、14キロメートルなどの諸説がある。

「そこには翅頭末(しずまつ)という大きな城がある。・・・端然として非常に美しく、荘厳かつ清浄である。城は七宝で作られ、上には楼閣ずある。戸口の窓や軒下の窓はすべて宝珠で造られおり、その上を羅網で覆っている。街頭や大通りは広さが十二里、すべて掃き清められ、水が打たれている。・・・中略・・・街角の所々に明るい珠の柱があり、高さは十里。その光はひじょうに明るく、昼夜も変わることはない。・・・城内の舎宅地や村里の住宅地には、ごく微細な土塊もない・・・中略・・・世の中は安楽で、人を怨んだり傷つけたり襲ったりする者や泥棒はいない。城内や村落の門を閉ざす者もいない。
・・・穀物はよく実り、雑草ははえない。一回植えれば七回収穫できる。少ない労力で多くの収穫が可能である。これを食べれば、香り高く味よく、気力が充満する」

「その国にその時、じょうきよという名の聖輪王がいる。四種の兵隊がいるが、武器によらず四天下を治めている。
・・・中略・・・
また四つの大蔵がある。各大蔵には四億の小蔵があって周囲をめぐっている。この四つの大蔵は、・・・四大竜王が各自守護している。この四つの大蔵と多くの小蔵は独りでに躍り出る」

「その城の中に妙梵という名の大婆羅門主がいた。その妻の名は梵魔波堤。弥勒はこの両親からこの世に生を受けた。
身は紫金色で、仏の三十二相を備えている。衆生は弥勒の姿を見て厭きることがない。身に備わる力は無量不可思議で、その身より放たれる光明は照り輝き、何物にもさえぎられることはない。太陽も月も火珠も弥勒の身の光明を再現することはできない」

「君達よ、よく精進して清浄心を起こし、諸々の善業を起こしなさい。そうすれば世間の灯明である弥勒仏の姿を見ることができるのだ」


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