16歳の少年が予言
比国フィリピンルソン島で「100万人が見た」聖母マリアの“奇跡”




(↓聖母マリアは写真には収まらなかったが、群集は「奇跡」を目撃したというのだ)
 「我々はマリアを見た」「マリアが現れた」

 3月7日、フィリピンの新聞各紙1面に、こんな見出しが躍った。首都マニラから200Km離れた小さな町アゴオで、100万人(地元紙)の群衆が見守る中、町の背後のアゴオ山の山腹に聖母マリアが姿を現したというのだ。

 そもそも、この「奇跡」は、一人の少年のサイキックな体験が発端となっている。このアゴオ近くに住んでいた敬虔なカトリック信者のジュデイル・ニエバ君(16)が、4年前、自宅に飾ってある木製のマリア像の前で祈りを捧げているとき、マリア像の目から涙が流れているのを発見したのだ。ニエバ君は、5回、マリアの涙を見たという。

 その後、ニエバ君は、以前から自分の思いを神に語りかけていたアゴオ山腹のグァバの木の下で、マリアの啓示を聞くことができるようになったといい、昨年の12月にはマリア像が血の涙を流しているのを見て、ついに、いつもミサに通っている教会の神父に秘密を打ち明けたのだ。神父は、驚いてミサを行ったが、さらに、ニエバ君は、グァバの木の下で、「3月6日、太陽が踊り、聖母マリアが姿を現す」との啓示を受けるのである。

 この話が広まると、フィリピン各地から群衆が殺到した。何日も前から、町に通じる道は、すべて車で埋めつくされ、渋滞は数十Kmにわたって続いた。テントを張って泊まり込む人も現れ、集まった群衆の数は100万人にのぼった。そして、当日、目撃した人々はこう語る。「午後1時30分、太陽の光が微妙に変わり、15分後、白く輝くマリア像がグァバの木のあたりに姿を現したんだ」。そして、固唾をのんで見守っていた群衆から一斉に、「ああ、マリア様」「私たちを助けて下さい」と、祈りの叫びがわき上がる。

 時間的には20秒ほどで、その後、2時頃、再び、今度は山の右手の方に場所を移動して姿を見せたという。この、「マリア降臨」には、上下両院議長や大統領府の高官らが、証人として立ち会った。

 さても不思議な現象だが、比国フィリピンカトリック教会の頂点に立つ枢機卿、カーディナル・ジェミィ・L・シン師は、「わが国のカトリック教会は、この出来事には一切、関わりを持たず、また、受け入れることはできない」との談話を発表した。

 ピナツボ、マヨン両火山の爆発など相次ぐ天災に加え、政情不安、貧困と、なかなか希望が見えてこないこの国で、これは起こるべくして起こった「奇跡」なのかもしれない。

講談社の「FRIDAY(フライデー)」1993年3月26日号(平成5年3月26日発行 第10巻第13号 通巻第451号)より

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