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 ゆうべに辿る道は険しかろうと 朝露の道は輝いているだろう
 砂浜は波に洗われ洗われ 其方達の足跡を残すことは無い
 過ぎ行く時の しじまを縫って帆掛け舟は出て行く
 時と時との間にある にかわを溶かす者は何処に眠っているか

 耶麻女やまめの走る先 清き流れの元となる所
 総ての雪の生まれる所、馨しき香の流れる所

 音で辿れ あまねく人々の耳に快い音で
 それは 葉ずれの音
 それは 波打ち際の音
 それは 深山の音

 ようやくにして 心と心の音の解る人々が生まれてきたことよ
 黄金のサキツチの世に、虐げられるもののあることを許すまじ
 闇の世 永くは栄えぬことよ
 そは すべからくアジナの主の言う通り

 メの神の世には 光 未だよわいを持たず
 今 しばらくの時を待つべし

    カリカラの明王

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