100 D 0                       特  許  庁            特 許 出 願 公 告
(52 E 0)
(84 E 0)

              特 許 公 報       昭37−6555


公告 昭37.6.30   出願 昭34.4.6   特願 昭34-11302
優先権主張 1958.5.12、1958.6.30(アメリカ国)

出願人 発明者   アグニウ エッチ バーンソン ジュニア   アメリカ合衆国ノースカロライナ州フォーシス郡ウィンストン サレム サウス マーシャル ストリート1001
代理人 弁理士   押田 翼                                (全7頁)


電 気 的 推 力 発 生 装 置

図 面 の 略 解

 第1図は本発明を実施せる一例を示す一部切断した正面図、第2図も本発明を実施せる他の例を示す一部切断した正面図、第3図は本発明を実施せる更に他の例で一部切断した正面図、第4図は第3図の4-4線に沿って見た断面図、第5図は本発明を実施せる他の一例を示す一部切断した正面図、第6図は管状電極の詳細を示す第1図の部分平面図である。

発明の詳細なる説明

 本発明は電気装置に関するもので特に装置を動かす力を与えるために電流及び電圧を用いる装置に関するものである。

 従来は直流電位を直接加えて力若くは推力を生ずる装置が用いられていた。これらの装置では1組の電極を誘電体で互に隔てて配置しこの電極の間に直流電位を印加して周囲の空間に推力を生ずるものである。

 本発明の目的は推力を生ずる装置を電圧の印加方法によって改良するものである。

 又本発明の目的は電圧及び電流の印加に応じて推力を生ずる装置を改良するものである。

 本発明の内容によって簡単に述べるとこの改良された推力を生ずる装置は複数個の電極、その中のある電極を接ぐ直流電源及びある電極を接ぐ交流電源の組み合わせによるものである。交流電流を加えると一定の直流電位に対しても装置に消費される電流が増しこの電力増加に従って推力も増すことになる。

 本発明の他の内容によれば、複数個の電極をその支持軸について径方向の異なった位置に配置しこれら軸方向に配置した電極に異なった電圧を印加して所定の方向に推力を生ぜしめるものである。利点とするところはこれらの電極を管状としその断面を導体及び絶縁体の片で分割し得ることでこのようにして支持軸を取り巻いておくとこの中の電極に選択的に電気エネルギーを加えた時にこの管状電極を通る平面に沿ったある一定の方向に推力を生じ得ることである。

 本発明の他の内容によれば複数個の曲面を持った電極を誘電体によって相互に空間的な配置をするものである。この誘電体に近い装置の中央部分は強い高周波振動のような電磁界によって励振されるので周囲の空間で反応するより装置の部分を強めることになる。特に利点とするところはこの励振を誘電体内部若くは近傍にコイルを配置して行い得ることでこのコイルは電磁励振に対して共振回路をなすように電源に接続されるものである。

 本発明の他の的容によれば高周波電源を電磁輻射器に接ぎ適当な誘電体支持物によって空間電極を保持している主要誘電体に接続することで電磁界を電極に与えてこの周囲にある空間の条件を変えて全装置に於ける推力を増加せしめるものである。

 本発明の他の内容によれば支持用誘電体が複数個の曲面で空間的に配置されているものである。少く共これら曲面の中の二つは電気導体と一体構造となり電源と接続される電極となる。他の電極は誘電体の両端に設置され一つはコイル他は導体面となっている。これら二つの電極と蓄電器の他の一面をなす第3の導体表面は電磁波を生ずるように高周波電源に接続されるがこれらの電界は直流若くはパルス電流を加えた曲面によって生ずる電界とも相互作用をするのである。

 本発明の更に他の内容については誘電体に電源と接続した複数個の電極をつけこの電極は誘電体の一端で空間的な配置を保ち誘電体の他の一端には高周波輻射器を設けて曲面電極の軸に沿って電極の方へ輻射せしめると最上段の曲面は反射して高周波輻射を強める役をなすものである。この高周波エネルギも直流による電界と重畳して曲面の軸に沿っての維力を増している。

 本発明の更に他の内容によれば誘電体の一端に第1の電極をつけ直流電位をこの第1の電極と誘電体支持物上で間隔を保っている複数個の曲面電極の中の一つとの間に加え又交流電源をこの第1の電極と少く共一つの曲面電極との間に接続する。一つの曲面電極の直流電界と他の曲面電極による電磁界との間の相互作用により直流電極で消費される電流が増し堆力が増すのである。

 本発明の他の内容によれば低周波若くは、パルス電流の交流を第1電極と曲面電極の一つの間に接続し高周波電流を第1電極と他の曲面電極との間に接続してもよい。この違った周波数による電磁界の間の相互作用も前述の直流と交流の間の相互作用とほぼ同じように推力を増すもので持に周囲空間が共振若くは「唸り」周波数の時に著しい。

 本発明の更に他の内容によれば一方の電極を支持体の一端に若くはその近傍に設ける。他の電極は面積が大きくて第1の電極と離して支持体上に固定され更に電界成形片をこれら二つの電極の間に挿入する。利点とする所はこの電界成形片が第1の電極と支持体上でこれと離れている第2の電極との間に生じた静電界と相互作用をする表面を有することである。この電界成形片は弧状の面でも平面でもよく又環状の面でもよい。この中間の板による電界の交互作用がこの装置による推力を増加せしめる。本発明の一つの実施例によれば、この電界成形片に電源を接ぎ膨張電極によって生じた推力を増加せしめる。他の実施例によれば電界成形片には直接電源を接続しないが膨張電極よりも第1電極へ近く設置するので第1電極の電荷を増加せしめるものである。 本発明の他の内容によれば膨張電界生成極を支持体上で第1電極と離して設置し電界成形片を支持体上でこれら二つの電極の間に挿入する。この中間板は二つの電極の間の電位傾度に非直線性を加えこの装置に生ずる推力を更に増加せしめる役割を果すのである。

 本発明の更に他の内容によれば複数個の可動部分を球形のものが望ましいがお互同志又更に第1電極とも互に間隔を置いて支持体上に固定している。これらの部分は普通中空の球形でその中に可動の蓄電器を含んでいる。この可動蓄電器はこの球内の一点で回転し得る支持体上に設けられた大小の部分から成立っている。蓄電器の大なる部分は一つの電位に荷電され小さな素子は反対の電位に荷電されている。これらの畜電器はその支点の廻りで回転しある一定方向に推力を生ずるものである。従ってこの回転し得る蓄電器は全装置に対し傾斜若くは回転装置として用い得るものである。更にこの球形部分は支軸に対して支点結合をしているのでこれら球形片は支軸に対し上昇及び下降せしめることが出来る。低めた位置では全装置の支持台としても用いることが出来る。更にこれらの球は膨脹電界生成極の電界を歪ませるよう選択的に荷電し得るのでこの選択荷電球と膨張電界生成極の中心との間に推力を生じてこれを傾け若くは回転せしめることが出来る。

 更に本発明の他の内容によれば複数個の弧状となった管状の部分を支軸上に同心円状に配置し電源に適当に接続して支軸に垂直な面で推力を生ずるものである。利点とする所はこれら弧状の管形部分による推力の特定方向は電界を加えた特定の管形部品によって左右されるのである。例えば支軸について径方向に生ずる推力は円の反対側の弧が導体でその中間が絶縁物である分割円よりなる管状部品の特定の反対の部分に電圧を加えて生ずることが出来る。

 従って本発明の特徴は1組の電極を誘電体によって相互に間隔を離して配置し推力を生ずる装置を与えることで、第3の電極をこの誘電体上に前記の1組の電極と離して設けこの1組の電極と第3の電極の間に直流電源を接ぎ他の1組の電極と第3の電極の間に交流電源を接続するものである。

 更に本発明の他の特徴は第1の電極を誘電体の一端に近くおきコイルのような第2の電極を誘電体の他端に近くおきこれら両端の間にインダクタンスを入れ1組の電極を第1と第2の電極の間に入れ、電源を第1の電極、第2の電極及び1組の電極に接ぎ更に第1と他の1組の電極に交流電源を接ぐことである。

 本発明の他の特徴は誘電体の軸の周りに放射状に配置された複数個の電極を用いることでこれら放射状に配置された電極を適当に荷電すると放射状に配置された電極を含む面である一定方向に推力を生ずる。

 更に本発明の特長は誘電体の一端に近く間隔をおいて数個の曲面をおき誘電体の他端に他の電極をおきこの誘電体の他端に高周波輻射器を設けて数個の曲面へ向けて高周波電力を投射せしめるよう配置したものである。

 更に本発明の特徴は支持体の一端に電極をおき支持体の中間に弧状の電極を回転し得るよう設け又支持体上で第1電極とは離して電界成形片を回転し得るように取付けることである。

 更に本発明の特徴は電極を支持体の一端に近くおき電界生成電極を回転し得るように支持体の端に近く設け更にこれら2極の間に相互作用極を支持体に回転し得るようとりつけることである。

 更に本発明の他の特徴は支持体に電極をつけこの第1の電極から離して電界生成電極を支持体にとりつけ第1の電極に近く支軸とは離し更に相互にも離して数個の曲面電極をとりつけ且電界生成電極と1個若くは数個の曲面電極の間に選択的に電位を加えることである。

 更に本発明の特徴は支持体に電極をつけ更に数個の電極を第1の電極及びお互にも離して支持体に電極をつけ電界生成面を電極から離して支持体につけこの支持体端末間の中央に電界成形片を設け選択的に電界生成面と電極の間に電位を加えることである。

 更に本発明の特徴は数個の曲面を支持体上に回転し得るようとりつけこれらの表面の中の何れかに電位を加え荷電物体の電界を制御するため別の部分を用いることである。 更に本発明の他の特徴は2個の電極の間に電界成形片を入れ電極と相対的に電界成形片を動かして電極の間の電界を変化することである。

 更に本発明の他の特徴は支持体の一端に近く電極をおきこの第1電極とは離して弧状の電界成形片を設け更に1組の弧状片を第1電極と弧状の電界成形片の間に回転可能に挿入することである。

 更に本発明の他の特徴は支持体の一端に近く電極を設け、支持体上でこの第1の電極とは離れて弧状の電極をおき、これら二つの電極に反対の電荷を荷電し、他の弧状部分をこの弧状電極とは離して支持体上で第1電極と反対側におき第1の電極と同じ電位に荷電し得るよう装置し、第1電極と弧状電極の間に相互作用し得る弧状部分を設け、数個の管状電極を前記弧状の電界成形片に近く支持体の軸に関して種々の放射方向に離して配置し、数個の曲面を第1電極に近く支持体及び相互間で離して支持体に取付け曲面内に電極を順次に設け、放射方向で離してある電極を選択的に荷電することである。

 本発明を図面により詳述すれば第1図は推力発生装置で棒状支持体10、軸10の一端につけられた点電極12、及び点電極12と離して設けた電界生成用の導電性弧状部分14を含んでいる。弧状電極18は軸10に適当な回軸用ベアリング20で天蓋若くは弧状部分14に近くとりつけられる。電極18は硝子繊維と樹脂のような非導電性材料で作るとよく導電性材料を実際上は全表面に亙るように非導電性材料中は埋め込み相互には離れているような線の形で用いるとよい。弧状の相互作用部分24も適当なベアリング26によって軸10に回転し得るよう取付けてある。弧状部分24は点電極12と弧状電極18の間に挿入してある。電極12と18は適当な導線(図示せず)によって高圧電源の端子(図示せず)につながっている。3個の曲面28は軸10の端に近く適当な絶縁支持棒30によって相互に同じ間隔で配置されている。これら各々の曲面28の中に回転コンデンサを入れるがこれは球の中心にある点の周りに廻転し得る部品に大小の面を持つ電極を有するものである。これらの蓄電器は電位がこれらの電極に加えられた時にある一定の方向に推力を生ずるものを用いている。これらの電位は唯1個の蓄電器に加えられるので平衡していない力が全装置に作用するのである。

 ここで支持体10は棒として示したけれども如何なる形の誘電体支持物でも用い得ることが判る。例えば支持体は中空の円筒でもよくこのようにすると電圧印加導線を円筒の内壁に収めることが出来る。電極から出る電界の形状により無数の他の形状及び曲面の部品を用いることが出来る。例えば24の部品は電極間の電位傾度に不規則性を生ずるために円環の形で誘電体に埋めてもよい。

 電源(正がよい)(図示しない)を弧状電極18に接ぎ反対電位(図示しない)を電極12に接続するとこの推力発生装置は第1図に示したように軸10に関して上方に動く傾向にある。

 扨【さて】導電性天蓋を電極18の反対側におき点電極12に与えたと同じ極性の電位をこの導電性天蓋Aに与えると低い電圧でも大きな電流が流れて結果としてこの装置は推力を増すことを発見した。この導電性天蓋と電極12に加わる電位(通常負)の間に可変抵抗若くは一連の抵抗を挿入すると電圧及び電流と生じた上昇力即ち実際には変位歯車に等しいのであるがこれとの関係を変えることが出来る。明かにこの変化は点電極12と弧状18の凹面により生ずる静電界が18を越えて天蓋14の方へ延びることを防ぎ反射することによって生ずるものである。この電極18と電極14の間の間隔は電極14が反対の電位に荷電されるために電極18に加える高圧による閃絡【ショート】を防ぐに充分な間隔を保たねばならない。弧状の部分24は必要ではないが通常誘電体であって電極12と18の間の電位傾度に非直線性を生じ点電極12の表面に比較して24の部分の表面が増すに比例しこの装置に生ずる推力は増してゆくのである。得られる推力の大きさは電極18と12に関連した素子24の相対位置によっても変化し得る。

 電極18は直径が87.5cmで軸10に沿って測ると電極12から36.25cm離れている。電極18は電極12に関して正電位に荷電されるので電極18及び12の間に100,000Vの電位が加えられる。電極14は直径104.5cm、軸10に沿って測定すると電極18からその上方で21.25cm離れている。電極14は電極12と同じ電位に荷電される。誘電体よりなる天蓋24は電位源の何れにも接続されない。装置の全重量は200gであって電極18と14の方向に軸10に沿って約30gの静電力が生ずる。このことは米国特許第2958790号明細書の第1図に示されている。

 この第1図は電位源とこれから電極12、14、18までの接続状態を図示している。

 電極12と18に電位を与えると天蓋24の表面にも電荷を誘起し天蓋24を一方向に回転する傾向を生じこの力の反動が電極18に回転力を与え電極18を天蓋24の回転方向と逆方向に回転することになる。これらの弧状部分が逆回転することはこの装置を安定させ又大きな推力を与えることになる。

 推力の方向は28の部分にある可変蓄電器の方向によって僅か変えることが出来る。例えば電極12に負の電位を更に加えれば蓄電器が28Aの表面の方へ向くので推力の方向は軸若くは捧10と同軸でなくなり電極12と球状部分28Aとの間の中心と電極18の頂点を結ぶ線の方向になる。よって28の部分の蓄電器に方向性を与えるか若くは28の部分に導電性の電極を用いたとすると28に選択的に電位を与えることによりこの推力発生装置に方向操作若くは傾斜装置として用いることが出来る。又球状若くは曲面電極部分28は又全部を電極12と同電位に荷電するか若くはすべての28内の蓄電器で大きな表面を電極18の方に向けると装置により生ずる推力を増すことにも用いられる。

 扨【さて】第2図を参照するとこれは本発明による他の実施例を示したものである。第2図は円筒形誘電体33の端面で電極34はこの円筒33の軸附近に端面まで設けられている。利点とするところは電極34が円筒形33の軸に沿った細長い棒でもよいことである。

 又円筒部33の端面には数個の曲面35、36及び37がとめられている。35、36及び37は円筒型誘電体33の軸方向に延びている。35は導電性の内面を持ちその動作は第1図の電極14に相当する。36は適当な誘電体表面に電線のような導電体を埋め込んだ表面か若くは単なる導電材料でもよくその作用は第1図の18なる部分に相当する。37の部分は誘電体でその作用は第1図の24の部分に相当する。各電極は適当な電源(図示しない)に接続される。電極34と35は同電位であり電極36には反対の電位が与えられる。交流電圧をこれらの直流電位に重畳してもよく若くは直流電位の代りに加えてもよい。










 さて第3図を参照するとこれも本発明による他の実施例である。ここに示したようにこの推力発生装置は中央支持軸若くは塔門45の周りに集まっている。塔門45の一端には電極47があり他の一端には導電部49が固定してある。密閉された誘電材料の室若くは負荷運搬容器51は軸45の一端に近いところに固着されている。この小室若くは箱は第1図の24と同じように絶縁材料で作られた彎曲した頭部52がついている。トロイダル・コイル53を室の頭部と彎曲頭部の接合部に設けて電極による電界の形状を成形している。導体49は図示したようにコイルでもよいがコイル53と共に曲面57と同電位に保たれると結果としてこの電界は電界成形装置として働き電極から輻射される電界を強化する役をなす。49と53に荷電すると装置による上昇若くは推力は増加する。第1の曲面55は51の室に固定され導体若くは半導体材料である。第2の曲面57は適当なベアリング59によって軸45上を回転する。曲面57は電界発生用電極で誘電体に埋込まれた個々の線でよく電極の中心から端の方へ走る放射状の線か若くは電極表面を螺旋状に取り巻く線でもよいのである。電極57は円筒部分61と接がれているがこの円筒は誘電材料がよく前に述べたベアリング59によって軸45と離れている。第3の曲面65は円筒部分67に続いているがこれは適当なベアリング69によって円筒部分61の外周で回転するものである。

 外筐71は中央塔門45の一端に円板72で固定されている。ベアリング73は外筐71の上縁と円筒部分67の間に入っている。外筐71の底75は外筐と接していないのでベアリング74によって回転する。

 電動機76が外筐71に取りつけられているがこれは適当な方法(図示しない)で軸45に固定した固定子77とこれと同心円状に廻る第1回転子79を含んでいる。この回転子は支持体90によって外筐71の底部と固着され共に回転するものである。第2の回転子81は回転子79の外縁の周りで回転するものでベアリング82で支持されている。

 回転子79と81の回転はスターター83で回転し初めるものでこのスターターは電動機のような便宜のものでよい。スターター83は適当な歯車85によって回転子79と接続するものでこの歯車は回転子79の内縁にあるラック87と噛み合う。回転子79は又軸97上についた適当な歯車93と95によって円筒部61とも結合している。軸97は適当なベアリング(図示しない)によって固定子77と円板72に回軸支持されたものである。歯車93はラック87と噛み合い歯車95は円筒部61の外周についた円板歯車100と噛み合っている。固定歯車101が歯車100から歯車102への動力を移し歯車102が円筒部67の延長部と固定されているのでこの歯車装置は円筒部61と67の逆回転従って弧状部57と65も逆回転をすることになる。回転子79と81の間に遊輪歯車104があり回転子79の外縁と回転子81の内縁にあるラックと噛み合っているのでこれらの二つの回転子は逆回転することになる。

 数個の球(若くは曲面)108、例えば3個が外筐71の外縁に沿って等間隔に配置されたものとし各々は1組の弧状の電極面110と111を有し夫々軸113によって支点若くは点電極112の周りに回転し得るものである。これらの電極110と112は第1図に於ける電極28及び30と同様に動作するものである。この推力の作用する方向は電極110の軸に沿った点電極112の位置にによって定まる。従ってこれら回転する蓄電器によって塔門45に加えられる推力の方向は軸113の方向を定めることによって制御される。この軸113の方向は適当なモータ及び歯車(図示しない)のような何らか便宜の方法で制御するか手動で制御することも出来る。

 弧状部分55は導体部分14が電極18に対して行ったと全く同じように電極57から輻射される電界を反射若くは制限する役をなすものである。通常正に荷電される素子57と通常負に荷電される点電極によって生ずる推力を更に増加せしめる素子は次の通りである:電極47と57の間に確定された電界と相互作用をする中間板65、反射及び制限用天蓋55の挿入、電極表面65と57の逆回転、3個の回転蓄電器、コイル53、塔門頂上にある円形部49及び素子57と同電位若くは共に正に荷電されたコイル電極49とコイル53の間に電界成形用として挿入した誘電体の蓋52がこれに相当する。利点とするところはコイル電極49をテスラ・コイルのような高圧昇圧変圧器の2次捲線として用い得るもので極めて高い電圧を発生せしめることが出来る。

 さて第4図を参照するとこれは第3図の4−4線による断面で静電モータ76の断面を表わしている。ここに示したように固定子77及び回転子79及び81と共に導体部分120、124及び130と絶縁部分122、126及び128が交互に入っている。固定子77の導体片120と導体片130は第3図に示すように電源116によって同一電位に荷電され一方回転子79の導体部分124は電源116の反対電位に荷電される。この電源116、回転子79及び81及び固定子77の間の接続は第3図に示すように適当な刷子【ブラシ】117で行われる。これらの刷子はこの静電モータが励起されて固定子77に関連して回転を誘起した際その回転に応じて適当な時間だけ導電部分と接触及び遮断するような位置におかれている。

 スタータ・モ−タは前にも述べたように歯車85、87及び104を通して回転子79及び81の回転を始動するために設けられたものである。回転が始動した後はスタータ・モータ83は適当なスイッチ若くは逆止め機構(図示しない)によって離脱するものである。

 発電機115を適当な導体(図示しない)を通してコイル電極49及び53を含むすべての励起すべき電極に接続する。発電機115にはコイル49と53に高周波電力を供給するための発振出力回路のような共振回路も含んでいる。電極に与える電圧の組合わせは多いけれども49、53及び57の電極に同じ電圧、電極47に逆の電圧を加えると最良の結果が得られる。これらの電圧は電極が回転する場合には適当なケーブルと刷子を通して発電機115から供給される。

 前述の装置の各電極は発電機115から適当な電位を供給される。直流電位も用い得るし又反対に交流電位も用いることが出来る。




 さて第5図を参照すると推力発生装置が画かれているが誘電体部分120は中空円筒で誘電率Kの高い材料が望ましい。この誘電体部分120の両端には1組の電極140と124がある。インダクタンス126は円筒120の中にあり蓄電器127及び電極140に接続されている。以下に説明するように電極140と124及びコイル126を励振する目的のために導線131を通して適当なインダクタンス132によりコイルに交流電力源130を結合させる。

 円筒部分120の一端に近くお互に間隔を置いて曲面134、136及び138が設けてある。曲面134は内面に金属面を張った誘電体材料を含むもので又この金属面は誘電体中に埋め込んでもよく若くは電極を定める細かい網目を持った膜の形でもよい。曲面136も亦電極で適当な誘電体材料に埋め込まれた一連の細線を有している。曲面138は電極136附近の電界を成形するための誘電体材料である方がよい。

 支持体120の端に電極140が取り付けてある。円筒部120端に近く支持物146によってホーンのような高周波輻射器144が取付けてあり以下に述べるような方法で電極134及び136の方へ電磁エネルギを輻射する目的のものである。

 電源150は直流若くは脈動電流で円筒120の中に装置されており適当な導体例えば152、154及び161で電極140及び136及び電界成形コイル137とを接続する。交流電源130も同様に円筒120内に保持されており適当な導波管若くは導体145によって電極140と高周波輻射器144とを接ぐものである。更に交流電源130は又149のような適当な導体によって電極134に接いでいる。又電源150は導体161a、161b及び161cのような適当な方法によって電極158、159及び160に選択的に接続され電極158、159及び160を含む面内の何れかの方向に推力を生ずるものである。この装置で得られる推力は輻射器144から輌射された高周波エネルギによって電極134及び136の方向へ増加されている。この装置によって得られる推力は更に電源130によって電極134及び140に交流電力を加えて増加されている。

 誘電体138は電極136及び140の間の電位傾度に不連続を発生せしめるものである。この電位傾度に不連続を生じた結果このこ装置の推力が増加する。

 電源150で電極136と140の間に直流電位を加えると第5図に見られるように円筒部120の軸方向に沿って上向きの推力を生ずる。交流電源130で電極134及び140の間に交流電圧を加えるとこの交流電位による影響が周囲の空間に及び電極136及び140によって消費される直流が増し従って円筒部120の軸に沿っての推力が増加する。又交流電源130により誘電体120の反対側にあるコイル124と132及び電極140に交流を加えるとコイル126は共振を起すよう励振され更にこの装置による推力が増加する。

 高周波ホーン144に適当な導波管若くは導体145で電源130をつなぐがホーンは支持体146の中に取付ける方がよい。ホーン144は電極134、136及び138の方へ指向性電力を輻射するがその際曲面134で利得を上げて逆方向に反射するので更に周囲空間に影響を与えこの装置による推力を更に増加する。

 従って直流と交流電位を組み合わせたこの電源と電極は交流電力によって電極周辺の空間に影響を与えるので直流電位のみを与える時より推力が大きくなる結果となる。

 第5図について電源150により直流電位を電極136と140の間に加え交流電位を電極134と140の間に加えるものとして記述説明したけれども電圧、周波数、波形及び電位の種々な組合わせが考えられる。直流と交流電位を種々の電極に加える組合わせは前に述べたように電極136と140の間に直流電位をかけるのみより大きい推力を得るであろう。

 この推力を発生する装置については曲面電極の曲率の一定軸についてのみ記述したけれども誘電体で支えられた数個の放射状に配置された電極158、159及び160によって曲面の軸と直交した方向にもこの装置に推力を与え動かし得るものと考えられる。これら放射状に配置された電極を含む面内の任意の方向に推力を生ずることが出来る。例えば第6図に示すように導体部分158Aを選択して電位をかけるとこの導体部分は種々の方向に向いているのでこれら方射状に配置された電極に直流電位若くは脈動電位をかけるとよい。この放射状電極158Aを正に荷電し電極158Bを負に荷電すると最大の推力を得る。勿論これは必要不可欠のものではないが放射状電極を同時に荷電するより推力は増加し電荷を反転すれば推力も反転する。同様に電極159及び160の導体部分も電極158A及び158Bとは異なる方向にあるのでこれらの推力の方向及びその組合わせの何れかによりベクトル合成の方向に推力が指向される。

 本願の発明を最も明確に諒解されるためには、昭和34年特許願第14819号明細書を参照されたい。電極に関し前記特許願の発明と本発明は非常に類似している。これを更に具体的に説明すれば前記特許願に於ては支持体上に空間を設けて電極を使用し、電極に印加される電位には差異があり一つの電極は他の電極の表面と関連して拡大した表面を有するのであるが、本発明に於ては前記特許願に於けると同様の基本的な電極配置即ち電極12及び18を使用している。併し本発明に於ては堆力を増大するために電極の電位傾度を成形するよう補助的の電界生成電極14及び24を供するものである。

 又本発明に於ては電極12に近接して補助電極28を設けて傾斜(CANTING)効果を与える補助的の推力を生ずるため選択的方法でエネルギーを与えて支持体と電極全体を特殊の方向に運動せしめることができる。

 総ての電極28が同一電位で荷電されると発生した電位は軸10の軸線に沿う。

 更に本発明に於ては第5図に示すように補助電極158、159及び160を使用するもので選択的に荷電することができる。即ち推力は円筒120と同様軸の長手方向軸線に垂直である。

特許請求の範囲

 本文に詳述するように相互に空間的関係位置を以て支持された数個の電極よりなり、1組の電極には一つの型の電気エネルギを与え他の組の電極には他の型の電気エネルギを与える手段を有することを特徴とする電極に電位を与えることにより応働する維力発生装置。

附   記

1 第1の弧状電極、第2の弧状電極、前記弧状電極に連結され前記電極を空間的関係位置に支持する誘電体支持体、前記誘電体支持体に連結され前記弧状電極から空間を以て設けられた第3の電極、第3の電極と弧状電極の一つの間に第1の型の電気エネルギを与える手段及び第3の電極と前記の他の弧状電極の間に異なる型の電気エネルギを与える手段とからなる特許請求の範囲記載の装置。

2 誘電体支持体、相互に空間的関係位置を以て前記支持体に設けられた1組の弧状電極、前記支持体に設けられ弧状電極の曲率の軸線に沿って前記弧状電極から空間を以て設けた第3の電極、第3の電極と弧状電極の一つの間に第1の起電力を与える手段及び第3の電極と他の弧状電極との間に交流起電力を与える手段とからなり、前記交流起電力が周囲の電界に影響を及ぼして装置によって発生される推力を増大せしめる特許請求範囲記載の装置。

3 絶縁物、前記絶縁物に相互に空間的関係位置を以って設けられた第1及び第2の弧状電極。前記絶縁物の軸線に垂直にして且軸線の周囲に放射状に空間を以て配置された数個の弧状電極、絶縁物に取付けられ前記の放射状に空間を以て配置された弧状電極から離れて設けられた電極、前記電極のあるものの間に直流起電力を選択的に与える手段及び電極の他のものの間に交流起電力を与える手段とからなり、交流起電力が周囲の電界に影響を及ぼして装置によって発生される推力を増大せしめる特許請求範囲記載の装置。

4 電気的絶縁物からなる支持体、相互に空間的関係位置を以て前記支持体に支持された数個の電極、前記電極のあるものに単向電位を与える手段及び他の電極には交流電位を与える手段とからなる特許請求範囲記載の装置。

5 交流電位の周波数が調整される附記第4項記載の装置。

6 第1の電極を絶縁支持体の一端に配置し、他の2個の電極を第1の電極及び相互に空間的関係位置を以て支持体に配置し、第1の電極と前記他の電極の何れか一つに交流電位を与え、第1の電極と前記他の電極の残りの一つの直流電位を与える附記第4項記載の装置。

7 交流電位の周波数が調整される附記第6項記載の装置。

8 絶縁支持体の他物に環状の附加電極を設けた附記第6項記載の装置。


 既出ですが、蒸留水に高電圧を掛けると「ジェット水流になる」現象がありました。(200609262230)




























































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