永久磁石回転装置の超入力発電機構

九州大学大学院 工学研究院

化学工学部門 高尾征治

1.はじめに

これまで、永久磁石を利用して種々の特許や発明がなされている。その一つに湊1)の回転型永久磁石発電装置がある。50Wの入力の実に5倍にもなる250Wの出力を得ることに成功している。それは宇宙空間内に自然に存在しているフリーエネルギーあるいは宇宙エネルギーを装置的工夫により取りこんでいると見られている。しかし、その具体的メカニズムは不明である。

最近、高尾ら2,3)は、ニュートリノ探索実験の一つ、塩素実験の計測理論を厳密に見なおすことにより、ニュートリノ励起原子ラジカルを理論的に発見した。それは、従来の生体内外常温常圧核融合2,4,5,6)を含め自然に起きる原子転換7)の科学的説明に道を拓いた。続いて、ニュートリノ形態波動共鳴理論8,9)を提唱し、フラーレンやカーボンナノチューブの科学的・電気的機能の本質的な発現機構をまとめて説明することに成功している。

永久磁石回転装置による入力以上の発電出力も、高尾のニュートリノ励起原子ラジカル説やニュートリノ形態波動共鳴説を適用すれば科学的に説明することができると考えられる。

2.虚・実境界域での零点経由のニュートリノ発生



Fig.1 回転型永久磁石発電装置

Fig.1に湊の回転型永久磁石発電装置の写真を示す。空間から宇宙エネルギーを取り出せる発電シスエムは、古くから行われてきた。しかし、それは現代科学の主流にはならず、むしろ、異端視・排斥されてきた。湊の回転型永久磁石発電装置も巨費を投じての外国特許取得が先行したが、ようやく日本でも特許が認められ生産受注体制が確立されるに至ったようである。それには、永久磁石を取り付けて回転させ、これと対をなしN曲同志が近接するよう回転させ、あるいは固定させた永久磁石の反発力を利用して回転運動を持続させ、それを電気エネルギーに変換させるという装置上の工夫がなされている。ここで、重要なのはN極同志を近接させるという仕組みである。近接点では磁力がせめぎあい零磁場が発生するからである。

その零点とは螺旋的に捻れて接合する虚の世界が実の世界と接する境界点のことで、これを通してエネルギー情報が相互に相転移することになる。現代宇宙論で言えば、ホーキングが量子重力論を創出して虚と実の世界の関係について論じているし、また、1995年、日本学術会議が正式に学会として認めた人体科学会でも、気の発生点に関わりゼロ磁場あるいは零点ということが頻繁に登場しており、科学的には問題ない概念である。

3.永久磁石用金属・合金の結晶構造とニュートリノ形態波動共鳴理論の適用性

 では、従来からフリーエネルギーあるいは宇宙エネルギーと呼ばれてきたものの正体は何であるかが問題となる。宇宙空間に自然に存在するもののなかで個数密度が高くかつ化学的変換能力があるということになると、光子やニュートリノということになる。ここではニュートリノを最有力候補に選び、高尾らニュートリノ形態波動共鳴理論の適用性につき考察してみたい。

3.1永久磁石用金属の結晶構造 



上図10)に示すように、一般に元素の結晶構造には立方最密パッキングと六方最密パッキングの二通りがある。金属元素の大半は体心立方格子か面心立方格子あるいは六方の密なパッキングをとるという。

筆者の調査によれば、永久磁石に使用されている金属は、すべて立方最密パッキングにいう下表10) の表4.3や表4.4の体心あるいは面心の立方格子であった。すなわち、Mn, Fe, Ni, Ba, Sr, Cなどなど。ちなみに、水素吸蔵合金は、すべて表4.5の六方の密なパッキング元素であった。すなわち、Mg, Ca, Laなど。

 ところで、表4.2の六方最密パッキングの結晶構造で2層目の2と3層目の3を点線でむすぶと丁度正三角形が2つ重なりあった六芒星図となるのがわかる。

また、典型的な永久磁石合金中の鉄は、図9-8に示すように六角形状に配位していることがわかる。

.ニュートリノ形態波動共鳴理論による入力以上の発電機構

高尾のニュートリノ形態波動共鳴説では、正、反ニュートリノが零点経由で対発生する。そのうち、正ニュートリノは六角形状をなす永久磁石を構成する金属元素側へ波動共鳴して集積し、金属元素と衝突して消費される。

例えば、ニュートリノが鉄に衝突すれば原子核内の中性子を陽子に変換し、陽子過剰の鉄原子ラジカルと電子を次式のように発生させる。

ν + 26Fe → 26Fe*+ + e-               (1)

ここで、電気は電子の流れであるから、この発生電子が入力以上の発電に寄与することに

なろう。また、一定時間経てば、発生した陽子過剰の鉄の原子ラジカルは陽子を放出して元に戻る。

26Fe*+ → 26Fe + p             (2)

 このように考えれば、永久磁石の構成元素をもとのまま復元しながら入力以上の発電が持続できるメカニズムが見えてくる。

5.結言

 永久磁石を構成する金属元素の結晶構造や合金中の多量金属元素の配位状態は六角形状をしている。その結果、同極同士の近接領域で発生する点零経由で正、反ニュートリノが発生する。そのうち正ニュートリノは永久磁石を構成する金属元素に選択的に波動共鳴・集積し、陽子過剰の原子ラジカルと電子を発生させる。この発生電子が入力以上の発電を可能にすることになる。

【引用文献】

1)      湊弘平:特開平09-233872(1997)

2)      高尾征治:『量子水学説』, pp.1-449, CMF国際大学(2004)

3)      Komaki H. and M. Takao et al.Proceedings of the 10thAPCChECogress, 3P-01-097, Kitakyushu Japan(2004).

4)      高尾ら:化学工学会第37回秋季大会研究発表講演要旨集、U1P10(2003)

5)      高尾ら:化学工学会第37回秋季大会研究発表講演要旨集、U1P11(2003)

6)      高尾ら:化学工学会第37回秋季大会研究発表講演要旨集、U1P12(2003)

7)      Takao M. and H. Komaki et al.Proceedings of the 10thAPCChECogress, 4D-07, Kitakyushu Japan(2004).

8)      高尾ら:化学工学会第70年会研究発表講演要旨集、M315(2005)

9)      高尾ら:化学工学会第70年会研究発表講演要旨集、M316(2005)

10)  有山兼孝ら編『物性物理学講座5 結晶物理学』共立出版(1967)

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