http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080122-OYT1T00193.htm
より引用はじめ
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エボラ出血熱の原因ウイルス、東大チームが無害化に成功
致死率が90%にも達するエボラ出血熱の原因であるエボラウイルスを遺伝子操作し、特殊な細胞の中でしか増えない安全なウイルスに改造することに、河岡義裕・東大医科学研究所教授らの研究チームが世界で初めて成功した。
エボラウイルスは、外部と隔離された実験室で極めて厳重な管理のもとで取り扱わなければならず、これが治療薬開発などの研究が進まない主因になっていた。この改造ウイルスを使えば、通常の実験室でも研究が可能となり、今までなかったワクチンの開発などが大きく進む可能性がある。近く米科学アカデミー紀要電子版に発表する。
研究チームは、エボラウイルスの増殖にかかわるたんぱく質「VP30」に着目。カナダにある特別な実験室で、このたんぱく質を作る遺伝子を取り除いた改造ウイルスを作製した。次に、この改造ウイルスを通常の細胞に感染させたが、1週間たってもまったく増えず、反対に、VP30を作り出す特殊な細胞の中では増殖した。
河岡教授は「改造ウイルスは、増殖にかかわるたんぱく質が作れないこと以外は、実際のエボラウイルスと同じ性質を持っている。このウイルスを使えば、安全に治療や予防の研究が行えるだろう」と話している。
(2008年1月22日10時34分 読売新聞)
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引用終わり
※本文を読むと「増殖にかかわるたんぱく質が作れないこと以外は、実際のエボラ
ウイルスと同じ性質を持っている」ということですから、今の段階では、ワクチン
や治療薬の開発に役立ちそう、という段階ですね。
携帯電話【電磁波】[1996-2007]
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郵政省が本格調査計画 来年度予算で15億円要求 - 携帯電話やPHS 電磁波の人体影響はっきりさせます
国民の7人に1人が使っている携帯電話や簡易型携帯電話(PHS)などが出す電磁波が、人体や医療機器などの電子機器にどんな影響を与えるのかについて、郵政省は1997年度から本格的な調査・研究を始める方針を決めた。電化製品などの電磁波についてはすでに防護指針があるが、最近の急速な普及で、国民の不安が高まってきたことにこたえようというものだ。防護指針を満たす電磁波の人体への「影響」について国際的にも否定的な見解がほとんどだが、動物実験などの結果次第では指針の見直しも検討し、利用方法の改善につなげる。
動物実験も委託
97年度予算では約15億円を要求する計画で、電波を遮断する「電波暗室」を設けて、電磁波の影響を正確に測定できる環境をつくる。電磁波を当てたときの人体の体温分布の変化などを解析し、影響を調べる。
また、ラットなど小動物を使った長期の動物実験を大学研究機関に委託する。「電磁波でがんの進行が促される」といった学術論文があるのを受けて、がん状態のラットに電磁波をさまざまな方法で照射し、本当に電磁波によりがんが進むかどうかなどを調べる。医療機器など半導体を組み込んだ電子機器が、電磁波でどの程度、誤作動するかなども精密に検査してメカニズムを明らかにする。
電磁波の人体への影響について各国は、どの程度の量を浴びても大丈夫かという電波防護指針をつくってきた。日本でも、通信・放送の設備や機器はこの指針に基づいてつくられている。しかし、携帯電話のように耳や頭に接して使われる製品が普及するにつれ、欧米諸国では指針の見直し作業が始まり出した。
「白血病患者の割合が増える」「がんの進行が早まる」などの論文も海外で発表されている。しかし、世界保健機関(WHO)の支援でこの問題を検討している国際機関では、「論文に基づく別の研究者の実験で、関連が裏付けられたケースはない」との声明を今年4月に出している。
医療機器に与える影響は昨年暮れ、郵政省の音頭で医師や通信事業者らが実験をした。心臓ペースメーカーが、10センチ程度離しても誤作動したり、40センチ離した人工心肺装置のポンプが停止したりすることがわかった。医療機器向けに暫定指針が出され、病院では携帯電話の使用が制限された。しかしPHSや電動シャッター、防災機器などを含めて精密に調べたわけではなく、病院では通話をすることによる患者の精神面の利点も大きいため、正確な調査を求める声が強まっていた。
電磁波は、ガンマ線やX線から赤外線まで波長によりさまざまあり、電子レンジなど身近な製品に幅広く使われている。携帯電話の場合、周波数は800メガヘルツが中心で、主な機種の出力は平均0.6ワット。PHSは1.9ギガヘルツで、出力は平均0.01ワットと小さい。
8月末現在の携帯電話の加入は約1443万件で、PHSを合わせると1800万件を上回っている。(朝日新聞 1996/09/10)
電磁波とがん発生、関係確認できず 米で17年越す調査の報告書
【ワシントン31日共同】高圧送電線や家庭用電気製品から出る電磁波が、がんを発生させるか、という長い間論争になっている問題について全米科学アカデミーの研究評議会は31日、「がんなど健康被害に結びつく因果関係は確認できなかった」とする報告書を発表した。
報告書は、米国を代表する学術機関である同アカデミーの研究評議会特別委員会の16人の専門家が17年以上にわたり、関係する500以上の研究論文の調査方法や結論の導き方などを詳しく調べ直してまとめた。
因果関係の再調査対象になったのは、高圧送電線のほかヘアドライアー、電子レンジ、コンピューター端末などの電気製品。高レベルの電磁波を動物や培養細胞に浴びさせる実験も実施した。その結果、がんのほか生殖機能障害、発育障害など健康被害を科学的に証明する根拠は見つからなかったという。
電磁波と健康被害との関係については、1979年に英国で「送電線の近くに住む子供の白血病発生率が高い」と発表されて以来同様の調査結果が相次いだ。こうした発表の根拠をめぐって論争になっただけでなく、送電線近くの住民による訴訟も起きている。
子供の白血病増加を示す過去の研究論文について同委員会は「住宅付近の汚染や交通渋滞などほかの要素が関係している可能性がある」と指摘、今後の継続調査を求めている。(日本経済新聞 1996/11/01)
細胞の免疫機能 電磁波受け低下 労働省研究官ら確認
高圧線や一般の家電製品から出る極低周波(周波数50ヘルツ)の電磁波にヒトの末梢(まっしょう)血リンパ球をさらしたところ、がんなどの腫瘍(しゅよう)細胞に対する攻撃機能を強める性質を持つたんぱく質「TNF−α」の生産量が落ち込み、免疫機能が低下することが5日までに、労働省産業医学総合研究所(川崎市)の城内博主任研究官らの実験で分かった。
大量の電磁波を浴びると、がんや白血病になるとの説をめぐり世界的な安全論争が続く中、細胞レベルでは極低周波が免疫機能を弱める働きを持つことを示したともいえ、城内研究官は「がんを誘発することを直接的に証明するものではないが、生体ががんに侵されやすくなる可能性もある」と指摘している。
これを受け労働省は97年度から、動物実験により生物への具体的な影響の有無を調べるなど本格的な研究に着手、人体が浴びる電磁波の量を抑えるための対策や防護指針づくりなどに乗り出す。
実験は城内研究官と名古屋大医学部のマリア・ビラヌエバ博士=現在はフィリピン在住=らが共同で行った。
実験では、採取した血液を装置に入れ、免疫機能の重要な指標となるサイトカインと呼ばれるたんぱく質数種類について、磁場の変動に伴う変化を観察。その結果1、3、10ミリテスラ(磁束密度の単位)では「TNF−α」の量が通常の75%程度にダウンした。
実際に一般家庭内で浴びる磁場の強さは最大で0.01ミリテスラ程度。実験で照射したのに比べかなり弱い。
高圧送電線や家庭用電気製品からの電磁波はがんを発生させるかという論争について、全米科学アカデミーの研究評議会は昨年10月「がんなど健康被害に結び付く因果関係は確認できなかった」とする報告書を発表している。(日本経済新聞 1997/01/06)
電磁波で発がんの恐れ 危険小さいが可能性
米国立研の諮問委見解
【ワシントン25日共同】送電線などから出る電磁波による人体影響を調べていた米国立環境衛生科学研究所の諮問委員会は25日までに、電磁波は発がんの原因になり得るという見解をまとめた。
送電線の健康影響は長い間、論争になっているが、公的な組織が発がんとの関係を認めたのは初めて。見解を盛り込んだ報告書は7月末、正式に公表される。
諮問委員会は、送電線や、テレビなどの電化製品から出る電磁波と健康の関係を調べた9種類の疫学調査と、マウス、ニワトリ、培養細胞を使った実験結果をもとに見解をまとめた。
同研究所によると、疫学調査では送電線近くに住む子供の間にわずかに白血病の増加が見られたほか、電磁波が強い作業環境で働く成人にも白血病の増加があった。しかし、動物や細胞の実験では電磁波と発がんの関係は見つからなかった。
このため、28人の専門家で構成する諮問委員会では議論が紛糾。24日に開かれた会合で投票した結果、19対9で発がんの可能性を認める見解が決まった。委員長のマイケル・ギャロ・ニュージャージー医科歯科大教授は「発がんの危険はかなり小さいと考えられるが、さらに研究が必要」と指摘した。
送電線や家庭の電気製品が発生する電磁波とがんの関係については、96年10月、全米科学アカデミーの研究評議会が「因果関係は確認できなかった」とする報告書を発表している。(朝日新聞 1998/06/26)
携帯電話は健康に悪影響も 複数メーカー認めると英紙
【ロンドン25日共同】25日付の英日曜紙インディペンデント・オン・サンデーは、携帯電話の電磁波が使用者の健康を害する可能性についてメーカー側が初めて認めた、と伝えた。
同紙によると、L・M・エリクソン(スウェーデン)など少なくとも世界の大手メーカー6社が、新しい携帯電話部品の特許関連文書の中で、健康を害すると明確に述べている。
あるメーカーのアンテナの特許申請書は「使用者の健康を損なわないよう工夫した」としているほか、他社の申請書にも「人体への危険」や「電磁波などを放射する携帯電話から、使用者が安全な距離を保つ」との記述がある。
申請書中に5年以上も前の実験データが含まれていることから、専門家は以前からメーカーが携帯電話の危険性を認識していた、と指摘している。
メーカー側は特許申請書の中の説明について「健康的な使用法を示したにすぎない。われわれの知る限り、人体への悪影響を科学的に証明した研究結果は明らかになっていない」などと説明しているという。(共同通信 1998/10/26)
参照:携帯電話が危険な証拠(WIRED NEWS 1998/10/26)
携帯電話:「ペースメーカー」誤作動問題 影響明記決める
携帯電話の電磁波が心臓ペースメーカーを誤作動させるとされる問題で、NTTやKDDなどが加盟する電気通信事業者協会(東京都港区)は、料金請求書に「ペースメーカーへの影響があるため、満員電車など混雑した場所では電源を切ってください」と書いたちらしを同封することを決めた。不統一だった購入時の取扱説明書にも、ペースメーカーへの影響について統一して明記する。
郵政省の指導を受けて対応した。同省も、同じ趣旨のパンフレット約1万5000部を作製、全国の電気通信監理局に配布し、広報活動に利用する。
不整脈などでペースメーカーを使用している人は全国で約20万人。学識経験者や郵政省でつくる「不要電波問題対策協議会」は「携帯電話から22センチ以上離れないと電磁波の影響を受ける」との研究結果を明らかにしている。ペースメーカー使用者らでつくる「内部障害者の福祉を守る会連合会」(兵庫県西宮市、約400人)によると、実際に気分が悪くなった人が出ているといい、昨年12月、同会の新明進会長(72)が野田聖子郵政相に改善を要望していた。
また、同省は運輸省に対しても鉄道事業者に車内放送などでの呼びかけを徹底するように要請した。【山本 真也】(毎日新聞 1999/04/01)
電磁波で白血病増える? カナダ・トロント大の研究チームが発表
【ワシントン15日共同】カナダ・トロント大の研究チームは15日、電磁波に多くさらされた子供は小児白血病になる危険が2−4倍高い、と発表した。同チームは、トロント都市圏に住み1985年から93年までに小児白血病と診断された201人と健康な406人の子供を対象に、家の内外で電磁波の強度を測定、白血病との関連を調べた。その結果、屋外の送電線や家庭内の配線から出る電磁波にさらされる子供は、電磁波を受ける量が少ない子供に比べ、白血病と診断される確率が2−4倍高かった。
米環境衛生研究所も同日、電磁波が白血病を増やす証拠は弱いものの、完全に安全とは言えないとする報告書を発表した。(共同通信 1999/06/16)
電磁波は白血病の原因? かかる率2〜4.5倍──カナダ・トロント大学調査
【ワシントン15日瀬川至朗】カナダのトロント大の研究グループは15日、電磁波被ばくの大きい家屋に住む子供は、そうでない子供より白血病にかかる率が 2〜4.5倍高いとする疫学調査結果を発表した。電磁波の強さをモニター装置などで正確に測定しており、電磁波と発がんの関係を示す新たなデータとして注目される。論文は「国際がんジャーナル」最新号などに掲載された。
14歳までに白血病と診断されたトロント都市圏に住む201人の子供を対象に住宅内外の電磁波の強度を測定し、健康な406人の子供のデータと比較した。
とくに一部の子供にはモニター装置を付けてもらい、電磁波被ばくを高い精度で測定したところ、電磁波の強い家に住む子供の白血病リスクが2〜4.5倍高いことが分かった。とりわけ、6歳未満の幼児の発病リスクが高く、生後2年間に住んだ家の電磁波強度がより強く関係していた。(毎日新聞 1999/06/16)
業界側の研究でも「携帯電話は危険」(WIRED NEWS 1999/06/21)
電磁波で子供が白血病になる?(WIRED NEWS 1999/06/22)
携帯電話で記憶や方向感覚に損傷?(WIRED NEWS 1999/11/03)
電磁波リスク3倍に=携帯電話のイヤホン使用時−英紙
【ロンドン4日時事】4日付の英各紙によると、携帯電話をイヤホンとつないで使うと、電話機を耳に直接当てた場合の3倍の電磁波が頭に伝わるとの調査結果が明らかになった。調査は英消費者組合が実施した。
携帯電話のイヤホンは、受話器を持たずに通話ができる便利さに加え、電磁波のリスクを軽減する目的で購入するユーザーも多く、売れ行きを伸ばしている。しかし、同組合が携帯電話の人気2機種を使って実験したところ、イヤホンのコードがアンテナの役割を果たし、電磁波が直接耳に伝わることがわかった。
携帯電話の電磁波の人体への影響については、脳腫瘍(しゅよう)やアルツハイマー病などとの関連性を指摘する研究報告も一部で出ている。(時事通信 2000/04/04)
携帯電話と脳しゅよう 日米欧14カ国で共同調査──症例集め、影響の有無確認
携帯電話から出る電磁波の発がん性が懸念される中、脳しゅようなどへの影響の有無を本格的に調べるため、日米欧14カ国が協力し、脳しゅよう患者の追跡調査を今秋から共同実施することが決まった。
世界保健機関(WHO)が設立した国際がん研究機関(IARC、本部・仏リヨン)を中心とする国際プロジェクトで、日本では、郵政省が今秋から、首都圏の脳しゅよう患者ら500〜600人に聞き取り調査をする。最終報告は2003年ごろにまとまり、携帯電話の人体への影響について科学的な根拠に基づく結論が出ると期待される。
携帯電話に使われる電波は1.5ギガヘルツ(ギガは10億)前後の高周波に属し、電子レンジで使うマイクロ波に近い。出力は弱く熱作用はないが、高周波の電磁波を浴びると、細胞分裂の際の異常や遺伝子の損傷を起こす可能性があると指摘されている。このため、携帯電話のアンテナが発する微弱な電磁波が脳に影響し、脳しゅようを引き起こすかもしれないという不安が世界的に広まっている。
国際共同調査は、世界で脳しゅよう患者3000人と一般の3000人を対象に、両グループの携帯電話の使用頻度などを比較し、電磁波の影響を割り出す。郵政省は日本脳神経外科学会に協力を求め、9月から2年間、首都圏などの病院200〜300施設で脳しゅよう患者500〜600人の症例を集める。
各人がどれくらいの頻度、期間で携帯電話を使用していたか、通話の際にアンテナを伸ばしていたかどうかなどを尋ね、通話記録から通話時間を推定する。
郵政省はラットの実験結果から「現時点では脳に障害を与えるという証拠はない」とする見解を出しているが、人体についての本格調査がなく不安をもつ人もいるため、国際調査への参加を決めた。【松村由利子】(毎日新聞 2000/05/02)
「携帯電話の使用と脳腫瘍の発生がなんらかの相関を持つ可能性」---。
スウェーデンの研究グループが研究結果を公表
世界中で携帯電話機の利用者が急増中であるが、高周波発生源である携帯電話機を側頭部に押しあてて使用する使用形態が脳腫瘍の発生と何らかの関連がある可能性を指摘する研究結果が公表された。インターネットによる医療情報プロバイダとして知られるスウェーデンのMedScape社が5月4日、ウェブサイト(http://www.medscape.com/journal/MedGenMed)上でオンライン・ジャーナル「MedScape General Medicine」として一般公開したもの。
このレポートは「Case-Control Study on Radiological Work, Medical X-ray Investigations and Use of Cellular Telephones as Risk Factors for Brain Tumors」、すなわち「脳腫瘍の発生要因としての携帯電話機の使用に関するケーススタディ」と名付けられている。ウェブサイト上で発表したのは、(1)出版物にするためにかかる時間のロスを避ける、(2)今後も研究の進展に応じて随時アップデートする、(3)世界中のできるだけ多くの人に関心を持ってもらいたい…といった理由からである。
この研究は過去2年間にわたり、スウェーデンの2つの地域で233名の脳腫瘍(悪性と良性の両方を含む)患者について様々な方法で携帯電話機との関わりを調査した結果をまとめたものである。例えば、携帯電話機を使用する際に左右どちらの耳に押し当てていたのかと脳腫瘍の発生位置との関連を調べたところ、携帯電話機を頻繁に利用する患者は後頭部や前頭部、頭頂部よりも側頭部に腫瘍が発生する確率が高いなどの結果が得られたという。
また、従来の脳腫瘍発生確率に関するアナログ電話機とディジタル携帯電話機との比較、広周波電磁界やビデオ・ディスプレイの影響など他の要因についても調査が行われている。
この研究はまだスタートしたばかりであり、携帯電話機と脳腫瘍の発生の関係を解明したというレベルには至っていない。しかし、携帯電話機のユーザーが爆発的に増えている状況の中で、大きな関心が払われるべき問題であることは確かだ。これを契機として世界的に関心が高められ、調査・研究が一層進められることが期待される。(日経BP 2000/05/08)
英、子供のケータイ制限へ
使い過ぎると成長に悪影響(日本とは異なる事情で)
【ロンドン11日=芝田裕一】携帯電話の電磁波が健康に与える影響について、英政府の諮問を受けた専門家グループは11日、その潜在的危険性を認め、成長期の子供の使用を制限すべきだとの報告書をまとめた。英保健省は答申に沿って対応する方針を表明している。
携帯電話の過度の利用が、記憶力悪化や、アルツハイマー病の誘発などにつながるなどとの懸念が指摘されているが、物理学や脳神経学の専門家らで構成される同グループは、あらゆる研究結果を調べ、検討を進めた。報告書は「携帯電話の有害性を示す明確な証拠はないものの、脳を含む身体の機能に微妙な影響を及ぼす可能性があり、潜在的な危険性を完全には排除できない」と結論づけている。
そのうえで政府に対し、脳が成長を続けている子供の利用を必要最小限にとどめるよう学校や家庭を指導するとともに、強い電磁波を発する携帯電話基地局の設置許可規制を強化するよう勧告している。
欧州は携帯電話の所有率が高く、英国では国民の4割以上が所持している。
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携帯電話の出力は、国によって大きな差がある。電波状態の悪い所での通信や、大量の情報を交信する際に必要な最大出力は、欧州諸国の携帯電話では2ワットなのに対し、日本の携帯電話は0.8ワットと小さい。
郵政省電波環境課では「日本の携帯電話で会話する際の出力を使用時間で割った平均出力は、0.27ワット、PHSでは0.01ワットとさらに低く、日本国内の移動電話が発する電磁波は、健康への影響は問題ない低いレベルに抑えられている」と話している。(読売新聞 2000/05/12)
英科学者、子供の携帯電話使用減らすよう勧告
【ロンドン11日ロイター】英国政府の委託により科学者らが作成した報告書は、携帯電話が発する電磁波などが人体の健康を阻害するとの直接的証拠は何らないとしたものの、子供が使用する頻度を低下させるよう勧告するとともに、基地・中継局やアンテナの設置には配慮が必要だと指摘した。
この報告書は、「ここに至って、生物学的影響を与える可能性が、英国のガイドライン以下とはいえ存在することを示唆する、科学的証拠を得た」とし、「この確認を踏まえて、調査部会は、携帯電話の使用による人体への生物学的影響に関して詳細かつ科学的な確固たる情報が得られるまで、使用に際して予防的注意を払うことを勧告する」とした。 (ロイター通信 2000/05/12)
電磁波が細胞に悪影響 携帯電話より弱くても
【ワシントン12日共同】携帯電話が出す電磁波より弱い電磁波でも、生物の細胞に影響を与えて変化を引き起こすことが、英国のノッティンガム大などの研究チームによる線虫を使った実験で、12日までに分かった。
実験は人間の健康への悪影響を直接示すものではないが、研究者らは「携帯電話の電磁波強度基準を見直す必要がある」と指摘している。
携帯電話の健康影響をめぐっては、やはり英国の専門家グループが11日、脳への影響を否定できず子供は頻繁に使うべきでない、とする報告書を発表したばかり。
実験は、土の中に住む長さ約1ミリの線虫を18時間、弱い電磁波の中に置いたところ、細胞内で「熱ショックタンパク質」が生成された。
このタンパク質は通常、熱や毒で細胞が損傷を受けた時に生成され、細胞の防御反応とみられている。しかし、実験に使った電磁波は細胞に熱を帯びさせる強度はなく、安全とされる基準内の強さだった。
研究チームは、電磁波は熱を与える強度でなくても、細胞を直接傷つける作用があるらしい、と指摘。携帯電話の電磁波が人間の脳細胞を傷つけていないか調べる必要があるとしている。
実験結果は英科学誌ネイチャーに発表される。(共同通信 2000/05/13)
携帯電話の電磁波 子供への影響否定できず
【ロンドン13日=沢村亙】英国政府の委託で携帯電話の発する電磁波が人体に与える影響を調査していた研究グループが、「人体に悪影響を及ぼす明確な証拠はなかった」としながらも、子供への影響は否定できないとして、必要のない使用は極力避け、子供向けの携帯電話の宣伝を控えるよう提言する報告書を発表した。
タイサイド大学病院のスチュワート院長を班長とする研究グループは、携帯電話の人体への影響について、「電磁波がもたらした可能性のある、わずかな生体の変化が認められた。だが、病気に結びつくものではない」と報告。「さらに研究成果が明らかになるまでは、予防的な対応をとるべきだ」と述べた。
報告書は、頭がいが弱く、成長過程にある子供について特に配慮が必要と指摘。中継アンテナの設置基準の強化を求めたほか、消費者が安全な製品を選択できるために、電磁波量の表示を提案している。
一方、英国ノッティンガム大学などの研究グループは、弱い電磁波を線虫に照射する実験で、熱で細胞が傷つけられたときにできるたんぱく質ができたという結果を25日付の英科学誌ネイチャーに発表する。
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英国の報告書について、郵政省電波環境課の浅見洋課長は「携帯電話の電磁波が人体に有害とされた公式報告はなく、英国の研究も有害と断定したわけではない。ただ、健康にかかわる問題なので、念には念を入れ各国と協力して研究する」と話している。欧州の携帯電話の出力は、日本の携帯電話の3倍程度大きい、という。(朝日新聞 2000/05/14)
携帯電話 電波の影響は? 英国では「16歳未満の使用控えめに」
電磁波の健康への影響について、スウェーデンの「カロリンスカ研究所」は1992年、「高圧送電線の周辺に住んでいる小児と白血病の間に弱い関連性が見られた」という報告をした。しかし、その後に米国立がん研究所や全米科学アカデミーは、電磁波による影響を証明する根拠は見つからないという結論を出した。
今年5月、英国の専門家グループは、健康に対する影響は明らかではないとしたうえで「子供は頭がい骨が薄く、脳神経も発達過程にあるので大人より携帯電話の電磁波の影響を受けやすい」と報告し、16歳未満の子供は使用を控えるべきだと主張している。
携帯電話は頭に当てるので、影響を心配する声が出た。欧米では生体への影響について新たな調査や基準づくりが始まった。
郵政省は今秋から、脳しゅようと携帯電話の関係について調査する。国際がん研究機関(IARC)の調査で、欧米を中心とする13カ国に日本が加わり、2004年までに結論をまとめる予定だ。
また郵政省は、携帯電話から頭部に吸収されるエネルギー量について、測定方法を標準化し、来年夏までに電波法の関係規則を改正する方針を明らかにした。
国立公衆衛生院の大久保千代次・生理衛生学部長も「現代社会で電磁波を避けて生活することは不可能。経済的な損失なしに不必要な電磁波を避ける適正な基準が必要だ」という。(毎日新聞 2000/06/16)
携帯電話の電磁波量を公開へ 米業界団体が決定
ニューヨーク(CNNfn)携帯電話などの無線通信機器が世界的に急速に普及する一方で、電話機から出る電磁波が健康に与える影響について、情報開示を求める声が強まっている。米無線通信機器メーカーの業界団体が、電話機から発生する電磁波の量について情報の公開を決めたことが、CNNfnの取材で明らかになった。
米セルラー通信業協会(CTIA)は、これまで情報開示に難色を示してきたが、このほど姿勢を転換し、情報の公開を会員企業による採決で決定した。
通信機器メーカーが、CTIAによる認証を得るには、8月1日から電磁波に関するデータを提出することが義務付けられる。消費者には向こう3-6カ月以内に情報が公開され始める見込みという。
CTIAは、会員企業の製造する無線電話機器はすべて、政府の基準を満たしているとし、電磁波の発ガン性などを裏付ける研究はない、と主張している。
行政当局はこれまでのところ、電磁波による健康への影響について結論を出していない。ただ、研究機関などは、血球中のデオキシリボ核酸(DNA)が、電磁波に大量にさらされると損傷するなど、ガン発生との因果関係を指摘する調査を報告している。
5月には政府の諮問機関が、子供による携帯電話の使用はできるだけ避け、携帯電話機に電磁波の量を示すラベルをはることを勧告した。米食品医薬品局(FDA)は先月、CTIAと共同で電磁波に関する研究調査を行うことを決めた。調査費用100万ドルはCTIAが負担し、2年後に最初の報告書を発表する予定という。(CNN 2000/07/17)
携帯電話で脳腫瘍と訴え 米で800億円の賠償請求
【ワシントン3日共同】携帯電話の使用で脳腫瘍(しゅよう)になったとして米メリーランド州の神経内科医が、モトローラ社などに対し8億ドル(約872億円)の損害賠償を求める訴訟をボルティモア市巡回裁判所に起こしたことが3日、分かった。
ロイター通信によると、訴えたのはクリストファー・ニューマンさん(41)。数年前から携帯電話を使用した結果、脳腫瘍になったと主張。電話会社や電話機メーカーは、がんの原因になり得る電波を携帯電話が出すことを消費者に知らせなかったとして、補償的損害賠償金1億ドルに加え懲罰的損害賠償金7億ドルの支払いを求めた。
モトローラ社は、携帯電話の健康への悪影響はないと指摘し、過去に類似の訴訟が数件あったが、棄却または原告が訴えを取り下げたと説明している。
携帯電話が脳腫瘍などの被害を起こす可能性は、世界保健機関(WHO)の国際がん研究所が調査に乗り出すなど注目されていた。(共同通信 2000/08/04)
携帯電話はイヤホンで 脳への影響小さいと英政府
【ロンドン8日共同】英貿易産業省は7日、携帯電話の使用時にイヤホンを使えば、電話を直接耳に当てる場合に比べて電磁波による脳などへの影響が小さくなるとの調査結果を発表した。
英国では消費者協会が今年4月、イヤホンはコードがアンテナの役割をするため、通常の3倍の電磁波が脳に伝わるとの調査結果を発表しており、これと対照的な結果になっている。
独立系の研究機関に依頼した今回の調査報告では、頭部が吸収する電磁波を測定したところ、ある機種ではイヤホンを使えば33分の1に抑えられ、別の機種でも22分の1になった。
報告は(1)イヤホンのコードがほおに付かないよう垂らす(2)電話をポケットに入れる場合は番号ボタン面を身体側に向ける―などの工夫で、さらに安全性が増すと助言している。
携帯電話用イヤホンは、運転中に電話をしてもハンドルから手を離さずにすむため、売れ行きが伸びている。(共同通信 2000/08/08)
強い電磁波で白血病死増加 溶接従事者ら対象に推定
一般環境よりはるかに強いレベルの電磁波を浴びる溶接や電気炉での作業従事者は、白血病になる率がわずかながら高まり、全国数十万人の従事者中で死者が年間数人程度増加する恐れがある、との研究結果を産業医大産業生態科学研究所の桜沢博文医師らがまとめた。シンガポールで開かれる国際労働衛生会議で28 日、発表する。
研究グループによると、作業従事者たちが浴びる電磁波のレベルは携帯電話の使用時や高圧線周辺と比べはるかに強い。こうした人たちの白血病の危険度を死者数まで含め推定した研究は日本で初めてという。
昨年公表された米政府の大規模調査報告書は、職業によって受ける電磁波は慢性リンパ性白血病と関係があると指摘しており、今回も同様の結論となった。
桜沢医師らは、国内で溶接や、電気炉での作業をする人の数を、業界のデータなどから55万―70万人と推定した。
こうした人たちが白血病や脳腫瘍(しゅよう)になる危険度を計算したところ、一般の人に比べ白血病になる危険度は15%高いとの結果が出た。脳腫瘍では有意な影響はなかった。
危険度の計算には、1963年から昨年までに論文が発表された電磁波の影響に関する約5300の研究のうち、個人ごとに浴びた量が把握できる16の海外研究を使用した。
国内の成人男性の白血病による死亡率は10万人当たり推定7.0人だが、溶接作業などの従事者では危険度の上昇により死亡率も同8.05人に上がった。従事者人口に当てはめると、死者が年間5.8―7.4人増える恐れがあるとの結果が出た。この死者増は米国での飛行機事故死の危険の約100倍に当たるという。
危険度の計算では、国内での研究には利用できるものがなかったため、電磁波を浴びる量の違いや、人種による影響の差はないと仮定したとしている。(共同通信 2000/08/26)
携帯欧米各社、商品に電磁波量を表示へ
ヘルシンキ(ロイター)携帯電話機から出る電磁波が健康に与える影響に懸念の声が高まっているのを受け、欧米の大手メーカー各社は、来年から、全商品に電磁波量を表示することを決め、準備を進めている。業界最大手・ノキア(本社・フィンランド)の報道担当者らが28日、ロイターに語ったところによると、同社は、モトローラ(米国)、エリックソン(スウェーデン)と共に、携帯電話機からの電磁波量を示す「比吸収率(SAR)」を計測する際の基準設定を進めているという。
|現在、各社間の調整を行なっている段階で、計測基準は来年早々にも最終決定する見通し。その後、各社は、すべての商品について、常時SAR値を表示する予定だ。
携帯電話の使用が、ガンなど健康上の危険につながるのではないかとの懸念に対応した動きで、「この問題に関する消費者の関心は高く、商品に関する情報を得たいとの消費者の要求に答えたいと考えた」と、モトローラの報道担当者は説明する。
エリックソンは、SAR値の表示を来年4月までに開始する予定。ノキアは期日を特定していないが、「測定基準が策定され次第」始めるという。また、モトローラも、「来年初めには測定基準に関する合意が得られる」との見通しを示した上で、「できるだけ早く商品への表示を始めたい」としている。
電磁波量の値は、機器自体でなく、機器を包装する箱に表示される予定だ。
携帯電話機の電磁波による危険性については、今のところ確固とした裏付けはなく、専門家の間でも結論は出ていない。携帯電話の利用者は現在、世界各国で計5億7000万人にのぼり、5年後には14億人まで増えるとの推計もある。
米連邦通信委員会(FCC)は、すでに携帯電話の電磁波量について安全基準を定め、メーカー全社に対して、国内での販売を承認する際、SARレベルの報告を義務付けている。一部の機種については、消費者がFCCを通してSAR値を知ることも可能だ。しかし、現時点ではSARの計測基準が不統一で、米国とヨーロッパでは別々の基準が使われていることなどが問題になっている。(CNN 2000/08/29)
電磁波の影響が少ない「無害携帯電話」、特許を獲得
湖南省韶山市の孫氏民間科学研究所が開発した無害携帯電話がこのほど、国家知識産権局の特許証明書を獲得した。
現在使われている携帯電話はアンテナの設計が不適切で、電磁波放射と使用者の脳の距離があまりに近いため、携帯から出される電磁波が脳腫瘍など多くの病気を誘発する恐れがある。このため孫克恂氏は長年の研究の結果、安全保健製品の一種である「無害携帯電話」を発明した。この技術のカギは、アンテナを下に垂らしたり、そばに置いたりすることで、電磁波の発射装置(アンテナの先端部)の距離と使用者の頭部および皮膚を遠ざけること。専門家によると、孫氏が開発した携帯電話は携帯電話の通信機能を維持しつつ、利用者が浴びる電磁波を16ミクロンワットまで減少させ、長く使用しても害を受けることはない。(人民日報 2000/09/01)
「携帯電話使う子供に記憶障害」
【ロンドン25日ロイターES時事】携帯電話を使用する子供は記憶障害や睡眠障害、頭痛などに悩まされる危険性がある──。英国の物理学者がこのほどこんな研究結果をまとめ、英医学誌ランセットに掲載された。
それによると、携帯電話が放出するマイクロ波は体内の細胞の安定を崩し、主に神経系統に作用。記憶障害などを引き起こす危険性があるという。(毎日新聞 2000/11/27)
携帯電話で巨額賠償請求へ 脳腫瘍招いたと米患者ら
【ロンドン28日共同】28日付の英紙タイムズによると、携帯電話使用による電磁波などの影響で脳腫瘍(しゅよう)になったとして、米国の患者や遺族らが米携帯電話大手ベライゾン・ワイヤレスなどを相手に計数十億ドルに上るとみられる損害賠償請求訴訟を米国内で起こす。
同種の賠償請求訴訟は過去に個人レベルなどで数件あるが大規模な訴訟は初めてとみられ、同紙は「携帯電話産業に対する司法面での最大の脅威」になると指摘した。
同紙によると、被告には携帯電話メーカー、通信会社のほか、有線の地域通信会社も含まれる。
患者らは、来年3月までにカリフォルニア州などで2件を提訴、同年中にさらに7、8件の訴訟を起こす予定。
電磁波による健康被害については、世界保健機関(WHO)の研究所が因果関係について疫学調査を進めており、結論が出るのは2004年ごろとみられている。(共同通信 2000/12/28)
携帯電話:84センチ以内の使用で電子機器が誤作動
【ワシントン9日斗ケ沢秀俊】携帯電話を84センチ(33インチ)以内の距離で使うと、病院の電子機器が誤作動するケースが出ることを、米国有数の医療機関であるメイヨー・クリニック(ミネソタ州)の研究グループが現場実験で確かめ、メイヨー財団発行の月刊誌に発表した。米国の医療機関は携帯電話の使用が機器に悪影響を及ぼす可能性があるとして、施設内での使用を禁じているが、臨床現場で確認された例はほとんどなかった。同グループは「病室や手術室での使用禁止は適切な措置であることが裏付けられた」と話している。
実験は携帯電話17機種について、計526回実施された。報告によると、心臓や肺の機能を監視する装置に何らかの影響を与えた例は7機種で観察された。データを混乱させたり、機器の誤作動を引き起こすなど臨床的に重要な妨害例は7.4%の頻度で発生した。
機器から約1.5メートル(約60インチ)以上離れた場所で使用した場合は大きな問題を起こすことがなく、84センチ以下だと監視装置のデータの乱れが起こった。約5センチ(2インチ)以下では、人工呼吸器が停止した例があった。
同グループは「電子機器周辺での使用の禁止や制限は合理的な措置だ」と判断している。
日本では郵政省(当時)や医療関係者、業界団体などで作る「不要電波問題対策協議会」が1996年、国内での実験結果や海外の文献調査をもとに「携帯電話から発射される電波により、医用電気機器が誤動作する可能性がある」と判断し、誤作動防止の暫定指針を公表している。
暫定指針は(1)手術室や集中治療室(ICU)に携帯電話を持ち込まない(2)病棟内では電源を切る(3)ロビーでの使用は周囲の状況に十分に注意を払う ──という内容。特にペースメーカーについては、携帯電話をペースメーカーから22センチ程度以上離して使うことを求めている。(毎日新聞 2001/01/10)
携帯の電波、人体に影響なし 総務省が研究報告
携帯電話の電波が人体に与える影響を調べている総務省(旧郵政省)は30日、「脳の学習能力や健康に悪影響を及ぼす確たる証拠はない」との見解を盛り込んだ中間報告を発表した。動物実験の結果や世界の研究動向を参考にまとめた。同省電波環境課は「安全性の指針で示した電波量を超えない限り、大丈夫」と説明している。
医学部の教授らで組織する生体電磁環境研究推進委員会は、安全性の指針の3.5倍、通常の携帯電話の約4倍の電波をネズミにあてて、迷路の中でえさの場所を記憶させる実験を行ったが、学習能力への影響はみられなかったという。委員会は今後2年間、動物実験などを続けて根拠をより明確にするとしている。(朝日新聞 2001/01/31)
米国で京セラが携帯電話をリコール
京セラの米国子会社の京セラ・ワイヤレス社は、同社の携帯電話の1機種について、ある条件下で、電磁波に関する米国の安全基準を超える可能性があるという理由でリコールした。問題の電話機『QCP-3035』は昨年12月から米国内で使われているもので、米クエスト・コミュニケーションズ社の1万1000 人にのぼるユーザーが利用している。京セラ・ワイヤレス社は、この電話機はユーザーの健康に悪影響をおよぼすものではない、と述べている。
リコールが開始されたのは5日(米国時間)。リコールの理由は、この電話機が、アナログ・ローミングモードにあり、かつ、ある特定のチャンネル上にあるとき、連邦通信委員会(FCC)の定めた電磁波基準を超過するおそれがあるというものだ。
このことは、ユーザーがデジタル・ネットワークの外側にいる場合に「大都市以外では多くの場合」そうなのだが「一定の条件下で」、電磁波エネルギーを吸収する可能性があるということを意味している、と京セラ・ワイヤレス社は述べた。
過度の電磁波が出るのは限られた場合にすぎないので、ユーザーの健康に悪影響があることはほとんどないだろうと、同社の研究者たちは述べているという。
しかし、携帯電話の電磁波が安全かというより大きな問題は、いまだに激しい議論を呼んでいる。ワイヤレス業界が資金を提供している米ワイヤレス・テクノロジー・リサーチ(WTR)社が昨年6月に発表した調査(日本語版記事)によると、携帯電話の電磁波は、人間のDNAを壊すほど強いものではないが、血中の変化などを引き起こすという。
携帯電話メーカーは現在、ユーザーの頭部に電磁波エネルギーがどれだけ吸収されるかを示す『SAR』(Specific Absorption Rate)を測定し、これを製品の箱もしくはパンフレットに記載している(日本語版記事)。
京セラ・ワイヤレス社は、「電話会社とユーザーはほとんどの場合デジタルモードにあり、基準値を上回る状態になることは実際には滅多にない」と述べる。
同社は、QCP-3035はFCCのSAR基準(人体組織1キログラムあたり1.6ワット以下)に適合していると述べた。また、同社はリコールされた QCP-3035を同じ機種の別の電話機に交換するという。QCP-3035の販売は引き続き行なわれる予定。今回のリコールは同社による「自発的な」もので、同社の技術者たちが日常的な品質チェックの過程で、一部の電話機がFCCの基準を超えることを発見したのがきっかけだった。
同社はさらに、リコールを受けるユーザーには、クエスト社の基本サービス料を1ヵ月無料にする対応をとるという。
QCP-3035は、200ドルで販売されている(利用料金は別)。音声認識によるダイヤル機能のほか、内蔵スピーカーフォン、インターネット閲覧、1000件の電話番号を保存できる住所録などの機能がある。ディスプレーは8行表示。
リコールされた電話機は、アリゾナ州、コロラド州、アイダホ州、アイオワ州、ミネソタ州、モンタナ州、ネブラスカ州、ニューメキシコ州、オレゴン州、ユタ州、ワシントン州、ワイオミング州のクエスト社ユーザーが利用しているもの。
クエスト社は、リコールされた電話機を自動的に使えない状態にし、新しい電話機を使えるようにする。この作業は9日の午前6時までに終了する予定。使用を止められたユーザーも、緊急電話だけは使えるとのこと。
京セラ・ワイヤレス社とクエスト社のカスタマー・サービスには問い合わせが集中しており、対応が遅れている。(WIRED NEWS 2001/03/07)
携帯電話機の電波強度に上限、メーカーに義務化 総務省
総務省は21日、携帯電話の端末に、人体への影響が指摘されている電磁波の許容基準を設け、メーカーに守らせる方針を決めた。来年6月にも制度化する予定で、必要な省令改正などの手続きに入る。現在でも「電波防護指針」のなかで、安全とされる電磁波量の基準値を示している。しかし、健康や脳の学習能力への影響について不安が広がっている事情に配慮して、さらに厳しい規制に乗り出す。
新しい「電波防護規制」は、体に密着させる携帯端末が対象。新制度により、メーカーは指針で決められた電磁波量の基準(体重1キロに対し2ワットの出力まで)に従って端末を製造し、同時にそれを証明する義務が生じる。
総務省電波環境課によると現在使われている携帯電話の平均的な電磁波量は体重1キロに対し0.27ワット程度で「安全性の指針を超えておらず、人体に悪影響はない」としている。しかし、携帯電話の利用者の急増に伴い、心臓ペースメーカーをつけた人への影響などを懸念する声も出ている。(朝日新聞 2001/03/22)
電磁波集団訴訟:携帯での健康被害 米患者、日本企業に賠償
携帯電話使用による電磁波で健康被害に遭ったとして米国の患者らが、日本メーカーを含む携帯電話関連企業を相手に、巨額の損害賠償や悪影響を防ぐヘッドホンの無料提供などを求めた集団訴訟を20日までにニューヨーク州などの裁判所に起こした。
携帯電話の電磁波をめぐる大規模な集団訴訟は初めてとみられる。損害賠償額は明らかではないが、懲罰的賠償を含め計数十億ドルに上るといわれる。
被告には、米国NEC、米国ソニー・エレクトロニクス、北米三洋電機、米国松下電器の日本関係の4社のほか、米地域通信最大手のベライゾン・コミュニケーションズ、長距離・国際通信スプリントの携帯電話部門スプリントPCS、AT&Tなどの通信会社やモトローラ、ノキア(フィンランド)などの大手通信機器メーカーも含まれる。
訴えによると、携帯電話の電磁波の悪影響は、頭部から携帯電話を離して使用できるヘッドホンを使えばかなり減らすことができることを企業側は何年も前から知っていたと主張。そのうえで、携帯電話購入者に無料でヘッドホンを提供することなどを求めた。
訴えに対し、米国NECは「提訴の事実関係を調査中で、コメントは差し控えたい」と話している。
電磁波による健康被害については因果関係が証明されておらず、世界保健機関(WHO)の研究所が疫学調査を進めている。(ニューヨーク共同)(毎日新聞 2001/04/21)
携帯電話電磁波による悪性腫瘍の可能性 国内初
北京解放軍304医院が診断した悪性腫瘍が注目を集めている。脳腫瘍の研究と治療に長年携わってきた同院の神経外科医・李安民医師は、携帯電話の電磁波と関連性があるとの見解を示している。
同院は昨年末、左の大脳半球に脳腫瘍がある患者を診察した。この患者は複数の有名な大病院では脳梗塞と診断されていた。同院では、患者の腫瘍の形や位置と、患者が8年間携帯電話を使用し、しかも左手で電話を使用する習慣があることから、携帯電話の長期使用による脳腫瘍の可能性があるとの診断を下した。
スイスの研究機関が昨年末に発表した、欧州で販売されている携帯電話28機種に対する測定結果によると、電磁波量が最高の機種は、最低の機種の6倍という結果が出ている。広東省消費者協会が昨年2月に行った携帯電話11機種に対する測定では、電磁波量が最高の機種は、国際的な制限値を18倍以上もオーバーしていることがわかっている。李医師は、携帯電話が電波を出す際には耳にあてないことや、携帯電話の使用を必要最低限に留めることを呼びかけている。
携帯電話が人体におよぼす影響については現在議論が行われている。世界保健機関(WHO)に属する国際がん研究機関(IARC)は、携帯電話の電磁波と脳腫瘍との関係について2年間かけて調査を行うと発表し、13カ国がこれに加わることを表明している。結論は2004年までにまとめられる予定。フランスでは脳腫瘍の患者1500人と健康な人との比較調査を行い、2003年までに携帯電話の使用と脳腫瘍との関係について研究結果を発表するとしている。これら結果が発表されるまでにはあと3〜4年待たねばならない 。(人民日報 2001/04/28)
アンテナ伸ばせば7割減、携帯電話の電磁波 総務省調査
総務省が販売中の携帯電話端末から出て体内に吸収される電磁波量を調べたところ、アンテナを伸ばすと縮めた状態に比べ最大で7割減ることがわかった。携帯端末の電磁波は、脳や埋め込み型の心臓ペースメーカーなどに対する影響が懸念されてきたが、機種ごとの本格調査は初めて。総務省は週内にもホームページで調査結果を公開する。
調査は、携帯電話4社が販売中の76機種を調べた。端末を右耳、左耳につけ、(1)通常の通話位置(2)アンテナをさらに頭に近づけた位置(3)アンテナを伸ばした位置(4)アンテナをしまった位置、など8ケースを測定した。
安全性の指針とされる電磁波吸収量の基準は、体重1キロに対し2ワットの出力まで。アンテナを収納した形では最大で1.86ワットを記録した端末もあったが、アンテナを伸ばすと半分以下の0.85ワットまで減少した。いずれのケースでも、アンテナが伸びた状態では収納時とほぼ同じか、大きく減った。
アンテナを伸ばすと電磁波が周辺に拡散するためとみられる。調査対象の端末は、すべて安全とされる許容基準の範囲内の数値だった。
一方、のべ121種類の心臓ペースメーカーへの影響調査では、携帯端末を15センチ以内の距離に近づけた場合に、ペースが乱れるなどの影響が5件みられた。(朝日新聞 2001/05/15)
携帯電磁波:人体への許容量を規定する省令改正決める 総務省
総務省は16日、携帯電話やPHSが人体に与える電磁波の許容量を規定する省令の改正を決めた。耳に端末を当てて会話する一般的な通話方法を想定し、世界保健機関(WHO)の見解に従い、人体の側頭部が吸収する電磁波の量を「体重1キロ当たり2ワット」に制限する。
市民団体などから、米国基準の「体重1キロ当たり1.6ワット」の厳しい基準を採用すべきだとの要望もあったが、「WHOの見解は科学的知見に基づく」とみて「2ワット」を採用した。今年1月現在で市販されている76機種は、最大で体重1キロ当たり1.86ワットと、すでに規制を満たしている。
ただ、今回の規制は、埋め込み型ペースメーカーへの影響は考慮しておらず、今後の検討が必要となりそうだ。【野島康祐】(毎日新聞 2001/05/16)
米国議会の調査機関が携帯電話の電磁波について報告
ワシントン発米国の携帯電話の利用者は1億1500万人以上にのぼる。だが、米連邦議会の調査機関である米会計検査院(GAO)は、これまで行なわれてきた調査では、携帯電話の健康への悪影響はまったくないと断言するには不十分だとし、利用者に対してより適切な情報開示を行なう必要性があることを改めて強調した。
GAOは22日(米国時間)、主要な医療機関の研究や著明な科学者たちの意見にもとづいて作成した報告書を発表した。この報告書のなかでGAOは、次のように述べているこれまでの調査では、携帯電話が発する電磁波が健康に悪影響を及ぼすことは示されていないものの、「悪影響は皆無だと結論づけるに十分な情報は未だ得られていない」
報告書では、こう判断した理由の1つとして、電磁波エネルギーに関しては、ほとんどの調査が、人体が受ける短期的な影響を対象にしてきたことをあげている。長期的影響に関する調査も現在進められているが、「携帯電話が発する電磁波が人体に有害であるかどうかについて明確な結論が得られるまでには、かなりの年数を要すると見られる」とGAOは報告している。
そして、明確な調査結果が得られるまでの間、国民に対するより適切な情報の開示が必要だと、報告書は述べている。
「短期的には、携帯電話を利用する大勢の人たちは、自分自身で判断を行なうしかない」と、民主党のエド・マーキー下院議員(マサチューセッツ州選出)は言う。マーキー議員は、同じく民主党のジョゼフ・リーバーマン上院議員(コネティカット州選出)とともにこの調査を要請した。
利用者は、自分が得た知識にもとづいて、通話時間を短くしたり、イヤホーンを使って電話機を体から離すなどの対策を講じられるかもしれないとリーバーマン議員は述べ、自分の携帯電話に取り付けたイヤホンを外して示した。「あるいは、悪影響は無視できる程度のものだと判断し、日ごろの習慣を変えない人もいるかもしれない」
議会は、米連邦通信委員会(FCC)と米食品医薬品局(FDA)に対して、利用者が自分の使用する機種の電磁波レベルを簡単に調べることができるように、ウェブサイトやコールセンターを設置するよう提言した。
大手携帯電話機メーカー各社は、自主的に商品の箱の中にそうした情報を表示しはじめた。FCCはウェブサイトで情報を公開しているが、電磁波レベルを知るためには、個々の機種のFCC承認番号で検索しなければならない。
GAO はまた、携帯電話に関して政府機関が提供する情報は、使用している用語が専門的すぎる傾向があり、一般の利用者が理解できなかったり、また最新情報を網羅していない場合があることを指摘している。この点は重要だ。なぜなら、メーカー側は自社製品に関して、FCCやFDAが提供する情報を利用者に伝えているためだ。
「われわれは、政府の情報に頼っている」と、携帯電話における主要な業界団体である米国セルラー通信・インターネット協会(CTIA)のジョアン・R・バジル氏は言う。「政府が定期的に情報を更新し、利用者が理解しやすい用語を用いてくれることは大歓迎だ」
FCCは、GAOへの回答の中で、すでに利用者が理解しやすいウェブサイトにすべく取り組んでいると述べた。
報告書はさらに、携帯電話が電磁波レベルの基準を満たしているか否かを政府が判断する際の方法も見直すべきだとしている。現状は、各メーカーが自社の製品をおのおのの方法でテストし、そのデータをFCCに提出している。FCCは、人体の組織が携帯電話から吸収する電磁波の量を示す『SAR』値の上限を、 1.6ワット/キログラム以下にすることを定めている。
使用されている部品の種類、電話機の位置のわずかな変化、さらには技術者が試験に用いる液体を混ぜる方法さえも測定結果に影響を及ぼすと、GAOは述べる。FCCは現在、そうした変動要因を減らすために、工学関連機関との連携のもとに試験方法の標準化に取り組んでいる。しかし現状では、メーカーの報告する数値は実際の電磁波レベルに対して30%前後の誤差を含む可能性があると、 GAOは報告している。
GAOはまた、FDAが主導して行なっている主要な調査に関して、常に利用者の認識を得られるよう働きかける必要があると述べた。FDAの調査は、携帯電話業界からの資金提供を受けているのだ。業界団体のCTIAが、安全性の研究に約100万ドルの資金を提供している。ただし研究課題を決めるのは、FDA が選んだ専門家たちだ。
マーキー議員は、こうした調査が常に真実を明らかにするものであることが重要だと強調した。
「結果において利害関係の絡む業界が研究を押さえている状況では、協力関係を築くことはできない」とマーキー議員は延べ、こうした状況に対処する唯一の方法として、政府が全額を負担して研究を行なうことを提案した。
CTIAのバジル氏によれば、業界は、FDAの示した勧告や調査への意図に従ってきたという。今後はFDAも、研究の監視に携わっていくことになる。
同じくこの日、連邦議会は、潜在的に携帯電話が有するまた違った性質の危険性、つまり、運転中の通話が原因で起こる事故に対処するための法制化に向けて動き出した。
民主党のゲリー・アッカーマン下院議員(ニューヨーク州選出)は、運転手に運転中の通話を認めるが、イヤホンやスピーカーフォンなど、両手を自由にする機器の使用を義務付けることを提案した。上院では、民主党のジョン・コーザイン上院議員(ニュージャージー州選出)が、運転中の携帯電話の使用を禁止する法律において、そうした例外を認めるか否かは各州の決定に委ねることを提案した。(WIRED NEWS 2001/05/24)
「携帯電話がDNAを破壊」 米EMXが人体への影響発表へ
電磁波の影響を軽減する技術を開発している米EMXは、携帯電話が人体に及ぼす影響についての新しい研究結果を7日(英時間)、英ロンドンで開催中の携帯電話と健康に関する会議で発表する。同社によると、繰り返し携帯電話の電磁波にさらされた体細胞は、修復機能が低下するという。また発表では、EMXが開発した「EMFバイオチップ」によって携帯電話の影響を軽減できることを実証するとしている。
同社創設者兼CEOのトーマス・マグナッセン博士と、ワシントン大学のヘンリー・ライ博士(生体工学)が発表するもの。ライ博士は70年代末から電磁波の生物学的影響について研究している。両氏によると、携帯電話が発する電波が細胞内のDNAの2重らせん構造を破壊し、これによって細胞そのものが自然に持っている修復機能が損なわれるという。
通常、携帯電話の発する電波はDNAに直接ダメージを与えるには微弱すぎるとされている。しかし、弱い電波でも生体に一定のストレスを与えることが複数の研究機関によって確かめられており、ライ博士は、繰り返し電磁波を浴びることによってDNAが破壊されることを確認したという。実験には、破壊された DNAが「彗星のしっぽ」のような形になった状態を確認する「コメット分析法」と呼ぶ手法を使った。また、こうした影響はEMFバイオチップによって緩和できることをラットの脳で実証したという。
EMXは、昨年末、携帯電話の電波に対して、「撹乱」するノイズを発して人体への影響を軽減するという「EMFバイオチップ」を発表した。これに対し研究者の間には、携帯電話の電波には人体に影響を与えるほどの強さはない、とする懐疑的な見方もある。(毎日新聞 2001/06/07)
携帯電話使用を控えた方がよい人々
1.てんかん病患者:携帯電話を使用する際、大脳の周囲で発生する電磁波は、通常の電磁波の4〜6倍。品質が悪い携帯では通常の約100倍になることもあり、発作を誘発する可能性がある。
2.重症の神経衰弱症患者:携帯電話を日常的に使用することにより、不眠、健忘、睡眠障害、めまい、頭痛、精神不安定などの神経衰弱症状が引き起こされる可能性がある。
3.白内障患者:携帯電話が発生する電磁波が、白内障患者の病状をさらに悪化させる恐れがある。
4.心臓病患者:外からの電磁波は、心筋の電気生理を妨害する。テストでは、携帯電話の電磁波により心電図に異常をきたすことがわかっている。
5.甲状腺機能障害患者および糖尿病患者:携帯電話の電磁波により内分泌がかく乱され、甲状腺機能障害や糖尿病など内分泌系の疾患を引き起こす。携帯電話の使用でさらに病状が悪化する。
6.妊婦および授乳婦:携帯電話の電磁波の変則的な影響により、内分泌がかく乱され、母乳に悪影響をおよぼす。
7.子ども:強大な電磁波を長期的に浴びた場合、子どもの大脳の発育を妨げる。
8.60歳以上の高齢者:大脳の老衰性萎縮がひきおこされ、大脳の機能が奪われる。(人民網日本語版 2001/08/09)
携帯の電磁波が鳥に悪影響?
3日付けの『タイムズ』紙が伝えたところによると、イギリスの鳩飼育家が、携帯電話の電磁波のせいで愛する鳩が寄りつかなくなったという理由で携帯電話会社を訴えようとしている。この人物、デビッド・ブレイン氏は、電磁波が鳩の方向感覚機能を損なわせると確信しているという。
ブレイン氏はスコットランドのウェストロジアン州で農業を営んでいるが、農場のそばに設置された携帯電話用のアンテナ塔のせいで、飼育している50羽のレース鳩が怯えて逃げてしまったと主張している。
ブレイン氏の話では、アンテナ塔が設置されて以来、飼育場にこれまで40年間常時出入りしていた鳩のうち、3分の2がいなくなってしまったとのこと。
記事によれば、ブレイン氏他多数の鳩愛好家たちは、近々携帯電話会社に対して訴訟を起こすつもりだという。
タイムズ紙によれば、イギリスの『王立鳩レース協会』もこの訴訟を支持している。
携帯電話機メーカーの業界団体『モバイル遠隔通信諮問グループ』(Mobile and Telecoms Advisory Group)は、アンテナ塔から放出される電磁波が鳩に害を与えることはないと断固として否定している。
同グループの関係者がタイムズ紙に述べたところによれば、アンテナ塔からの電磁波が動物に悪影響を及ぼすという証拠はまったくないが、今後この問題について調査を予定しているという。
だが、『スイス鳥類研究機関』による最近の研究によれば、レース鳩は携帯電話用のアンテナ塔に近づくと混乱し、こうした施設の周囲では通常よりも低く飛ぶことが判明している。
携帯電話で失明:イギリスから携帯電話に関する話題をもう1つ。ロンドン在住の男性が、携帯電話で顔を殴られたせいで片目を失明してしまった。
イギリスのニュースサイト『ザ・レジスター』によれば、先週、携帯電話のアンテナがこの男性の目に突きささり、損傷があまりにひどかったため眼球を摘出しなければならなかったという。
この男性はロンドンの露天商なのだが、屋台から商品を盗もうとしている女を見て前に立ちはだかった。
すると女はこの男性に足払いを食わせ、顔を携帯電話で強打した。その衝撃で頭蓋骨も骨折した模様だという。
ロンドン警察は現在、この女と連れの2人の行方を捜査中だ。(WIRED NEWS 2001/09/07)
携帯電話の電磁波を防ぐには
携帯電話を長時間頻繁に使用した場合の電磁波は、人体の各系統を損ねる恐れがある。健康への悪影響を減少させるため、使用者は以下の点に注意する必要がある。
(1)携帯電話を起動した瞬間から、電話がつながる直前の数秒間は電磁波が最も強いため、耳につけて使用するのは避けたほうがいい。電波が乱れたときは、アンテナを伸ばすと電磁波を弱めることができる。イヤホンの使用は電磁波の影響を低下させる。
(2)長電話を避け、使用時間を短縮させる。電話が長くなりそうなときは、途中で一度中断し、何回かに分けて話すとよい。
(3)顔や耳が熱っぽく感じられたときはすぐに電話を切り、お湯で拭くか何度も手でさすってマッサージし、破壊された組織や細胞の回復を促す。頻繁に携帯電話を使用して不眠症、健忘症、めまい、動悸などの症状が現れたときは、使用を控えるか、または一、二週間使用を停止するべきである。
(4)充電中は、充電器を人体から30センチ以上離しておく。電磁波は脳細胞の成長や発育に影響を及ぼすため、子供からは遠ざけておく必要がある。(人民網日本語版 2001/09/10)
携帯電磁波、CDMAはGSMより安全か?
多くの独立科学研究機関の調査でも、携帯電話が健康に悪いという証拠は発見されていない。しかし、携帯電話の電磁波問題に対する消費者の関心は高まるばかりである。GSM方式の携帯電話を使うとテレビやコンピューターの画面が歪んだり、固定電話を妨害したりすることがあるが、CDMA方式の場合は影響が比較的小さいという報告が寄せられている。これはつまり、CDMA方式はGSM方式よりも電磁波が少ないということなのだろうか。
情報産業部電信伝輸研究所、中国泰尓実験室の魏然・主任技師は、CDMA方式安全説には科学的根拠が欠けていると認識している。「すでに調査済みのデータによると、市場に出回るGSM方式とCDMA方式のSAR値はほとんど変わりがない。CDMA方式携帯電話の電磁波がGSM方式より少ないと証明するデータはないし、機種によってはGSM方式を上回るものもあるくらいだ。」
魏然氏の説明では、CDMA方式は通話中常に連続信号を発しているが、GSM方式はパルス信号(断続的)のため、電波障害を起こしやすい。したがって、日常生活で現れる前述のような現象は、携帯電話の発するパルス信号が原因であって、電磁波が大きいということを証明しているわけではないのである。(人民網日本語版 2001/09/13)
電源の入った携帯電話 「通話なくとも強い電波」
ペースメーカーなどに影響も
◆調査で判明
携帯電話は、電源を入れたままだと、通話していなくとも通話中と同じ強さの電波を出すことを、市民団体が、このほど電車の中で行った実験で確認した。心臓ペースメーカーなどに影響を与える可能性もあり、「混雑した車内では、電源を切ってほしい」と呼びかけている。
調査したのは、「日本子孫基金」(東京)。先月初めの休日の午後、JR中央線の電車内で、携帯電話の電源を入れたままにして、電波測定器で電波を測定した。すると、乗車途中で何度か測定器の針が0.2秒間、最大値まで振れ、通話時と変わらない強さの電波が出ていることが分かった。
NTTドコモ(同)によると、携帯電話はある電波中継基地のエリアから別のエリアに移る時に、電話機の位置情報を知らせる電波が自動的に出るという。総務省も「事業者によって異なるが、一秒未満のごく短い時間、数回電波が出る。電波の出力は通話時と同じ0.8−0.2ワット。ごく短時間でもペースメーカーなどに影響が出る恐れはある」と指摘する。
このほか、今回の調査で留守番モードの着信前やメール送受信の最中にも、やはり測定器の針が最大値まで振れ、電波が出ていることも分かった。
調査を担当した植田武智(たけのり)さんは「こうした事実は、関係者の間では知られていたが、通話していなければ問題はないと思っている人がほとんど。調査結果を広くPRして、満員電車などでは電源を切るよう呼びかけていきたい」と話している。(読売新聞 2001/10/01)
電磁波が「がん抑制ホルモン」阻害 環境研、細胞実験で
高圧送電線や家電製品から出る電磁波が健康に影響を与えるかどうかの問題で、国立環境研究所(茨城県つくば市)は細胞を使った実験をし、がん抑制作用を持つホルモン「メラトニン」が磁界によって働きを阻害される、という結果を得た。同種の実験は海外に4例ある。実験は細胞レベルのもので、人体そのものが同じ影響を受けるかについてはなお研究課題として残されている。実験結果は京都で開催中の日本生化学会大会で28日に発表される。
メラトニンは睡眠など生体リズムを形成するホルモンの一種で、がん細胞の増殖の抑制作用をもつ。この力が低下すると、各種のがん細胞の増加につながるという「メラトニン仮説」が87年提唱され、各国で研究が続いている。
国立環境研究所は国の特別研究として、石堂正美主任研究員と兜真徳首席研究官らが実験にあたった。
実験ではまず磁界感受性のある乳がん細胞「MCF7」に人体と同じ濃度のメラトニンを加え、乳がんの増殖が抑制されることを確認。次に同じ条件でこのがん細胞を高圧線下や家電製品など日常生活でも経験されるのと同じレベルの1.2〜4マイクロテスラと、やや強い100マイクロテスラの磁界に入れた。その結果、いずれの場合もメラトニンは細胞の中で抑制作用を低下させ、濃度によっては消失する例もあった。
メラトニンのがん抑制情報は(1)細胞膜の受容体(2)Gたんぱく質(3)酵素──の3つの伝達因子によってがん細胞内に伝えられる。3因子同士の連結部が遮断され、情報の伝達ができなくなった──という実験結果が得られたという。
メラトニン仮説が国内で追試されたのは初めて。今回の実験結果は、人体への磁界の影響の評価方法を確立する上で、1つの手がかりになるといえそうだ。
石堂研究員は「あくまで細胞レベルの反応なので、ただちに人体が同じ影響を受けるとはいえない。しかし抑制作用が阻害されるメカニズムも判明してきた。磁界感受性のあるこの乳がん細胞をマウスに移植するなど、新たな段階につなげたい」としている。(朝日新聞 2001/10/28)
WHO 電磁波「発がん性の可能性」があると発表
世界保健機関(WHO)の傘下の国際がん研究機関(IARC)は、高圧送電線や電化製品などから出る電磁波(電磁界)について、見解をまとめた。「発がんの可能性がある」としながらも、動物実験による証拠は不十分で、解明すべき課題はあるという内容。電磁波の健康影響についてWHOは03年に新環境保健基準をまとめる方針で、とりあえず10月、各国政府や電力業界に予防対策をとるよう伝えた。
WHOは96年から10年計画で「国際電磁波プロジェクト」を進めており、発がん性の評価をIARCが担当した。日米欧10カ国の専門家21人が参加、数十の研究論文をもとに、6月、フランスで開いた専門家会議で総合評価をくだした。
会議では、小児白血病に関する分析が「評価対象」に採用された。一般の家電製品などから出るレベルの0.4マイクロテスラ未満の磁界に住む子供たちには発症の増加がみられなかったが、0.4マイクロテスラ以上を居住環境で受ける子供たちは2倍になる、という。
IARCの発がんランクは5段階あるが、電磁波は「発がん性あり」「可能性が高い」に続く3番目の「可能性あり」とされた。そのうえで、「統計的な疫学研究には信頼できる証拠があるが、動物実験の証拠は不十分」とする見解をまとめた。
WHOは87年に出した「環境保健基準69」で、「5000マイクロテスラ以下では有害な生物学的影響は生じない」としている。今回はこれを再評価するための研究作業の一環で、今後、他の科学的調査やリスク評価を総合し、新しい基準を出す。
またIARCの見解を受け、WHOは各国政府や電力業界に「予防的な対策」として、(1)住民に十分な情報を提供する(2)被ばくを減らす安全で低コストの対策(3)健康リスクの研究の推進──などを講じるよう伝えた。
経済産業省は「白血病が2倍になるとの疫学結果は認識しているが、調査の偏りの可能性も残る。動物実験などによる科学的なメカニズムも明らかになっておらず、すぐに何らかの規制などは考えていない」と話す。
住民に必要以上に不安を与えないため、当面、財団法人「電気安全環境研究所」に委託し、「電磁界と健康」のホームページでIARCの見解を紹介する。
「電磁波問題」は、79年に米国で高圧送電線の周辺でこどもの白血病が多いとの疫学調査結果が発表されて以来、欧米で社会問題化し、研究が続いている。日本でも99年から3年かけ、WHOのプロジェクトの一環として、小児白血病と電磁波の関係を調べる初の疫学調査が進行中だ。(朝日新聞 2001/11/05)
東京タワー周辺、強い電磁波
国によっては「有害」レベル 市民団体調査
首都圏に放送電波を発信している東京タワー(東京都港区)の周辺で電磁波の強度が高い数値に達している、という調査結果を市民団体が明らかにした。国内の規制値を下回っているが、欧州などの規制値を超している地点もある。テレビ塔や携帯電話の基地局からの電磁波が、がんの発生率を高めるとの指摘もあり、団体は総務省に詳しい調査を要請する。
電磁波の健康被害を訴えている「ガウスネット」(事務局・東京)と、東京理科大の学生らでつくる「電磁波プロジェクト」が調べた。7月から東京タワーから半径約2キロ以内の255地点で電磁波を測定した。東京タワー周辺でのこれほどの規模の電磁波調査は初めて。
それによると、タワー中心から西北西約300メートルの交差点では、1平方センチあたりの電力密度が101.69μW(マイクロワット)だった。イタリアや中国では違法とされる値だ。
各国大使館が並ぶ北西約400メートルや、北北西500メートルの神社近く、北東へ約200メートルの高校前などでも高かった。いずれも高台で、遮へい物が少ない場所。500メートル以上離れると、低下した。
総務省の電波防護指針によると、東京タワーが発する電波の周波数の場合、人体に影響がない値の上限は1平方センチあたり約300μW。これを超える値は出ていない。
だがイタリアなどは、10μW以上は「健康に有害」として99年から法規制を実施。今年6月には、欧州広域に電波を送っているバチカン放送が、基準を超えているとして出力を下げさせられた。ロシアや中国、スイスも同等か、より厳しい基準を定めている。
高圧送電線などから出る電磁波については、世界保健機関(WHO)傘下の研究機関が疫学調査の結果から、「発がんの可能性がある」との見解をまとめている。動物実験などによる解明はまだ不十分というが、WHOは10月、各国政府や電力業界に予防対策をとるよう伝えた。
今回の調査の呼びかけ人の上田昌文さんは「日本最大出力で密集地に立つ東京タワーでさえ、電磁波強度の実態も分からない。行政は強度と健康リスクを早急に調べるべきだ」と話す。
総務省電波環境課は「がんとの因果関係に科学的根拠はない」と説明している。
国立環境研究所の兜真徳・首席研究官は「電磁波と健康被害の疫学調査は解析が難しいが、影響を示唆する研究もあり、防護指針を下回れば必ずしも安全とは言い切れない」と話している。(朝日新聞 2001/11/07)
携帯電話で脳腫瘍──元Motorola社員が同社を提訴
14日,携帯電話の使用が脳腫瘍の原因になったとしてMotorolaに損害賠償を求める訴訟がワシントンD.C.の最高裁に持ち込まれた。原告の Michael Murray氏はMotorolaの元社員。34歳の同氏は,この訴訟で携帯電話が脳腫瘍の原因になるという宣言的判決も求める方針。同氏の弁護士である Mayer Morganroth氏は,今後同様の訴訟が相次いで起きるだろうと話している。(ZDNet News 2001/11/15)
携帯電磁波、人体への影響を大調査へ 英政府
英政府は25日、携帯電話の電磁波が人体に与える影響を明らかにするため、ボランティアに対する実験を含む大規模な専門調査に着手する、と発表した。脳腫ようとの関係や子どもの発育、脳の働きへの影響などについて、7400万ポンド(約144億円)の予算で14の調査プロジェクトを進める。
頭部への影響が懸念されている携帯電話の電磁波については、世界保健機関(WHO)や各国政府が動物実験などをしている。日本でも総務省が昨年、「健康に悪影響を及ぼす確たる証拠はない」との中間研究報告を出している。
しかし、英政府は「安全かどうかをはっきりと国民に示すため、出来るだけ早く科学的に十分な知見を得る必要がある」(保健省)と徹底調査を決めた。
英国でもこれまでのところ「有害」とする明確なデータはないが、政府は昨年、「子どもの利用は必要最低限に」と助言するパンフレットを配布している。(朝日新聞 2002/01/26)
電磁波の危険性は、携帯電話会社の特許記載が証明する?
ボルティモアのジョアン・スーダー弁護士は、携帯電話業界と仲がよいとは到底言えない。
スーダー弁護士は、人気の携帯電話を決して使おうとせず、CNNのトーク番組『ラリー・キング・ライブ』をはじめさまざまなメディアで機会あるたびに、携帯電話業界とその製品を声高に非難している。
スーダー弁護士の名が最も知られているのは、おそらく、携帯電話業界に対して起こしている有名な8億ドル訴訟に関連してだろう。ボルティモア在住の神経科医クリス・ニューマン氏(41歳)が脳腫瘍を患ったのは、携帯電話が原因(日本語版記事)だとするものだ。
裁判官への申し立てを次週に控えているスーダー弁護士は、他にも携帯電話業界を相手取る36件以上の訴訟を準備している。業界は消費者に有害な機器を販売しているというのが、スーダー弁護士の主張だ。
科学的な研究では、有害とする結論もあれば無害とする結論もある。それでも、業界は無罪を主張しつづける。
「何年にもわたって科学的に研究されてきたが、携帯電話が健康上の危険に結びつかないことは確認されている」とフィンランドのノキア社は言う。
最近では、電磁波を遮断すると称して偽りの宣伝をしたとして米連邦取引委員会(FTC)がメーカー2社を提訴した件について、スーダー弁護士は、ワイヤレス業界がこれを「業界に都合のいいように解釈している」と非難する。スーダー弁護士は、FTCが詐欺的な宣伝を厳重に取り締まるべきだとする一方で、これに対する業界の反応を見れば、携帯電話に関連する健康被害について、業界が多くの情報を隠しているのがわかると言う。
スーダー弁護士は次のように語っている。「連邦取引委員会がどう動くあるいは、動かないにしても、携帯電話業界はこれを自分たちの都合のいいように解釈するのだろう。今回の提訴では、電磁波から保護する機器など必要ないから、こんなインチキ機器は実効がないと言っているように見えてしまう。これは明らかに間違いだ……携帯電話の電磁波は危険であり、細胞に損傷を引き起こし、腫瘍を生じさせて死に至らしめる可能性がある」
スーダー弁護士がボルティモア連邦地方裁判所に提出する予定の、携帯電話がこのような被害をもたらす証拠とは何か? 業界が提出している電磁波遮蔽技術に関する「おびただしい数の」特許だ。
米特許局によると、ノキア社も1998年7月28日にこういった特許の1つを申請しているという。この特許には、ユーザーの脳内細胞を電磁波から保護する装置について記載されている。
「電磁波の照射によって、神経系の支持細胞の異常分裂を刺激する可能性についてはすでに指摘されている。これが最悪の場合、悪性腫瘍の増殖へと進む可能性もまた指摘されている。上述の結論は科学的には証明されていないが、この不確定要素の存在が、ワイヤレス電話市場の成長にマイナスの影響を及ぼしている」とノキア社の特許は記している。
スーダー弁護士によれば、米モトローラ社、スウェーデンのエリクソン社をはじめ、携帯電話メーカー各社は同じような特許を持っているという。
「これらの特許はインチキではない。被告自体が言っているものなのだから」とスーダー弁護士。
業界は、法廷でスーダー弁護士の証拠を退ける自信があるという姿勢を崩していない。
ノキア社は、スーダー弁護士がしつこく取り上げるこの特許は「アンテナ効率」に関するもので、病気を防ぐ手段ではないとはねつけた。
「携帯電話の機能が効果的に働くほど望ましいのであり」、それが消費者の利益にもなると、ノキア社は言う。
来たるべき法廷はノキア社側にとって楽しいものとは言えないだろう。この件ではノキア社は被告になっていないが、別の訴訟でスーダー弁護士の怒りに直面しなければならないかもしれない
法廷では、スーダー弁護士と携帯電話業界両双方から出された科学的証拠を裁判官が吟味し、ニューマン氏の脳腫瘍の原因が携帯電話かどうかを判定する。当訴訟の被告側は、モトローラ社、米ベライゾン・コミュニケーションズ社、米ベル・アトランティック社、米ベル・アトランティック・モバイル社、米SBCコミュニケーションズ社、電気通信工業会、米国セルラー通信・インターネット協会(CTIA)。(WIRED NEWS 2002/02/26)
携帯は飲酒運転よりも危険 ハンズフリーでも反応動作遅れ
【ロンドン22日共同】自動車運転中の携帯電話使用は、ハンズフリー装置を使っても飲酒運転より危険という実験結果を22日、英国の保険会社ダイレクトラインが発表した。同社は「飲酒と同様、携帯電話の使用も認めないのが望ましい」と提言している。
運転経験豊富な成人男女20人を平常時、携帯電話を持った通話時、ハンズフリー装置による通話時、酒気帯び(英国基準=血液100ミリリットル中アルコール80ミリグラム超)時の4通りの状態で、高性能の模擬運転装置を使い動作の反応を比べた。
電話を持った通話時の反応時間は、平常時より2分の1秒、酒気帯び時より3分の1秒遅かった。
時速70マイル(約112キロ)で走行した場合、この反応時間を距離に換算すると、平常時は31メートル、酒気帯び時は35メートル、ハンズフリー時は39メートル、電話を持った通話時は45メートルとなる。
ハンズフリー装置の有無にかかわらず、通話時は飲酒時に比べて速度や前方車両との距離を一定に保つことがより困難になり、多くの警告標識を無視した。実験参加者も、通話時より飲酒時の方が運転が容易だと答えたという。(共同通信 2002/03/22)
英政府調査報告「携帯電話の電磁波防止製品は効果なし」(WIRED NEWS 2002/05/17)
通勤電車は電磁波充満? 携帯電話、電源オンで重複・反射
通勤客は日々、強い電磁波にさらされている──。列車内では多くの乗客が持つ携帯電話の電磁波が重なって反射し合い、その電磁波密度は国際的な安全基準値を大幅に超えうることが、東北大の研究で分かった。金属で覆われた車両は電波が外に漏れにくく、複数の携帯電話が同時に発した電磁波は重複して反射する。この研究者は「電源がオンなら、通話中に限らない」などと警告、このほど日本物理学会の論文誌で発表した。
東北大理学研究科の本堂毅助手(熱物理学)は、通勤途中の車内で携帯電話のメールを使う人を多く見かけ、車内で同時に携帯電話を使った場合の電磁波強度(平均電力密度)を調べた。
携帯電話は通話中だけでなく待機中も、位置情報を近くの中継基地局と交換するため、電磁波を出している。本堂氏は、車内では電磁波は一部窓から出ていくものの、多くは金属の車内壁で跳ね返ることに注目した。各車両の窓の表面積や、車両全体の体積などを考慮し、列車内に携帯電話が複数ある場合、重複と反射によって発生する平均電力密度を求める計算式を導き出した。
仮にある車両で50人が0.4ワット(W)の電波を出す携帯電話を1台ずつ持つとすると、車両内の総出力は20W。携帯電話1台あたりの出力は最大でも 2W以下と定められており、重複によって非常に強い電磁波が出力されることになる。これを計算式に当てはめると、車内の電力密度は、世界保健機関(WHO)の協力機関が定める国際基準値の数倍にも達しうることがわかった。
ラッシュ時は1車両に約300人が乗車することや、携帯電話機器を複数台持つ人を考えると、さらに強い場合も容易に想定されるという。
「金属の箱で電磁波を反射させる『電子レンジ』の大型版と考えれば分かりやすい。バスやエレベーターなど閉鎖空間での電磁波の影響を考慮し、予防原則を考える必要がある」と、本堂氏は話す。学会誌で発表後、英国の鉄道などから問い合わせが相次いでいる。
総務省では一昨年から、携帯電話の人体への影響を調べているが、列車内など閉鎖空間での重複や反射などは特に想定していない。電波環境課は「携帯電話と、反射する壁までの距離が遠ければ電磁波強度は減衰するし、実際に基準値を超過する事態は起こりにくいのでは」としている。(朝日新聞 2002/06/03)
バングラデシュ政府、青少年の携帯電話使用禁止へ?
ガンの原因となる製品を生産したとして、携帯電話会社を訴えるのに十分な証拠はあるかメリーランド州ボルティモアの連邦地方裁判所が、この問題に1つの結論を下そうとしている。一方、バングラデシュ人民共和国の政府は、携帯電話は人体に有害だという結論をすでに下したようだ。
脳に損傷を与えるかもしれない電磁波から若者を守るため、バングラデシュ政府は16 歳未満の青少年に対して携帯電話の使用を禁じる計画だという。バングラデシュの環境森林大臣は、同国の首都ダッカで先ごろ開催された医師と科学者の会議に出席し、この政府計画の概要を述べた。ただし、計画の正当性を科学的に裏付ける研究結果などは一切提示しなかった。
携帯電話業界はこれまで一貫して、携帯電話が利用者の健康に害を与えるという科学的証拠は何もないと主張してきた。だが、この論争にはいまだ決着がついていない。
ボルティモア在住の神経科医クリス・ニューマン氏は、自分が脳腫瘍を患ったのは携帯電話が原因だとし、業界を相手取って訴訟を起こしている(日本語版記事)。連邦地裁のキャサリン・ブレイク裁判官は近く、ニューマン氏の訴えに、正式事実審理を行なうだけの裏付けがあるかどうか決定を下す見込み。この決定は、ガン患者が携帯電話会社を訴えられるか否かを判断する際の拠り所となりそうだ。
ニューマン氏に訴えられているのは、米モトローラ社、米ベライゾン・コミュニケーションズ社、米ベル・アトランティック社、米ベル・アトランティック・モバイル社、米SBCコミュニケーションズ社、米国電気通信工業会、および米国セルラー通信・インターネット協会(CTIA)。右耳の後ろに悪性腫瘍ができたのは、アナログ式携帯電話を利用したのが原因だとして、ニューマン氏は8億ドルの賠償金を求めている。
ニューマン氏の主張を支えるのは、主にスウェーデンのレンナルト・ハルデル博士の研究と証言だ。博士は『ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・キャンサー・プリベンション』誌の6月号に発表される予定の疫学研究で、携帯電話の使用と脳腫瘍には関連性があるとしている。(WIRED NEWS 2002/06/10)
携帯で脳血管酵素に変調 人体への影響研究が必要
【ロンドン19日共同】脳血管の細胞を携帯電話の電磁波にさらしたところ、血管の透過性をつかさどる酵素に変化が生じたとの研究をフィンランドの放射能・原子力安全庁がまとめた。英国内通信PAが19日報じた。
同庁の担当者は「現段階で携帯電話の使用が健康に危険だと決めてかかるのは間違いだが、人体への影響をさらに研究する必要がある」と指摘している。
研究班は脳血管壁の細胞を培養皿に置き、携帯電話に定められた国際基準の上限である1キログラム当たり2ワット相当の電磁波を照射。1時間後、400種類のタンパク質に生化学的変化が起き、特に血管壁の透過性をつかさどる「HSP27」という酵素が変質した。
担当者によると、同じことが生体で起きれば、神経細胞を損傷する分子が脳に透過し、組織に悪影響を与える可能性があるという。
また、フランスの別の研究でも、携帯電話の電磁波がラットの脳血管の透過性を上昇させることが分かった。2つの研究結果はカナダで今月開かれる会議で発表される。
携帯電話の健康被害については、米国で損害賠償請求訴訟も起きており、世界保健機関(WHO)の研究所が疫学調査を進めている。(共同通信 2002/06/20)
携帯電磁波の安全性を証明 米科学者
米ワシントン大学は25日、携帯電話の放つ電磁波ががんを招くことはないとする研究報告を発表し、携帯電磁波の安全性を強調した。
ワシントン大学では、480匹のマウスに対し、携帯電話の電磁波を一日4時間、週5回の割合で2年間輻射する実験を行ったが、がんなどの症状は現れなかったという。
実験の担当者は、携帯電話の最大の問題点は電磁波ではなく、運転中の通話による交通事故だと指摘した。(人民網日本語版 2002/06/26)
携帯電話の電磁波は、人の細胞に影響を与える!
携帯電話から出ている電磁波に、人間の細胞を変化させる働きがあることが実験でわかった。脳にも影響がありうるという。
「フィンランド放射線安全協会」のダリウス・レスジンスキー氏らの研究。雑誌「分化」(Differenciation )5月号に掲載された。
研究者らは、人間の血管壁の細胞を培養し、携帯電話から出る電磁波と同じ量の電磁波を1時間当てた。ごく低量の電磁波だが、細胞内の数百種類のたんぱく質が反応し、生物学的な変化が起きた。また、この変化によってストレスたんぱく質として知られている「hsp27」も検出された。
研究者らは、このストレスたんぱく質の検出を問題視している。このたんぱく質には、脳を外界からの化学物質から守っている血液脳関門の機能を低下させる可能性があるという。
ただし、携帯電話の危険性にすぐつながるとはいえないようだ。レスジンスキー氏は、「高感度の装置で、確かに生物学的な反応が起こることを確認できた。しかし、実際に人間の脳や体に影響があるかどうかは、まだわからない。今後まだ研究を重ねる必要がある」と述べている。(日経ヘルス 2002/06/27)
電磁波:浴び続けると小児白血病の発症頻度が倍増 WHO調査
高圧送電線や家電などから出る超低周波(50〜60Hz)の電磁波を高いレベルで浴び続けると、小児白血病の発症頻度が倍増する可能性があることが分かった。国立環境研究所と国立がんセンターの研究班が、WHO(世界保健機関)の国際電磁波プロジェクトの関連研究として実施した国内初の疫学調査で判明した。
調査対象は、15歳以下の健康な子ども約700人と白血病の子ども約350人。子ども部屋の電磁波の強さを1週間続けて測り、家電製品の使用状況や自宅と送電線の距離なども調べて、電磁波と病気の関連を見た。
その結果、子ども部屋の電磁波が平均0.4マイクロテスラ以上の環境では、白血病の発症頻度が2倍以上になることが分かった。通常の住環境での電磁波は、平均0.1マイクロテスラ以下。携帯電話や電子レンジから出るのは、違う周波数帯の高周波の電磁波だ。
電磁波と小児白血病の関係は70年代から指摘されてきた。WHOの国際がん研究機関(IARC)は、79年以降の9つの疫学調査結果や各国の研究結果を再検討し、01年、「0.4マイクロテスラを境に発症の危険が倍増する」との結論を出した。しかし、(1)脳腫瘍(しゅよう)や他のがんの増加はみられない(2)動物実験では発がん性の増加は認められない、とも指摘し、危険か安全かの議論は決着していない。日本には電磁波を浴びる量を制限する規制はない。研究班によると、0.4マイクロテスラの環境にさらされているのは、日本では人口の1%以下とみられる。【元村有希子】
この調査を統括する総合推進委員会委員の志賀健・大阪大名誉教授の話 問題の環境下にいる子どもの数は、今回の調査では1ケタと少なく、リスク評価は慎重にしなければならない。本当に危険かどうかを確かめるため、幅広く研究を進める必要がある。(毎日新聞 2002/08/24)
研究報告「アナログ携帯電話は脳腫瘍のリスクを高める」
米モトローラ社や米ベライゾン・コミュニケーションズ社など、大手携帯電話会社を相手取って起こされている有名な8億ドル訴訟(日本語版記事)。この訴訟をさらに活気づけそうな研究結果が、スウェーデンのガン研究者によって発表された。『ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・キャンサー・プリベンション』誌の 8月号に掲載された論文によると、旧式の携帯電話と脳腫瘍との間に関係のある可能性があることがわかったというのだ。
多くの研究では、携帯電話の使用とガンとの間に明確な関係は見つかっていない。しかしこの研究によると、アナログ式の携帯電話を長期間使用した場合、脳腫瘍ができる率は、使用しなかった場合と比べて明らかに高かったという。
この研究は、スウェーデンのガン研究者、レンナルト・ハルデル博士が行なったもの。博士は脳腫瘍患者1617人を調査し、腫瘍のない同程度の人数のグループと比較した。
その結果、スウェーデンでアナログ式の『ノルディック・モービル・テレフォン』サービスを使用していた人は、そうでない人に比べて脳腫瘍ができる率が 30%高かったことがわかった。このサービスを10年以上使った人々では、80%高かった。とくに頻繁に電話が接触するほうの側頭部に腫瘍ができやすいという。
この研究でも、デジタル式の携帯電話と脳腫瘍の間にはっきりした関係は認められなかった。
日本では現在アナログ式の携帯電話は使われていない。(WIRED NEWS 2002/09/12)
「携帯電話で脳腫瘍」訴訟を門前払い ボルティモア
メリーランド州ボルティモア(AP)「自分に脳腫瘍(しゅよう)ができたのは携帯電話を使用したため」として、メリーランド州の医師が携帯電話製造大手の米モトローラなどを相手取って総額8億ドル(981億円)の損害賠償請求訴訟を当地の連邦地裁に起こしたが、担当のキャサリン・ブレーク判事は30日、「原告が提出した証拠は訴訟を起こすのには不十分」として門前払いした。
訴えていたのは、神経科のクリストファー・ニューマン医師。同医師は1992年から98年にかけ、旧式のアナログ型携帯電話を使っていたが、それが脳腫瘍の原因になったと主張していた。
しかしブレーク判事は「携帯電話から出る電磁波ががんを起こす証拠はあるが、多くの研究は、携帯電話と脳腫瘍との関連を認めていない」として同医師の訴えを退けた。00年以降、米国立がん研究所などの研究では、「携帯電話は健康に悪影響を与えない」という結果が示されている。
携帯電話業界は、今回の提訴が訴訟として認められると他にも訴訟が起こされる可能性があるとみて、大きな関心を寄せていた。(CNN 2002/10/02)
デンマーク科学者「車内での携帯電話の使用は脳に悪影響」
米連邦地方裁判所は9月30日(米国時間)、携帯電話が脳腫瘍の原因だとする訴えに対し、証拠不十分との判断を下した(日本語版記事)。しかし、科学者たちは次から次へとデータを示し、懸念を煽りつづけている。
デンマークの工学雑誌『インゲニエレン』の最新号では、科学者たちが、自動車の中での携帯電話使用はガンにかかる危険性を高める恐れがあると主張している。
『デンマークがん協会』で研究責任者を務めるクリストファー・ヨハンセン博士は、「デンマークの携帯電話加入者(約)400万人の脳内の温度は、携帯電話を使って30分間通話すると、摂氏0.25度ほど上昇する。これは集中力に関する問題を引き起こす」と述べている。同博士は、病気になる危険性を低減するために、電話のアンテナを車外に取り付けるよう提案している。
この雑誌記事の一部は英語に翻訳され、電磁波に関するニュースレターに掲載されている。(WIRED NEWS 2002/10/10)
携帯電話の電波、ラットの学習能力への影響はない
総務省の生体電波環境研究推進委員会は11月12日、携帯電話の電波がラットの課題学習能力に影響を与えないとする研究報告書を公表した。携帯電話から発生する高周波電磁波のレベルが、現行の電波防護指針の値(脳平均SAR<2.0W/kg)を上回る強度であっても、電磁波曝露で全身が加熱され深部体温が上昇する熱作用を生じない条件下であれば、課題学習能力への影響は認められなかったため。なお、SAR(Specific Absorption Rate;比吸収率)とは、生体が電磁界にさらされることにより吸収されるエネルギー量のこと。
今回の研究では、T字型迷路リバーサル学習を4日間させた後、週5日間の割合で、脳平均SAR7.5W/kg、全身平均SAR1.7W/kgの電磁波を1 日1時間、4週間にわたり曝露させた。このように電磁波を浴びた「曝露群」(22匹)と、電波曝露装置に曝露群と同一期間入れるが、電波曝露を行っていない「偽曝露群」(24匹)、通常の飼育ゲージ内で育てた「対照群」(20匹)の3群間で、4日間の学習期間中における正解数の推移と、電波曝露後の4日間の正解数の推移を比較。その結果、3群間において、いずれも明らかな差がみられなかった。
ただし、脳平均SAR25W/kg、全身平均SAR4.5W/kgという、さらに強い電磁波曝露の場合は、ラットの深部体温の上昇と課題学習能力の低下がみられ、「電磁波の熱作用によるものと考えられる」(同委員会)としている。
同委員会は1997年10月から、電波の生体安全性評価に関する研究、検討を行ってきた。これまでに、携帯電話の短期曝露では脳に障害を与えない、熱作用を及ぼさない電波の強さでは脳に障害を与えずという結果を報告している。(日経BP 2002/11/14)
電磁波の人体への影響を共同検討へ 携帯電話4社
NTTドコモ、KDDI、J-フォン、ツーカーセルラー東京の携帯電話4社は21日、携帯の電磁波が人体に及ぼす影響について共同で検討すると発表した。国内の携帯会社が電波の影響を調べるのは初めて。4年後をめどに、最終結果を公表したいとしている。
4社が検討するのは、携帯基地局から出る電波が対象。ドコモが三菱化学安全科学研究所に委託している研究を利用して、4社が共同で評価・分析を行う。委託研究では、携帯基地局から出るレベルの電波を培養した人体細胞に照射する実験を実施。電波が長期間にわたって及ぼす影響を調べている。
4社は、途中経過を含め、研究の段階ごとに評価・分析を重ね、4年後ぐらいをめどに最終結果を出す予定だ。
電磁波が人体に及ぼす研究では、国立環境研究所と国立がんセンターの研究班が 8月、高圧送電線などからの低い周波数の電磁波で小児白血病の発症が倍増する可能性を指摘している。
一方、総務省の生体電磁環境研究推進委員会(委員長・上野照剛東大教授)はが01年1月、「携帯電話による健康への影響はない」との内容を盛り込んだ中間報告をまとめており、影響の有無は研究者によっても見解が分かれている。(毎日新聞 2002/11/21)
高圧送電線の電磁波、急性リンパ性白血病に集中して影響
文部科学省は28日、高圧送電線などから出る超低周波の電磁波(電磁界)と健康との関係を調べる全国疫学調査の最終解析の一部を公表した。昨年夏の中間解析で小児白血病の発症率増加が確認されたが、新たに「急性リンパ性白血病」に集中して影響していることが分かった。
「生活環境中電磁界による小児の健康リスクに関する研究」と題したこの調査は、国立環境研究所と国立がんセンターなどが、全国の主要な小児がん治療施設の協力で行った。
小児白血病と小児脳腫瘍(しゅよう)について、15歳未満の患者と、比較対照のための健康な子どもの計約2000人を対象に、子ども部屋の磁界の強さや送電線からの距離などを調べた。
この結果、小児白血病の中でも「急性リンパ性白血病」が、日常環境の4倍にあたる0.4マイクロテスラ以上の磁界で、発症率が2倍以上に増えることが確認された。一方、「急性骨髄性白血病」の発症率と磁界との関連は見られなかった。
小児脳腫瘍と電磁波との関連でも発症率の増加が見られた。(朝日新聞 2003/01/29)
通話しながらの運転で視野は大幅に狭窄
携帯電話で通話しながら自動車を運転すると、たとえハンズフリーデバイスを使っていても、“視野がトンネル化”し、重大事故を引き起こす可能性がある──。米ユタ大学がこんな研究を報告している。
研究ではボランティア20人が、運転シミュレータを使って車の急な横滑りや信号の変化といったあらゆる種類の障害を体験。あるテストでは、通話中のドライバーと運転に専念しているドライバーに同じ量の標識を見せたところ、通話していないドライバーが覚えていた標識の数は、通話していたドライバーが覚えていた数を50%も上回っていた。
同大助教授のDavid Strayer氏によれば、これは“不注意による盲目状態”と言え、反応時間は20%も遅くなる。通話しながら運転した場合、急に赤信号に変わったのを半分も見落とした被験者もいたという。
Strayer氏は「携帯電話を使っているときは、情報を受け入れる量が大幅に削減される。目前で車が横滑りしてきたり、急な車線変更といった事が見逃され、われわれの実験では少なくとも追突事故が3回起きた」と説明。この研究はAmerican Psychology AssociationのJournal of Experimental Society: Applied3月号に掲載される。(ZDNet NEWS 2003/01/29)
電気炊飯器:電磁波でペースメーカー誤作動 厚労省が注意
IH式電気炊飯器が出す電磁波が、植え込み型心臓ペースメーカーを誤作動させた事例が厚生労働省に報告され、同省は30日に出した医薬品・医療用具等安全性情報で、注意を呼びかけた。
報告によると、01年春ごろ、60歳代の女性が装着している植え込み型心臓ペースメーカーの定期検査で、ペースメーカーの設定がリセットされていた。製造業者などが調査したところ、女性がIH式電気炊飯器に近づいた時に起きた誤作動と判明した。女性に健康被害は生じなかった。
ペースメーカーの添付文書には、IH式電気炊飯器から離れるか、使用を中止してから装着するよう記載されているが、同省は再度、IH式電気炊飯器にペースメーカーが近づくような姿勢を取らないよう、注意を呼びかけた。【須山勉】(毎日新聞 2003/01/30)
GSMケータイの電磁界が成長途上のラットの神経細胞を破損
携帯電話から発せられる電磁界(EMF)が成長中のラットの神経細胞を破損するという調査結果を、スウェーデンの大学の研究者チームがまとめ、29日(米国時間)発行の米政府の学術雑誌『環境衛生展望』(EHP)のオンライン版で発表した。研究チームによると、神経損傷を確認した初の報告という。
スウェーデンのルンド大学神経学科のリーフ・サルフォード教授を代表とする研究チームが発表した。研究チームは、人間のティーンエージャーに相当する生後 12週から26週のラットを3グループに分け、それぞれ異なる強度のGSM携帯電話の電磁界に2時間ずつさらした。その結果、電磁界が、脳の血液関門からのアルブミン(タンパク質)漏出とニューロン損傷とに有為に関連していることを確認したという。
研究チームは、実験のサンプル数が少ないことを認めながらも、結果は非常に重要だと説明。生物の成熟プロセスではぜい弱性があり、「発育途上の若者が毎日携帯電話を使用していれば、数十年後に彼らが中年にさしかかった時、悪影響が出てくる可能性は否定できない」としている。
携帯電話の生体への影響については、世界保健機関(WHO)が、電話機や基地局の電波が健康に悪影響を及ぼすという科学的に確固たる証拠はない、との見解をまとめているが、同時に安全性を確証できるよう研究を進めることを推奨している。(WIRED NEWS 2003/01/31)
携帯電話利用で、脳を有害物質から守るバリア構造に穴が開く?
携帯電話の使用は健康に悪影響を及ぼすかこの疑問に新たな角度から光を当てるかもしれない研究成果が発表された。スウェーデンの研究チームが、世界で最も広く使われている方式の携帯電話が発する電磁波によって、ラットの脳に「穴」が開くことを確認したのだ。
スウェーデンのルンド大学神経学科リーフ・サルフォード教授を代表とする研究チームは、生後12週〜26週のラットを『GSM』方式の携帯電話の電磁波にさらす実験を行なった。実験対象となったラットは、人間の年齢で言えばティーンエージャー世界的に携帯の使用率が最も高い傾向にある世代に相当するという。また、GSMは世界で最も普及している携帯電話方式で、とくに欧州、アジア、中東地域での利用が多い。
「発育途上の脳については、特別な注意が必要かもしれない。生物学的にも発達の過程においても、とりわけデリケートな時期だからだ」と、研究チームが発表した論文には書かれている。「発育途上の世代が日常的に携帯電話を使用していれば、数十年後、まだ中年のうちに悪影響が出てくる可能性は否定できない」
人体への悪影響についてはまだ立証されていないことから、携帯電話業界はこういった研究成果に対し、一貫して異義を唱えつづけている。世界保健機関 (WHO)と米食品医薬品局(FDA)も、携帯電話が有害だとする証拠はないと述べているが、逆に無害だという確たる証拠もないとしている。また、『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』と『アメリカ医学会雑誌』の両誌は、あまり頻繁でない短期間(最高5年)の携帯使用で脳腫瘍になることはないとの見解を示している。
自身の脳腫瘍は携帯電話の頻繁な使用が原因だとして、メリーランド州の神経科医クリストファー・ニューマン氏が携帯電話会社や業界団体を相手に起こしていた訴訟も、最近になって米連邦地方裁判所により却下された(日本語版記事)。原告には訴えるだけの十分な証拠がないとキャサリン・ブレイク裁判官が判断したためだ。
「携帯電話の使用が健康に悪影響を及ぼすおそれはないことを示す、科学的な証拠が次々と出てきている」と、米国セルラー通信・インターネット協会 (CTIA) の広報担当者は述べている。「周知のとおり携帯電話は米国政府の基準によって厳しく規制されており、その基準も国民の健康を守る政府機関によって定期的な見直しが行なわれている。その一環として政府機関はつねに新しい研究成果を評価し、現行の基準が引き続き人々の健康を守るものであることを確認している。今回の研究成果も他の研究と同様に検討されることになるだろう」
それでもなお、今回の研究成果は、科学界、携帯電話業界、そして世間の人々の注意を引いた。
サルフォード教授らの研究成果は、米保健社会福祉省の国立環境衛生科学研究所が発行する学術誌で、論文掲載にあたって研究者間で事前審査を行なう『環境衛生展望』(Environmental Health Perspectives)に発表された。この研究はまた、携帯電話の使用が脳腫瘍以外の疾患を引き起こす可能性を示唆する初めてのものでもある。
「大ニュースだ」と語るのは、電磁界研究の専門誌『マイクロウェーブ・ニュース』の編集者、ルイス・スレシン氏。「このような研究が発表されたからといって、携帯電話を使うと誰もが脳に損傷を受けるとは決めつけられないが、かといって無視するわけにもいかない」
サルフォード教授のチームは研究の中で、ラットを3つのグループに分け、それぞれレベルの異なるGSM携帯の電磁波に2時間ずつさらす実験を行なった。その結果、電磁界(EMF)にさらされることが、ラットの血液脳関門[脳に有害な物質を入れないようにするバリア的な構造]からアルブミンヒトの血液中にも存在するタンパク質の1つが漏出する現象に関わっていることを突き止めたという。さらに、EMFにさらされる量が増えるほど、破壊されるニューロンが増すことも確認できたとしている。
研究チームは、実験のサンプル数が少ないことを認めながらも、「総合的な結果は非常に重大なもので、さらされた量とそれが体に及ぼす影響の大きさが明らかに相関していることを示している」と述べた。
脳のバリアにこうした「穴」が開くと、血液中を流れるものならほとんど何でも有害物質も含めて脳に流れ込んでくる可能性があるため、これは生命に関わる危険だと『環境衛生展望』の編集長、トム・ゴール博士は言う。
「確かに、これはあくまで成長期のラットにおける結果だ。そのまま人間に当てはめることはかなり難しい。だが、今回の結果はこの問題を真剣に検討すべきだという警告かもしれない」
ゴール博士の雑誌では、毎年800ほどの研究報告を審査するが、そのうち実際に掲載するものは平均20〜25%しかないという。
にもかかわらず、この研究を即座に取り上げたのは、同様の研究の大半は携帯電話がガンを引き起こすかどうかに焦点を当てたものであるのに対して、これはそうではなかったからだとゴール博士は述べた。
「これで、(携帯電話の問題を)別の側面からも考察することができる。この研究は、もしかすると今後に大きな影響を及ぼすかもしれない……(この問題を)もっと注意深く考察する必要があるという、これは警告なのだ」(WIRED NEWS 2003/02/03)
「10代、携帯電話中毒で痴ほうに」
成長期に携帯電話を長時間使用した場合、携帯電話から出てくる電磁波が、重要な脳細胞を損傷させ、中年以降アルツハイマー病が誘発されることがあるという研究結果が発表された。
英国BBC放送は5日、米国立環境保健科学研究所が発行する「環境保健展望」最新号に載せたスウェーデン・ルント大学のライフ・サルフォード教授の研究報告書を引用し、このように報道した。
研究チームは人で考えれば10代に該当する12〜26週のネズミを、携帯電話から放出されるものと同じ強さの電磁波に2時間ほど露出させた。
その結果、50日後にネズミ脳細胞の相当部分が死んでいるという事実を顕微鏡を通じて確認した。報告書は「数十年間、毎日携帯電話を使用し、中年になるころには集団的に脳疾患を起こす可能性も排除できない」という結論を下した。
ネズミで実験したのはネズミの脳と人間の脳構造が、非常に似ているためだ。サルフォード教授は「ネズミの脳で起こることが、人間の脳でも十分に発生し得る」とし「青少年らの携帯電話使用の制限を検討しなければならない」と主張している。朴素ヨン(パク・ソヨン)記者(中央日報 2003/02/06)
ref. Mobile phones 'may trigger Alzheimer's'
(BBC NEWS 2003/02/05)
Exposure Of Human Peripheral Blood Lymphocytes To Electromagnetic Fields Associated With Cellular Phones Leads To Chromosomal Instability
Department of Human Genetics and Molecular Medicine, Tel-Aviv University
Mashevich M, Folkman D, Kesar A, Barbul A, Korenstein R, Jerby E, Avivi L.
February 24, 2003
Whether exposure to radiation emitted from cellular phones poses a health hazard is at the focus of current debate. We have
examined whether in vitro exposure of human peripheral blood lymphocytes (PBL) to continuous 830 MHz electromagnetic fields causes losses and gains of chromosomes (aneuploidy), a major "somatic mutation" leading to genomic instability and thereby to cancer. PBL were irradiated at different average absorption rates (SAR) in the range of 1.6-8.8 W/kg for 72 hr in an exposure system based on a parallel plate resonator at temperatures ranging from 34.5-37.5 degrees C. The averaged SAR and its distribution in the exposed tissue culture flask were determined by combining measurements and numerical analysis based on a finite element simulation code. A linear increase in chromosome 17 aneuploidy was observed as a function of the SAR value, demonstrating that this radiation has a genotoxic effect. The SAR dependent aneuploidy was accompanied by an abnormal mode of replication of the chromosome 17 region engaged in segregation (repetitive DNA arrays associated with the centromere), suggesting that epigenetic alterations are involved in the SAR dependent genetic toxicity. Control experiments (i.e., without any RF radiation) carried out in the temperature range of 34.5-38.5 degrees C showed that elevated temperature is not associated with either the genetic or epigenetic alterations observed following RF radiation-the increased levels of aneuploidy and the modification in replication of the centromeric DNA arrays.
These findings indicate that the genotoxic effect of the electromagnetic radiation is elicited via a non-thermal pathway. Moreover, the fact that aneuploidy is a phenomenon known to increase the risk for cancer, should be taken into consideration in future evaluation of exposure guidelines.
Bioelectromagnetics 24:82-90, 2003. Copyright 2003 Wiley-Liss, Inc.
電磁波、一定条件下で染色体異常促進 慈恵医大グループ
電磁波の生体影響を研究している東京慈恵会医大の清水英佑教授のグループは24日、山口市で開かれている日本産業衛生学会で、ラット(ネズミ)による実験で超低周波の電磁波が一定の条件下で脳の染色体異常を促進する結果が出た、と発表した。突然変異を起こす化学物質を与えて電磁波にさらすと、化学物質だけの投与に比べ染色体異常が2〜3倍に増えたという。同グループは「電磁波ががんの促進因子である可能性を示す」としている。
超低周波の電磁波は家電や高圧線から出る。今回の実験は一般環境の数千倍の電磁波を使って行われた。
実験は電磁波による脳腫瘍(しゅよう)の誘発性を調べるため、脳の細胞分裂が盛んな生後3日のラットの子どもに対し、超低周波電磁波(50ヘルツ、強さ 10ミリテスラ)を連続24〜72時間浴びせ、脳細胞の変化を調べた。染色体異常が起きると、小核と呼ばれる染色体の破片が細胞中に増える。この増加が発がん性の目安となる。
実験は2段階で行った。最初、電磁波だけをあてたが、小核は増えなかった。次に突然変異を起こす化学物質(シスプラチン)を投与し、電磁波をあてたところ、化学物質だけを投与したラットに比べ、小核の発生が2〜3倍に増えた。時間や化学物質の投与量に比例して小核も増えたという。
清水教授は「突然変異を起こす化学物質と併用すると、その障害性を電磁波が増強することが確認できた。今後は電磁波の強さや化学物質の種類を変え、複合暴露の影響を調べたい」と話す。
超低周波の電磁波の生体影響については、WHO(世界保健機関)やIARC(国際がん研究機関)が一昨年、「発がん可能性あり」と発表した。しかし動物実験や細胞実験による証明が不十分で、WHOの国際電磁波プロジェクトを中心に発がんメカニズムの解明などを目的に各国で研究が進められている。
学会の座長を務めた山口大医学部の岩本美江子助教授(環境衛生学)の話 電磁波だけでは影響がなく、変異原物質との複合暴露だと影響が出るというのは興味深いが、実験の電磁波の量は通常の環境よりもはるかに大きい。どのくらい低い値から影響が出るのか研究を進めて欲しい。 (朝日新聞 2003/04/25)
ケータイからの電磁波 ポスターで自衛策伝授
暮らしの安全について考える市民団体「日本子孫基金」(東京)が、携帯電話の電磁波から自衛するための方法をまとめたポスターを作製した。
携帯電話の電磁波の影響については近年、脳腫瘍(しゅよう)になるリスクが高いなどの報告が出ている。現在、世界保健機関(WHO)を中心に疫学調査が行われているが、今年2月、ルクセンブルクで行われたWHOの国際会議で、電磁波の健康影響に対して、予防原則を適用する意向が示された。
予防原則は「深刻な危害をおよぼす恐れのある物質などに対して、因果関係などが科学的に不十分でも、予防的な手段をとるべきだ」といった解釈。WHOはこれまで、不安をあおるなどの理由から、予防原則の適用は「必要なし」としてきた。
ポスターは、WHOの今回の意向に基づき作製。▽機種選びは、電磁波の強さを表すSAR値(局所比吸収率)が低いものを選ぶ▽アンテナを頭から離す▽電磁波の強い通話開始前後は頭から離す−などリスクを減らす使い方を紹介している。同基金では「科学的な結論が出るには時間もかかる。子どもへの影響も指摘されており、使い方を注意してほしい」と話す。
B3判。1部250円(別途送料100円)。希望者は部数、住所、氏名と「携帯電話ポスター」希望と明記し、ファクス03(5276)0259へ。(中日新聞 2003/05/11)
携帯電磁波有害説の急先鋒だった科学者が死亡
携帯電話がガンをはじめとする各種病気の原因になると信じている人たちは、科学界の支持派の中でも急先鋒の人材を失った。
ニュージーランドのリンカーン大学で環境保健の準教授を務めていた生物物理学者、ニール・チェリー博士が24日(現地時間)、運動ニューロン疾患によって亡くなった。57歳だった。チェリー博士は科学者としての仕事の大部分を、携帯電話の放射する電磁波が使用者に有害だと示す研究論文の収集にあててきた。業界を相手取って有名な訴訟を起こしたり、脳腫瘍患者の側に立って証言を行なったこともある。
環境保健の擁護派や、電磁波を放射する機器を利用していたために自分が病気になったと信じている一般の人々など、チェリー博士を支持してきた人たちは、インターネット上で博士の死を悼んでいる。
ニュースレター・サイト『EMFオメガ・ニュース』の読者は、次のように語っている。「博士はご本人の病気にもかかわらず、電磁波研究に非常に熱心に取り組んでいた。また、病気にともなうハンディキャップにもかかわらず、無線電波によって重い病気に冒された私のような者たちのために、全力を尽くしてくれた」
「非常に高潔で勇気に溢れ、人々の健康のために戦った博士の人生は、世界をよりよい場所に変えてきた。通信業界が博士の信用を傷つけようと試みていたが、ものともしなかった」
携帯電話業界を相手取って8億ドルの損害賠償を求め、注目を集めていた訴訟を昨年、連邦地裁裁判官が棄却した(日本語版記事)。チェリー博士と賛同者たちにとっては大きな打撃となる裁定だった。この裁定で、キャサリン・ブレイク裁判官は、医師のクリストファー・ニューマン氏は携帯電話を頻繁に使ったのが原因で脳腫瘍になったと主張していたが、裁判を正式審理に持ち込むだけの十分な証拠を持っていないと述べている。もしこの訴訟が法廷に持ち込まれていたなら、業界はもっと多くの訴訟に見舞われていたはずだ。
ニューマン氏の訴訟は結果的に棄却されたが、チェリー博士は、研究を続ける意欲を失わず、世界中で電磁波の危険性に対して人々の意見を変えさせる活動を続けた。
あるニュージーランドの初等学校が1994年にチェリー博士を招き、学校敷地内に建設計画が提案されていた携帯電話基地局用のアンテナ塔が、児童に健康面の影響を及ぼす可能性があるかどうかついて、情報提供を依頼した。博士は、このアンテナ塔が出す電磁波は、小さな子どもに有害な可能性があると述べた。
学校として提案を拒否したほうがいいという博士の奨めを保護者と学校側が受けいれ、投票の結果、校内のアンテナ塔建設案は否決された。
チェリー博士は長年にわたって、私財を投げうち、電磁波研究に関する各大学の研究論文を集めるために世界中を巡り歩いた。環境活動家たちの会合に数え切れないほど出席し、無線周波数の電磁波を放射するテクノロジーのほとんどすべてレーダー、電力線、電子レンジ、テレビ・ラジオ局のアンテナ塔、携帯電話用のアンテナ塔、携帯電話本体が人間に何らかのリスクを与えると示す研究を紹介した。
理想を言えば、携帯電話を利用せず、回線による通信だけに頼るのが望ましいというのがチェリー博士の立場だった。
「われわれ(人間)は、(携帯電話信号にとって)非常に優れた伝導体だ。このため、携帯電話信号のほとんどは、われわれの体を通りぬけ、実際に携帯用の基地局に届くのは、ごくわずかに過ぎない」とチェリー博士は、マイクロ波放射に関する会議で発言していた。
携帯電話の利用が長期的にどんな影響をもたらすかは、今のところ不明だ。しかし、『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』誌と『アメリカ医学会雑誌』(JAMA)はどちらも、頻繁でなく短期間5年以内の携帯電話使用は、脳腫瘍の原因にはならないと結論付けている。米食品医薬品局(FDA)と世界保健機関(WHO)は、携帯電話が使用者の健康に有害だという証拠も、有益だという証拠も、存在しないと述べている。(WIRED NEWS 2003/05/28)
電磁波が脳腫瘍発症に影響 小児の全国調査で判明
一部の家電製品や高圧送電線から出る超低周波電磁波のレベルが高い環境で生活する子供は、脳腫瘍(しゅよう)発症の危険性(リスク)が上昇するとの研究結果が6日、文部科学省のホームページに公開された。
科学技術庁(当時)が1999年度から3年で進めた国内初の全国調査で、今回が最終報告。国立環境研究所や東京女子医大などがまとめた。
実際のこのタイプの電磁波が高い環境で暮らす子供は少数だったため「他の要因が影響した可能性が残る」としたが、関連性が示されたことで、電磁波の低減対策が求められそうだ。
脳腫瘍の調査対象は15歳未満の子供で、健康な約100人、脳腫瘍患者約60人の子供部屋の電磁波を1週間測定。これに、家庭全体の電磁波の強さの平均値、家電製品の使用状況、部屋から屋外の送電線までの距離などを加え統計処理した。
この結果、超低周波電磁波が通常の3倍以上に当たる0.3マイクロテスラ以上の部屋で暮らす子供は、発症リスクが平均で約10倍になった。
また、患者5人と健康な1人の計6人の部屋が0.3マイクロテスラ以上だったが、このうち患者3人は100メートル以内に高圧送電線があった。
同調査の中間解析で、0.4マイクロテスラ以上だと小児白血病の発症リスクが倍増することも判明しているが、最終報告では、急性骨髄性白血病などと比べ、急性リンパ性白血病の発症リスクが高くなることが分かった。
一連の調査では、患者ら約1000人が対象となったが、0.4マイクロテスラ以上の子供部屋は、調査対象の1以下と、極めて少なかった。(共同通信 2003/06/06)
携帯電話などの“電磁波”で脳血流変化 過敏症状の解明に前進
携帯電話や送電線、電化製品から出る電磁波によって頭痛、疲労感などの症状が出るとされる電磁波過敏状態を訴える人は、電磁波を当てると脳の血流量が変化することが、北里研究所病院の坂部貢部長と日本子孫基金の研究で分かった。
電磁波との因果関係がよく分かっていない過敏状態の解明につながりそうだ。
研究グループは、過敏症状がある人と、ない人それぞれ5人に電磁波を当て、特殊な装置で、脳の血流量の変化を調べた。過敏な人には、電磁波の照射に応じて血流量が増えたり、減ったりする変化が起きた。
グループは、症状のある人は、電磁波で神経系が乱され血流変化となって表れたか、脳血流量を一定に保つ能力が低下しているとみている。
過敏な人には、眼球の運動障害、瞳孔の対光反応の異常も多く認められたという。坂部部長は「症例数を増やして研究を進め、精度を高めたい」と話している。
電磁波過敏状態の検査法はこれまでなく、電磁波を受ける環境から離れると、症状が消えたり、改善したりするのが判断指標の1つとされる。症例によっては電磁波ではなく他の病気が原因、との指摘もある。(中日新聞 2003/08/20)
もしやそれは電磁波過敏症? 診断に新たな手がかり
家電製品や携帯電話などから出る電磁波に反応し、体調が悪くなる「電磁波過敏症」。原因の特定が難しいうえ、頭痛やだるさといった自覚症状が主なため、心因性の病気と混同されがちだ。最近、都内の医師が症状を訴える人を調べたところ、電磁波を浴びた時に脳の血流量が変動することがわかり、客観的な診断の手がかりの一つになると期待されている。
◆脳の血流量、大きく変動
東日本の30代の女性は一昨年暮れ、急に体調を崩した。突然、頭痛がしたり、熱はないのに体が熱く感じたり、口や手が震えたり。横になってもどうきが激しく、眠れない夜が続いた。
思い当たる原因はなく、試しにマンション最上階にある自宅を離れて数日すると快復したが、戻ると悪化。何度か繰り返すうちに、部屋の真上に携帯電話の中継基地局があり、数カ月前に増設工事があったことを知った。
電子レンジやパソコンを使うと症状がひどくなり、外出先で急に頭が締め付けられるように痛む時も、近くで携帯電話をかけている場合が多いと気づいた。電磁波の影響を疑い、神経内科を受診したが、取り合ってもらえず「パニック症状」などと言われたという。
昨年夏、北里研究所病院臨床環境医学センター(東京都港区)で、実際に電磁波を浴びる検査を受けたところ、脳の血流量が減るなど、電磁波が影響しているらしいとわかった。「目に見えないものなので、原因かどうか、以前は半信半疑でした。同じ症状に悩む人のためにも、少しでも解明が進めば」と女性は話す。
現在は転居し、家電の使い方も工夫して体調もやや落ち着いたが、いつどこで症状が出るかと、外出時も常に不安を感じるという。
同センター部長の坂部貢医師によると、自覚症状を訴える人を調べると、眼球が滑らかに動かない、瞳孔の調節がうまくできないなど中枢神経や自律神経の機能に障害が起きている割合が高く、ごく微量の化学物質で症状が出る「化学物質過敏症」と共通点が多い。
同センターは昨年来、症状を訴える人を被験者に、首に導線をかけ、タイミングを知らせずに16ヘルツから1メガヘルツまで5通りの電磁波を発生させて、体の変化を測定した。脈拍や瞳孔の大きさなども調べたが、最も顕著に変化が現れたのは、脳の血流量だった。
19〜48歳の健康な人5人と、自覚症状のある24〜50歳の5人を比べた試験でも、前者のグループは電磁波を浴びても血流量がほぼ一定なのに、後者のグループでは、個人差はあるが、最大40%以上減るなど血流量が大きく変動した。
過敏な人のほとんどは見た目で症状がわからないため、従来は本人の訴えで判断されてきた。そのため、思い込みによるケースや精神的な病気との区別が難しく、「自覚症状以外の客観的な評価方法がぜひ必要だった。これが手がかりになれば」と坂部医師はいう。
脳の血流量が変動するメカニズムの解明はこれから。今のところ、主な対処法は電磁波の発生源を避ける以外にないという。
◆携帯・調理器の使用に注意
同センターの試験に協力したNPO「日本子孫基金」は、以前から電磁波が人体に与える悪影響を指摘してきた。「危ない電磁波から身を守る本」(コモンズ)の著書があるスタッフの植田武智さんは「社会全体で電磁波を減らす取り組みが必要なのに、日本は遅れている」と指摘。個人でリスクを避けたい場合は、まず、発生源を使う時間を減らし、使う際は体から離すようにアドバイスする。
携帯電話にはイヤホンマイクをつけ、電磁調理器は使用中はなるべく離れる。体に触れる電気毛布や電気カーペットは、電磁波を減らした製品を選ぶのもひとつの方法という。アレルギー体質の人は電磁波にも反応しやすい傾向があるため、化学物質などほかの要因も減らすことが大事だ。
「気にしすぎてストレスが増えるようでは逆効果ですが、全体的なリスクを減らす生活を心掛けて」と植田さんは話している。
◆「通常使用では人に影響ない」 家電メーカー団体
電機メーカーの団体、日本電機工業会は、家電製品から発生する電磁波について「通常の使用状態では国際的なガイドラインを下回っている」として、今のところ人体への影響はないとの見方だ。また、NTTドコモは「基地局は住民の方に影響を及ぼさない範囲で建設している」といい、電磁波の影響についてはほかの携帯電話会社と共同で細胞実験を始めている。
<電磁波過敏症> 高レベルの電磁波を浴びたり、低レベルでも長期間さらされたりすることで一度過敏になると、一般の人が問題を感じないほどのわずかな電磁波にも反応する状態。頭痛やめまい、圧迫感、吐き気など様々な自覚症状が出る。スウェーデンや米国では90年代から患者や支援者のグループが活発に活動しているが、国内ではあまり認知されておらず、診療を行う医療機関もまだ少ない。(朝日新聞 2003/08/21)
「電磁波過敏症」訴えるデータ 北里研究所など実験 脳の血流量が変動
携帯電話などから出るごくわずかな電波でも、頭痛やめまいなど「電磁波過敏症」という症状が表れることをうかがわせる実験結果がこのほどまとまった。結果を発表した市民団体などは、原因不明と片づけられてきた問題の解明につなげたいと話している。
実験を行ったのは、北里研究所・臨床環境医学センター(東京)と市民団体の日本子孫基金(同)。
電磁波過敏症の自覚症状を訴えている人と健常者のボランティアそれぞれ五人を対象に、安静時と、16ヘルツ〜1メガヘルツの微量の電磁波を5分間づつ発生させた時の脳の血流量の変動を調べた。
心理的な影響を避けるため、いつ電磁波を発生させるかは被験者に知らせなかった。その結果、電磁波を発生させた際、健常者は1人を除いて血流量の変動がどの周波数でも5分間の平均で5%以内と安静時と変わらなかった。自覚症状のある人の血流量は、5人全員がいずれかの周波数で平均20%以上の変動を示した。1メガヘルツの電磁波で平均40%以上変動した人もいるなど、安静時と比べて著しい変動があった。
人の体は通常、脳の血流量を一定に保つよう調整されているが、それが乱れると頭痛などの原因となるため、「電磁波の影響を受けたと考えられる」と、同センター部長の坂部貢さんは言う。
同センターは昨年4月、国内で初めて電磁波外来を設けた。「そばに高圧変電所があるマンションに引っ越したら眠れなくなった」「電子レンジやパソコンを使うと頭やのどが痛くなる」と訴えて訪れる人が相次いでいる。「調査した人の数は少ないが、これまで気のせいなどと片づけられてきた電磁波過敏症を調べる手がかりになると思う」と話す。この結果について総務省電波環境課は「世界各国で50年以上に及ぶ研究成果があるが、現時点では、微弱な電磁波が健康に悪影響を及ぼすという確固たる証拠は認められない」としている。
しかし、「危ない電磁波から身を守る本」(コモンズ)を出した日本子孫基金の植田武智さんは「いま大きな問題になっている化学物質過敏症も、当初はごく微量の化学物質は健康への影響はないと言われた。きちんとした調査を求めていきたい」と訴える。(読売新聞 2003/09/02)
有名人も使う「電磁波から身を守る腕時計」はインチキ商品か?(WIRED NEWS 2003/09/03)
ケータイでラットの脳に損傷
携帯電話の電磁波がラットの脳細胞を破壊した。いま携帯を多用している若者たちが中年になるころには一斉にその害が出始めるかもしれない。やはり使用を見合わせた方がいいだろう──そう結論づける研究が出ています。
これまで携帯の電磁波が有害だといわれながら、確かな決め手を欠く状態でした。ここに来てスウェーデン最南端のマルメ市に近いルンド大学のレイフ・サルフォードさんを中心とする研究グループから、新しい研究が現れました。アメリカの環境医学専門誌『環境健康展望』の最新号に発表されています。従来の研究では電磁波と癌の関連が調査されていましたが、今回の研究は脳細胞そのものに損傷を与えるかどうかを調べたものです。
脳内の血管は、有害物質が脳内に簡単に侵入することがないよう、血管壁が特別な構造になっていて、血液脳関門と呼ばれています。ルンド大学の研究グループの調査によって、すでに判明していたのは次のような事実です。脳が電磁波を受けると、血液脳関門が破れる。正常な状態だと、血しょうの中に溶け込んでいるたんぱく質である血しょうアルブミンが血液中から脳内に出ることはない。しかし電磁波の影響でこれが破れると、アルブミンが脳内に入って毛細血管の周りのニューロン(神経細胞)とグリア細胞に蓄積する──。(脳の機能は、ニューロンとそれより1けた数の多いグリア細胞の協力で行われると考えられています)
今回の研究は、この蓄積したアルブミンが脳組織に損傷を与えるかどうかに関するものです。32匹のラットに、ヨーロッパで普通に使われている携帯電話の電磁波を当てました。ラットを4群に分け、0、10、100、1000ミリワットの電力で2時間あてます。これは人間が携帯を使うときとほぼ同じ条件です(これは電磁波そのものの強さを表すミリワット毎平方センチの単位ではなく、携帯の電力を表す数字)。この1回の照射のあと、50日たってから調べてみると、照射したラットではアルブミンが脳の中に漏れ出しているのが確認されました。しかもニューロンに損傷を与えていました。
損傷を受けて縮んだニューロンは細胞内部の構造が明らかに失われていて、しかもラットの脳のあらゆる部分に損傷ニューロンが見られました。中でも大脳皮質、海馬、大脳の中心部に近いところの大脳基底核に多く見られました。損傷を受けた細胞の数は、電磁波の強さと明らかな相関がありました。
実験に使ったラットは人間でいうとティーンエージャーにあたる年齢です。繰り返し電磁波を浴びることで、ラットと同じようなことが携帯の使用者におきているとすれば、将来、携帯を多用している若い人たちが中年になった時にどのような影響が現れるか、心配だと研究者たちは話しています。(世界の環境ホットニュース255号 2003/09/24)
ref. Rat Brain Damage from Mobile Phone Use(Environmental Health Perspectives 2003/06/07)
次世代携帯の電波で頭痛 オランダが研究
【ワシントン30日共同】今後、各国での普及が予測されている第3世代携帯電話(3G)の基地局からの電波が、周辺にいる人間の頭痛や吐き気などの原因となる可能性があるとの研究結果を、オランダ経済省などが30日までにまとめた。
ロイター通信によると、ボランティアの被験者を、3Gの基地局からの電波と同様の強さの電波などにさらして反応を調べた結果、頭痛や吐き気を訴える人が、従来の携帯電話の基地局の電波などに比べて、目立って増えたという。
同省は「3G電波に長期的にさらされることの影響など、今後、詳しい調査が必要だ」としている。
3G携帯電話は、高速の通信が可能で、高音質の音楽やビデオ画像を、携帯電話で楽しむことができることから、各国でサービス網が広がっている。(共同通信 2003/10/01)
総務省、「携帯は脳腫瘍の原因にならない」
200匹のラットに1.5GHz帯PDC方式の電波を、2年間照射したところ、脳腫瘍の発生には影響が認められなかった。
総務省は10月10日、長期に渡る携帯電話の使用が脳腫瘍の発生へ与える影響は認められないことを確認したと発表した。
「生体電磁波環境研究推進委員会」が行った研究結果をまとめたもので、200匹のラットに電波を2年間照射したところ、電波ばく露の影響は見られなかったことから結論付けた。
ラットに照射されたのは、ボーダフォンやドコモが利用している1.5GHz帯 PDC方式の電波。電波の強さはSAR2.0W/kgとSAR0.67W/Kgで、1日1.5時間照射された。携帯電話は人体頭部におけるSARを 2.0W/Kg以下とすることを義務づけられている。
総務省は、電波による眼球への影響など、生体に及ぼす影響の可能性を解明するため、研究を続けるとしている。(ZDNet Mobile 2003/10/10)
「携帯電話の電磁波でDNA損傷」
携帯電話の電磁波に長時間露出される場合、血液の中の免疫細胞DNAに損傷を来たすという国内の研究結果が出た。
これは国内で初めて携帯電話の電磁波が持つ遺伝子への毒性が提示されたもので、携帯電話の電磁波の有害性に関する論争が起こる見通しだ。
高麗(コリョ)大学・医学部・予防医学教室の李恩一(イ・ウンイル)、チェ・ジェウク教授チームは、健康な男女志願者60人を対象に、志願者が携帯電話に露出されていることが分からないように特殊製作されたヘッドセットを使用し、半分には携帯電話の電磁派を4時間発射させ、残りの半分には電磁派を発射させないという実験を行った。
その後、60人全員の血液を採取し、白血球など免疫細胞のDNA損傷を意味する指標である「テールモーメンツ(Tail Monents)」を調査した結果、電磁波に露出される前に比べこれが増えていることが分かった。
これは携帯電話の電磁波が細胞のDNAを傷つけ、遺伝子の毒性を引き起こす可能性があることを意味する。このような現象はリンパ球・T、免疫細胞・B、免疫細胞・顆粒白血球など4種の免疫細胞すべてに発生した。
反面、免疫力を増強する免疫活性物質「サイトカイン(Cytokines)」などは携帯電話に露出された後には減少する事が分かった。これは電磁波が細胞に免疫毒性を引き起こす可能性があることを意味する。
このような研究結果は今月24日、江原(カンウォン)道・平昌(ピョンチャン)で行われた2003年度大韓予防医学会の「生活環境危険要因」シンポジウムで発表された。
研究チームは当初、今回の実験結果を論文として発表する予定だったが、情報通信部がこれを引き止めたことから、研究論文の発表を取り消したとされている。
この研究は「携帯電話の電磁波の有害性評価」のため、情報通信部から調査を依頼されて行われた。金哲中(キム・チョルジュン)医学専門記者(朝鮮日報 2003/10/26)
脳への携帯電波の影響ない〜総務省
総務省が行った電波の人体への影響を調べる研究で、携帯電話の電波が、脳内の微少血管の血管径や血流速度などに与える影響はないという結果が出た。
総務省は12月12日、携帯電話が使用している電波の脳への影響を調べた実験結果を発表した。ラットの頭部に局所的に電波をばく露して、脳内の微少血管の血管径や血流速度などを評価したところ、影響は認められないことを確認したという。
前回の中間報告では、ラットの頭部だけでなく全身に比較的強い電波をばく露される条件となっていたため、今回は頭部への局所的な電波ばく露のみの影響を検証した。
PDC方式・1.5GHz帯の電波を、SAR 0.18W/kg、1.8W/kg、6.8W/kgの3種類の強さで10分間ラットの脳に照射。急性的な影響は見られなかった。また、 SAR1.8W/kgの強さの電波を4週間ばく露した実験でも、電波による影響はなかった。携帯電話は人体頭部におけるSAR(用語)を2W/kg以下とすることを義務づけられている。
今後は電波による眼球への影響など、電波の人体への影響の可能性を解明するため研究を推進していく。(ZDNet Mobile 2003/12/12)
英で相次ぐ基地局破壊 携帯電波が有害と住民
【ロンドン26日共同】英国で携帯電話の基地局が住民によって壊される事件が相次いでいる。携帯電話の電波が人体に有害で、白血病などの病気につながるとの不安が住民に広がっているためで、第3世代携帯電話(3G)の英全土への展開が遅れる可能性もある。
先月初めには、イングランド中部のサットンコールドフィールドで基地局が倒された。英メディアによると、住民は「基地局の周辺2キロ以内で急性リンパ性白血病が通常の2.56倍にもなるとの研究論文もあり、有害なのは明らか」と非難している。
住民らは基地局を取り壊した後も、再建されないよう交代で24時間見張りを続けている。
携帯電話会社によると、電話が出す電波が有害かどうかについて、因果関係を示す明確な証拠はないが、今年に入ってからイングランド中部や南部、北アイルランドなどで基地局を倒したり、火をつけたりする「攻撃」が続いている。
英ボーダフォンなど携帯各社は英全土に数千の基地局を設置中で、2007年には国土の8割をカバーする計画。各地で次々に建てられる局が住民の不安をあおっているともいえそうだ。(共同通信 2003/12/27)
「3G携帯の電磁波は2Gよりはるかに安全」──豪政府機関(WIRED NEWS 2004/01/07)
携帯電話、健康への影響は確認できず──英政府諮問委
イギリス政府の諮問委員会はこのほど、携帯電話が人体に悪影響を及ぼすとの見方について、その証拠はないとする報告書を発表した。ただ、携帯電話の歴史は浅く、十分に研究が行なわれていないため、「健康に影響がある可能性は消えておらず、引き続き調査が必要」と強調した。
同委員会は、がんの権威である英ガン研究所のアンソニー・スワードロウ教授を委員長とし、専門家らで構成。政府の諮問を受けて、健康への影響を調査していた。
イギリスでは2000年5月、政府の諮問委員会が『スチュワート報告』を発表。人体への影響は確認できないものの、子どもは使用を控えるよう警告し、世界的に注目を集めた。同報告は、3年以内に改めて調査を実施するよう求めていたため、スワードロウ教授らが再検討を続けていた。
同委員会は、スチュワート報告以降に発表された電磁波の研究結果、医療データなどをチェックした結果、健康に悪影響があることを示す決定的な証拠は見つかっていない、という結論に達した。(WIRED NEWS 2004/01/22)
ペースメーカーに影響も 書店などの万引防止ゲート
総務省は18日、書店やレンタルビデオ店が出入り口に設置しているゲート式の万引防止装置が、埋め込み式の心臓ペースメーカーや除細動器などの医療機器に影響を及ぼす場合があると発表した。同省は「ゲートの中央を立ち止まらずに通過すれば、深刻な影響はない」と話している。
総務省が2002年度から2年間にわたって、万引防止装置や無線LANなど、電波を使うシステム機器が医療機器に及ぼす影響を調査した。
その結果、万引防止装置のゲートから25センチの付近で立ち止まると、ペースメーカーのプログラムが初期状態に戻るケースが確認された。そのまま放置すると病状が悪化する恐れがある。
また除細動器についても、ゲートから42.5センチ付近でしばらく立ち止まった場合、必要のない電気ショックを心臓に与えてしまい、病状が悪化する恐れがあるという。(共同通信 2004/06/18)
携帯の電磁波で精子の数は減少するか
ハンガリーの科学者が、携帯電話は精子にダメージを与えると発表したが、生殖の専門家により「決定的でない」として却下された。
Szeged大学のImre Fejes博士(産婦人科学専門)の研究によれば、携帯を尻のポケットや腰のホルスターに入れると精子の数を30%近く減少させるおそれがあるという。「長時間の携帯の使用は精子の製造と生殖能力に悪影響を与えます。」と博士は語る。
Fejes博士のチームは221人の男性について携帯の使用状況を調査し、精子を採取して分析した。その結果、着信待ちの状態であっても携帯の使用と精液の濃度と精子の質の間に相関関係がみられたという。
Fejes博士はこの発見を裏付けるさらなる研究が必要だとしながら、今週ベルリンで行われる欧州ヒト生殖・胎生学会議で発表する予定である。
しかしながら、同会議の前会長、オランダのマーストリヒト大学病院のハンス・エバース教授はこの結果は興味深いとしながらも、決定的というには程遠いと語る。「この研究は可能性のある要因を考慮していないため、結果が歪められているおそれがあります。」
教授はまたこの研究が、精子の数に影響する要因であるストレスレベルや職業、喫煙の有無について分析していないと語る。
英国放射線防護庁は、携帯を含む電磁波の健康に及ぼす影響を研究しているが、これまでのところ、電磁波は安全のようであると結論づけている。
「この結果は予想できなかったもので、今後注意深く見守る必要があるでしょう。しかし男性の生殖能力の減退は携帯が普及する以前から数十年間続いるので、様々な原因が関与していると考えられます。」英国放射線防護庁の広報担当、マイケル・クラーク博士は語る。
世界保健機構は、さらなる調査が必要と強調した上で、いかなる最近の研究も携帯の電磁波が健康を害すると結論づけていないという。(Reuters: Mobile Phones May Damage Sperm? 2004/06/28)
携帯電話、精子に悪影響与える可能性=ハンガリーの科学者ら
【ロンドン28日ロイター】ハンガリーの科学者らによる研究チームが、携帯電話は男性の精子に悪影響を与える可能性があると発表した。
ただ、専門家らは結論付けることはできないとしている。
研究報告は、携帯電話を腰付近のポケットやウエスト装着型のケースに入れて持ち歩いていると、精子の数が約30%減少すると指摘。
チェコの大学で産科・婦人科学を担当する博士は、報告のまとめのなかで、「携帯電話の長期的な使用が(精子や)男子の生殖力に悪影響を与える可能性がある」と述べている。
同チームは、221人の男性の精子を分析し、携帯電話の使用状況について質問。その結果、待ち受け状態を含めた携帯電話の使用と、精子の濃さと質の低下の間に相関関係がみられた。
こうした報告に対して、興味深い調査結果ではあるが、決定的とはとても言えない、などの反論も出ている。(ロイター通信 2004/06/29)
名古屋市交通局、市営地下鉄のホームを「圏外」に
名古屋市交通局は、携帯電話が発する電波が心臓ペースメーカーを誤動作させる可能性があることから、市営地下鉄のホームや電車内が「圏外」となるようアンテナの調整を進めている。市営地下鉄80駅のうち、地上駅などを除く72駅が対象となる。
同局では、携帯電話が発する電波が心臓ペースメーカーに影響を及ぼすとした総務省の報告を受けて、名古屋市営地下駅のホームと電車内で携帯電話を「圏外」とするためにアンテナ基地局の調整を行なっている。調整は9月末にも完了する見込み。
総務省では、携帯電話の電波がペースメーカーなどの医療機器に誤動作を及ぼす可能性があるとして、医療機器と携帯電話の距離を22cm以上離すよう指針を発表している。市営地下鉄ではこの発表を元に、従来、改札口などがあるコンコースに携帯電話のアンテナを設置していた。しかし、アンテナの設置の仕方や駅構造上、ホームまで電波が届いてしまう場合があり、混雑する車内ではペースメーカー装着者への安全が確保できないと判断、今回のアンテナ基地局の調整に至ったという。
なお、駅ホームなどで利用できなくなるのは、NTTドコモ、ボーダフォン、ツーカーのPDC方式の端末と、au端末。誤動作の恐れが指摘されたのは、主に 2Gの端末となるが、PDC方式と基地局アンテナを共有しているauの3G端末もこの影響を受ける。また、影響が少ないとされたW-CDMA方式のドコモとボーダフォンの3G端末については、ホームにもアンテナ基地局が設置されており利用可能となっている。
今回の措置の理由について、基地局アンテナを市営地下鉄に設置している携帯キャリアで構成する社団法人道路トンネル情報通信基盤整備協会(トンネル協会)が、市営地下鉄にアンテナを設置する際に、コンコースへのアンテナ設置許可を得たという過去の経緯を挙げた。電波の特性上、コンコースにアンテナを設置したとしても、ホームにも電波が届いてしまう場合があるが、名古屋市交通局ではホームでの携帯電話の利用を認めておらず、アンテナ基地局の調整に至ったという。
しかし、電波が届かないエリアを作るということは、携帯電話の電源が入っていれば、端末は基地局を捕まえようとかえって出力を高めてしまう。
つまり、圏外にしたことで逆にペースメーカーへ影響を与えてしまうことも考えられるのだ。こうした事象について名古屋市交通局では「認識している」とコメント。同局では、車内アナウンスやポスターなどで、電源をOFFにするようアピールしていくほか、ホームや車内で携帯電話が利用できないことが周知されれば、ユーザーは電源を切るようになると想定しているようだ。また、現在の携帯電話の状況は、2Gから3Gの携帯電話へ移行する過渡期であるとの認識を示し、「ペースメーカーへの安全を確保するためのやむ得ない措置」(名古屋市交通局)と今回の取り組みを説明している。
なお、首都圏などのJR、私鉄、地下鉄事業者は、2003年8月に携帯電話のマナーを統一し、「優先席付近では携帯電話の電源OFF、優先席以外ではマナーモード設定し、通話は控える」と定めて告知。2004年1月には、関西の鉄道20社も同様の内容で取り組んでいる。(impress Watch 2004/08/11)
「携帯電話ズボンに入れる習慣、ぼっ起不全に」
タイの日刊紙「バンコクポスト」が1日付で報じたところによると、タイの老化防止協会会長でレーザー手術専門家のニムサクン博士は「携帯電話やテレビ、電子レンジ、コンピューターなど電気製品から出る電磁波が人体に蓄積されれば、多くの疾病をもたらし得る」と警告した。
同博士は、こうした電気製品を頻繁に使う人の場合、がん・性的不能・痴呆症・パーキンソン病など各種の疾患にかかり、頭痛・ストレスなどの徴候を見せる危険が大きいとの研究結果もある、と指摘した。(中央日報 2004/10/01)
携帯電話「10年以上の使用で、脳腫瘍が2倍に」
スウェーデンの世界的な医学研究機関、カロリンスカ研究所は13日(現地時間)、携帯電話を10年以上使っていた人に脳腫瘍(しゅよう)の一種である「聴神経鞘腫」の発生の危険が高まることが分かったと発表した。
聴神経鞘腫の患者150人と健常者600人に聴き取り調査を行なって、病気の発生と携帯電話の利用状況を調べた(PDFファイル)。それによると、携帯電話を10年以上使用してきた人は、聴神経鞘腫の発生が、使っていない人のほぼ2倍になっていたという。
また、携帯電話を常に左か右の同じ側で使っている人をみると、4倍近くにはね上がった。利用期間10年未満のユーザーでは、とくに増加はみられなかった。携帯電話の種類はアナログ式に限った調査で、デジタル式については、まだ使用された期間がアナログほど長くないため、関係は不明としている。
研究は、WHO(世界保健機関)の国際ガン研究所(IARC)が中心となってまとめている報告書の一部で、カロリンスカ研究所の環境医学研究所(IMM)が行なった。発表では、携帯電話の利用と聴神経鞘腫の発生との関連を結論づけるには、なお詳しい研究が必要としている。
聴神経鞘腫は、聴神経にできる良性の腫瘍。聴神経の神経鞘に発生して小脳橋角部に広がるもので、成人の脳腫瘍の1割近くを占める。良性腫瘍だが、耳鳴り、難聴、めまい、言語障害などの症状を引き起こす。(WIRED NEWS 2004/10/14)
携帯電話の電磁波の危険性、解明へ向けた調査が本格化
携帯電話は今日、固定電話と同じくらい普及しているが、携帯電話を使用したり、基地局のアンテナ塔(写真)に近づいたりすることが健康に与えるリスクを心配する人はほとんどいない。
しかし、携帯電話やアンテナ塔が出す電磁波の影響を調べている研究者たちの間では、それらが人体に無害だと結論づけるのはまだ早いとの考えが支配的だ。
「現在のところ、何らかの確たる結論を下せるような、適切な科学的研究はほとんど行なわれていない」と、エセックス大学心理学部のエレイン・フォックス教授は話す。フォックス教授は、携帯電話の基地局が発する電磁波が、人間の健康に直接影響を及ぼすかどうかを研究している。
フォックス教授の研究をはじめ、いくつかの同様のプロジェクトが先月、イギリスの『移動通信および健康に関する研究』(MTHR)プログラムから資金提供を受けた。MTHRは2001年、携帯電話から出る電磁波が人体に悪影響を及ぼすか否かを調査する目的で立ち上げられた。MTHR誕生のきっかけとなったのは、ある報告書が発表されたことだった[2000年5月の『スチュワート報告』(日本語版記事)]。この報告書では健康に対する悪影響の証拠を発見できなかったものの、まったく危険がないと結論づけるには、これまでの研究だけでは不十分だと指摘している。
これまでの研究は主に、携帯電話の使用と脳腫瘍との関係、携帯電話の電磁波が血圧に及ぼす影響、幼児期のガンと基地局との距離の関係などを取り上げてきた。
一方、最近の研究では、いわゆる「電磁波過敏症」の科学的根拠などを検証する傾向が見られる。これは、頭痛や倦怠感など複数の症状を引き起こすとされ、携帯電話やアンテナ塔に接近することで発症すると一部で考えられている。
フォックス教授は1月からボランティアを使って研究を進めてきたが、それを基にした今後の調査では、携帯電話が発する電磁波にとりわけ敏感な人が存在するかどうかに焦点を当てるという。研究プロジェクトの第1段階で4000人を対象に調査を行なったところ、頭痛や皮膚の焼けるような感じといった特定の自覚症状があり、原因は電磁波の影響だと回答した人が約6%いた。
先月始まったプロジェクトの第2段階では、自分は電磁波に特別敏感だと考えている人とそうでない人を比較するテストを行なっている。携帯電話の基地局が実際に健康に影響を与えているかどうかを確かめるのが目的だ。
ロンドン大学キングズ・カレッジを拠点とする別の研究プロジェクトでは、120人を対象にテストを行なっている。被験者の半数は自身のことを、携帯電話の電磁波にとりわけ敏感だと考えている。キングズ・カレッジの研究員でこのプロジェクトを指揮するジェイムズ・ルービン氏によると、研究に必要な数のボランティア(PDFファイル)が確保できれば、来年末までには研究成果の発表にこぎつけたいという。
「携帯電話の電磁波に敏感だと自覚しているような人は、当然ながら、携帯の電磁波に身をさらすテストへの参加には慎重になりがちだ」と、ルービン氏は話す。ルービン氏のプロジェクトでは、携帯電
の電磁波が頭痛や吐き気、めまい、倦怠感などの症状を引き起こすかどうか、また代謝の調節にとって重要な特定のホルモンの値に影響を及ぼすかどうかを調査する。
1990年代半ばに携帯電話が本格普及してから約10年が経ち、携帯電話の長期使用が人体に及ぼす影響の調査も比較的実行しやすくなった。しかし携帯電話業界の人々は、利用者に警戒を呼びかけなければならないような研究結果はいまだ出ていないと主張している。
「携帯電話が健康被害の原因になっているという決定的な証拠はない。アンテナ塔についても同様だ」と、米国セルラー通信・インターネット協会(CTIA)の広報はコメントした。
米食品医薬品局(FDA)も、携帯電話の基地局が健康に及ぼす影響について、CTIAと同様の見解を示している。
「塔の上に設置された、携帯電話およびPCS(パーソナル通信サービス)の基地局アンテナ付近で測定を行なった結果、地上に立つ人が浴びる電磁波の平均値は、(米連邦通信委員会が定める限界値の数千分の1に過ぎないことを確認した」と、FDAはウェブサイトで説明している。
FDAはまた、携帯電話の使用についても、これを何らかの健康問題に結びつける科学的根拠は存在しないと主張しているが、その一方で、携帯電話が100%安全だという保証もないと述べている。
世界保健機関(WHO)は現在、『国際電磁界(EMF)プロジェクト』を進めており、2007年には電磁波の健康へのリスク評価を完了する予定だ。同プロジェクトでは、携帯電話が発する電磁波を含む周波数300GHzまでの電磁界が人体に及ぼす影響を調べている。
電磁波の規制強化を訴える活動団体『ワイヤレス技術の影響に関する審議会』のリビー・ケリー会長は、医療当局は携帯電話やアンテナ塔の危険性を過小評価しているとの見解を示した。
ケリー会長はその根拠として、スウェーデンのカロリンスカ医科大学が10月に発表した研究報告を例に挙げた。それによると、携帯電話を10年以上使用した場合、聴神経腫瘍を発症する危険が増大するという。聴神経腫瘍は、聴神経にできる良性の脳腫瘍の一種だ。ただし、この研究はアナログ方式の携帯電話を10 年以上使用した場合について調査したもので、研究チームによれば、デジタル携帯電話の長期使用でも同様の結果が出るかどうかはわからないという。(WIRED NEWS 2004/12/09)
進む携帯基地局建設に対応、苦情担当窓口設置へ──福岡市 /福岡
福岡市の山崎広太郎市長は、市内で進む携帯電話の中継基地局建設に各地で住民が反対運動を起こしていることを受けて「携帯電話の普及で今後もトラブルが増えることが予想される。総務企画局に担当窓口を置く」と述べ、市が対策に乗り出す姿勢を明らかにした。開会中の12月定例議会で中原貢議員(公明)の一般質問に答えた。
携帯電話が発する電磁波は人体に影響を与える恐れがあるほか、中継基地局建設が景観悪化を招いたり基地局内の冷却機が騒音の原因にもなることなどから、反対運動は全国で起きている。市内の基地局は携帯電話会社3社で計622カ所(今年3月末現在)。市には基地局撤去の陳情などが11地区から14件出されている。
答弁で山崎市長は「行政として最大限の検討をしたい。日ごろから携帯電話会社と意見交換して情報把握に努め、(基地建設の)実施に入ってから対応するのでなく、会社の事情も(市が)しっかり把握することが大切」とした。
10日、東区美和台4の基地局建設計画に対し反対の請願を8411人の署名を添えて市議会に提出した「『ドコモ九州』対策委員会」の世話人代表代行、森祐行・九州大名誉教授は「携帯電話会社がどのように今回の答弁をとらえるか見極めていきたい」と話した。【山本泰久】(毎日新聞 2004/12/16)
「携帯の電磁波がDNAにダメージ」と欧州の研究者
この研究は実験室環境で行われたもので、健康上のリスクを証明するものではないが、実験室の外でも同様の影響が見られるか研究する必要があると科学者は話している。(ロイター)
欧州連合(EU)から出資を受けて実施された新たな研究で、携帯電話が発する電磁波は実験室環境において、体細胞に悪影響を及ぼし、DNAを傷つけることが示された。研究者らが12月20日に発表した。
この研究はREFLEXプロジェクトと呼ばれ、欧州7カ国の12の研究グループによって実施されたもの。この研究は、携帯電話が健康にとってリスクとなることは証明していないものの、実験室の外でも同様の影響が見られるかどうかを確認するためにさらなる研究が必要だと結論付けている。
年間1000億ドル規模にも及ぶ携帯電話業界では、電磁放射のせいで人体に悪影響が及ぶという断固たる証拠は何もないと主張している。
2004年は世界で約6億5000万台の携帯電話が販売されると見られており、世界では15億人以上の人々が携帯電話を使用している。
この研究プロジェクトはドイツの研究グループVerumの調整の下、4年がかりで実施されたもの。実験室内で電磁波が体細胞と動物細胞に与える影響が研究された。
実験では、典型的な携帯電話の電磁場にさらされた細胞で、1本鎖DNAと2本鎖DNAの破損が大幅に増えた。この損傷は必ずしも細胞で修正されるわけではなかった。DNAは有機体とその各種細胞の遺伝物質を運ぶ役割を果たす。
「その後の世代の細胞にも損傷が残った」とプロジェクトリーダーのフランツ・アドルコファー氏は語っている。
これはつまり、変異が再現されるということだ。変異細胞はガンの要因になり得ると見られている。
この研究で使われた電磁波のSAR(Specific Absorption Rate)レベルは0.3〜2W/kg(ワット/キログラム)。大半の携帯電話のSARレベルは0.5〜1W/kgだ。
SARは人体組織に吸収される電磁波のエネルギー量を表す基準で、国際非電離放射線防護委員会 (ICNIRP) が推奨しているSARレベルの上限は2W/kgだ。
この研究は、細胞に及ぶそのほかの有害な影響についても測定している。
研究者によれば、実験室環境での測定となるため、この研究は何ら健康上のリスクを証明するものではない。だが彼らは、「遺伝子的な影響や形質的な影響に関しては、明らかにさらなる研究が必要だ。動物や、有志の人間を対象に研究する必要がある」と付け加えている。
アドルコファー氏は、携帯電話の使用に関して、固定回線電話が利用できるときには携帯電話を極力使わないようアドバイスするとともに、可能な場合はいつでも、携帯電話にヘッドセットを接続して使うよう推奨している。
「パニックを引き起こしたくはない。だが、注意するに越したことはない」と同氏は語り、追加の研究にはさらに4〜5年かかるだろうと付け加えている。
携帯電話の電磁波が人体に与える影響に関しては、これまでにも幾つか民間の研究で、体組織を加熱したり、頭痛や吐き気を引き起こすといった影響が及ぶ可能性が指摘されている。だが今のところ、電磁波が永続的な有害な影響を持つことをしっかりと証明できている研究はない。
世界の携帯電話ベンダー大手6社からは、この研究結果に対するコメントは得られなかった。
また、これとは別に香港では(香港では欧州よりもユーザーが携帯電話で話す時間が長い傾向にある)、ドイツのG-Hanzという企業が、無線