聖者カレンダー(10/18)(中央出版社、\7,500)より

ルカ福音記者

福音書の中の第3の福音書と使徒行録の著者ルカは、ユダヤ人ではなかった。非ユダヤ人に対するイエズスの態度に、ルカはすっかり心を奪われた。イエズスはほとんどユダヤ人の社会で過ごされたが、ルカは、救い主がある時「人々は東と西、北と南から来て、神の国の食卓につ<であろう」と言われたことを私たちに思い出させる。イエズスがシリア人と話されたり、ローマの百夫長をほめられた時のことなどもルカは書いているが、特に彼が示すことは、貧しい人々に対するイエズスのである。同時に、社会の黒い羊もというべき悪人に対するイエズスの配慮を明らかに示しているのである。
そして、女他の地位と救霊に対して、男性のそれと同じように大さな関心を持たれたイエズスを表わした福音記者はルカだけであった。当時の女性の地位は一般的に低かったが、ルカは聖母マリアからイエズスについて多くのことを聞き、女性の地位を引き上げるイエズスの教えを示したのであった。
聖パウロの手紙によると、ルカは医師であって、パウロと共にローマに居た。ルカの書いた使徒行録は、キリスト教の初めの頃の物語を書き記しているが、優れた歴史家として披が述べていることは、1つの神秘体を形造る教会の発展が、神の恩恵に協力しようとする各人の寛大な努力にかかっているということである。使徒行録の中に書かれている事柄のあるものは、ルカ自身が自ら経験したことであった。
後世の教会の伝承によれば、ルカが画家でもあり、聖母マリアとイエズスを描いたといわれている。そのため教会は、彼を医師と画家の保護の聖人とした。パウロがローマで壮烈な殉教をとげた後のルカについての明らかな記録は残っていないが、教会の伝承は、彼がギリシャに行って布教し、80余歳で帰天したと伝えている。

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