聖者カレンダー(7/3)(中央出版社、\7,500)より

トマ使徒

イエズスの弟子トマは、新約聖書の中で「ディディモ」(双子)と呼ばれているが、キリスト信者の世界では「疑い深いトマ」として知られている。
トマは、真理を探し求めて、それを発見しても最初は信じることが困難であったが、最後には誇りをもってそれを信じた弟子であった。ある時イエズスは弟子たちに言われた。「わたしは、あなたがたのために場所を用意しに行く。行ってあなたがたのために場所を用意したら、戻って来て、あなたがたをわたしのもとに迎える。わたしがどこへ行くのか、その道をあなたがたは知っている」。トマスは心を乱し、イエズスに言った。
「主よ、どこへ行かれるのか、わたしたちにはわかりません。どうしてその道を知ることができるでしょうか」。イエズスは答えられた。「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。あなたがたがわたしを知っているなら、わたしの父をも知ることになる。今から、あなたがたは父を知る」(ヨハネ14:3〜7)。
イエズスが復活後に弟子たちに現われた時、トマスは彼らといっしょにいなかった。イエズスが生きておられるという彼らの言葉をトマスは信じないで、「あの方の手に釘の跡を見、この指を釘跡に入れてみなければ、また、この手をそのわき腹に入れてみなければ、わたしは決して信じない」と言った。
8日の後、イエズスが再び使徒たちに現われた時、トマスはそこにいて、イエズスの手と、わき腹にさわって、「わたしの主、わたしの神よ」と叫んだ。イエズスは、「見ないで信じる人は幸いである」とトマスをさとされた。
トマスが宣教師としてインドに行ったことは昔から伝えられていて、インドの信者たちは自分たちを「聖トマのキリスト信者」と呼ぶことが多い。彼の遺骸はマドラスの近くのミラポアの教会に葬られたと伝えられている。



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