こと これに覚えしサキツチのシズカネいわく
日の本の島々 これ総ての流砂の
磐に留どまるが如し
この磐 揺るがせば形変へるべし
かの人々来たる日には この島大いに繁栄すべし
西の雲 茜に染まり日の暮れるを忘れる日に
かの人々 この島に来たりて杖を振るい いにしえの力を隅々に行き渡らせり
山々の裾野に集えり人々は ただ ただ 空を仰ぎ
声なき声持て 叫ぶであろう
こは如何にして この災いを避けるべきかは不二の高嶺を奉る
亀石の翁のみ知る事ぞ
しかして この災いを転じて福と為すは そちらの志しひとつぞ
闇から闇へと葬るも良し 闇からサキツチの世に出すも良し
滴岩 勝ち得て喜ぶ者よ