以下は、W.J.HOOPERが主張する、「種類の違う3つの静電場」の内、「重力場に似た静電場」に関する米国特許明細書、3,656,013 の拙訳です。出来るだけ厳密な訳を心掛けました。

【 】内は拙訳者註です。

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動電場発生機

 動電場は、それを作り出しその性能を実証するための装置、すなわちその回転軸に平行な方向に伸びた複数の磁石によって作られる回転磁束によって発生する。これらの磁石の磁束と表現したものを、機械的または電磁気的に、中心軸の周りに回転させる。

 この発明は静電場とは明確に区別されるところの、動的に誘導された電気的な場の発生に関係するものである。そして、磁界の時間的変化から誘導される【通常の】電場からも明確に区別される(変換作用によって説明される)。故に、動電場と言う時は、磁気の変動によって発生した電場を【どちらにしても】意味する事になる。

 磁束の回転運動によって発生したその動電場は、どちらの方向でも不定形【?:NON-UNIFORM :訳註:スカラーという事か?】であり、放射状方向の強さを持つ。この動電場領域の中にある物質(個体、液体または気体)の粒子(大または小)は、加速作用を受ける。よく知られているように、強さE[ニュートン/クーロン]の電場の中にある、電荷Q[クーロン]を持つ一つの粒子は、F[ニュートン]の力を受け、それは方程式F=EQで表わされる。一つの動電場の、その電界の強さEは、ベクトル方程式E=B×Vで表わされる。ここでBは空間の1点に於ける磁束密度であり、[ウェーバー/m2]で表わされる。Vは空間の1点に於ける磁束の運動速度であり、[m/s]で表わされる。しかしながら、何がそれほどよく知られていないかというと、ある不定形の電場が、電気的に中性の物質に対して力を及ぼす事実である。Sir James H.Jeans の公表されたテキスト「電気と磁気の数学的理論」の中で、不定形の静電場の場合に関して「どのようにしてコンデンサーの極板間にある誘電体の板が【電界のエネルギーを】吸うのか」で描写している通り、そのような場によって発生した機械的な力が証明されている。氏によると(P125)、「この、後で明らかになるが、一般的な法則の中の、この一つの特殊なケースに於ては、誘電体のどの部分も、電場の力の弱い箇所から強い箇所へと引き寄せられようとする力の作用を受ける」。Clerk Maxwell の「電気と磁気」(Vol.U、P181)によれば、Faraday は電磁気的誘導に相当するところの、ありとあらゆる全ての物質を貫く【動】電場を発見した。その動電場とは、全くのところ、当該の場の事である。Jeans によって、不定形の動電場のケースについて言及された、その「一般法則」を実証するための装置は、今までなかった。

 それ故、本発明の目的の一つは、不定形で、感知し得る程の大きさを持った動電場を発生する装置の紹介である。

 その動電場は全ての物質を貫き、中で作用する故に、そのような不定形の場はどのような種類の電気的に中性な物質に対しても物理的な力を及ぼし、それは誘電体に関わる静電場と全く類似しているのである。

 本発明の他の目的は、不定形の動電場から有効な仕事を得るための装置の紹介である。

 本発明のそのような様々な目的は、細長い磁場の回転によって達成されるだろう。その回転軸は磁場の中心軸でもあり、磁場の中心軸の延長線と平行な軸である。例えば、ローターに取り付けられた磁石の配列があり、全ての磁石はローターの回転軸に平行に並べ、そして全ての磁極がローターに関して同じ方向に向けられている。一つのソレノイド電磁石もしくは磁石群の配列があり、その磁場の中心軸と回転軸が同一になっている時それは、回転する磁石群の列の近くで、それらと連動している磁束密度に魔法をかける為に用いられるだろう。そのような磁石群の配列がローターの軸に関して回転される時、その【磁石の】それぞれの磁場は一緒に回転する。他の例を挙げれば、一つの細長い磁場を、機械的な運動なしにその軸に関して回転させることができる。それは樽の【周囲の】板のように並べたソレノイド状の電磁石に複相交流電源(サイン波の逆転を避ける為に整流しておく)を、丁度、三相交流モーターが「回転場」を作り出すのに比較出来るような接続をする。合成磁場がこのように回転している間、ローターの近くにこのように発生させられた不定形の動電場の中にある物質(固体、液体または気体)の電荷または電荷を持たない全ての粒子が、電界の強さEに相当する力を受けるだろう。正の電荷を持つ粒子はベクトルEの方向に力を受け、負電荷粒子は反対方向に力を受け、そして電気的に中性の物質は、場の強度がより弱い場所からより強い場所へと引かれるだろう。この後者の機械的な力は差異力【differential force】と呼ばれ、中性の物質の中の電気的な分極場の作用に相当する。

 3つのベクトルE、B、そしてVは常に(例外もあるが)互いに正確な相互関係を持っている。仮に右手の親指が磁束密度Bだとした時に、【それを軸に】右ネジ方向に回転させた時にはそれ【多分、中指】が運動する磁束の速度Vの方向を示し、そして右手の人差し指が電場のベクトルEの方向を示すだろう。磁場の合成成分軸【磁場の中心軸】に関しての回転は、磁気の軸端の磁場【磁極付近】を抜かして、動電場を発生し、それは回転軸を中心として放射状になるのが通例である。例外としてあり得るのは、磁石が完全な円形の断面を持った同質の電気的伝導体である場合で、このような場合はその電場はやや放射状ではなくなるだろう。

 回転軸に関して磁石の磁極の向きが与えられている時、時計回りに磁場が回転すると、反時計回りに回転した時とは反対の極性(正または負)の誘導された動電場を発生するだろう。回転についてのいくつかの意味について、その磁石の磁極の回転軸に関する向きが逆になった時、同様に、誘導された動電場の極性(正または負)も逆転する。回転方向の逆転及び磁石の磁極方向(その装置によって例示される事を言えば、第1に片方の軸端から見たものであり、第2には反対側の軸端から見たものとなる)の逆転の両方が【同時に】逆転した時は、誘導された動電場の極性(正または負)は変化なしである。 図解に添って、この発明の3つの具体例が示されている。この発明の最も簡単な原理についての2つの図があり、ありふれた永久磁石がローター上に配置されている。 最初の具体例は、中空の中心部分を持つローター上に電磁石が配列されたもので、それによって物質の粒子が運動可能であり、それら【物質粒子】の動電場に対する敏感な反応を示す事が出来る。

 第2には、最初の具体例のように電磁石が並べられた具体例があり、しかし、それは【可動部分がなく】静的であり、そしてその合成磁場は相の変移によって電磁気的に回転する。

 第3には、互いに逆回転するローターを持つ具体例であり、片方がもう片方の中に入っており、前述したような電磁石の配列が個々のローターにあり、その両方が周辺に対して影響を与えるが、【電磁石の極が】それぞれのローターの上で逆の方向を向いており、そしてどのように誘導された動電場の効果が、ローターの外側にある物質粒子の敏感な振る舞いによって示す事が出来るかという具体例である。

 図解に添って説明すると:

 図1は、その回転軸に添って並んだ永久磁石の配列の回転による効果を図解したものであり、磁石はお互い平行であり、磁極の方向も同じである。
 図2は、図1で示した【磁石の】配列の横からの断面図であり、複数の永久磁石の外部の磁力線を描いてある。
 図3は、この発明の一つの実現例に関して、放射状に動電場を発生するローターの遠近図であり、どのように電磁石がローターの回転軸に平行に並んでいるかを示す。
 図4は、図3に示したローターの直径方向の断面図であり、【ローターと】一緒に作動する部品も示す。
 図5は、図4の5−5線で切り取った断面図であり、ローターを回転させる方法も示してある。
 図6は、図3、4、5に類似した静的な装置の直径方向における断面図であり、どのように磁力線が相の変移によって電磁気的に回転するかを示す。
 図7は、図6の7−7線で切り取った断面図である。
 図8は、図6と7に示した装置の結線図である。
 図9は、B×V電場を発生する複数ローターを持つ装置の縦の断面図である。
 図10は、図9の10−10線で切り取った断面図であり、そして、
 図11は、動く場の現象を示すイラストである。

 図1と2において、この発明の原理は最高の簡単さをもって描かれており、どのように全て同じ方向を向いてお互いに平行に、また回転軸とも平行に並べられた棒磁石の配列による磁極の磁力線が連結されるかが示されている。図1で、回転軸は1で示され、ローター・シャフトの中心として考えられるだろうが、それはなるべく、透磁率の低い、そして誘電率の低いもので作られる。そのようなローターの外周は円2で示される。形の描かれた永久磁石の連結3、4、5、6、7そして8はローター周囲に適切で安全に、それぞれの磁石群が等間隔となるように、そして全ての磁石のN極が同じ向きになるように、図1では読者向きに、または図2のように読者の右向きの配置になっている。それぞれの永久磁石3、4、5そして6の外部磁力が図2に描かれ、全ての磁石の外部磁力線が右から左へ向っている事が分るだろうが、図1の中の記号(+)はそのことを表わす。そのような配列のまま全ての磁石の磁力線は軸1に関して回転するだろう。矢印9の回転方向と、図示したような複数の磁石の磁極の向きに関して考えてみると、一つのB×Vの動電場はローターが回転する時には、円周2の内側と外側の両方に発生するだろう。このようにして発生した動電場は、中性であろうと荷電粒子であろうと、全ての物質の粒子に対して放射状の方向に力を及ぼすだろう。連結した磁場領域にある粒子Pとしてそれを示した。そのような影響を与えるような電気的な場の強度は、粒子Pに対する磁場の集中【の程度】と磁力線と粒子Pの相対速度に依存する。一方、もし粒子Pが運動しているとしたら、その速度が相対速度V(方程式E=B×Vの中の)に達する場合について考えられるに違いないが、その真相は簡単で、もし粒子Pが静止したものとして考えられるとしたときのVは、Sの2R倍の大きさであるだろう。ここでRは、粒子Pの回転軸1からの放射状方向における距離であり、Sは、ローターによる単位時間当りの回転である。この故に、粒子Pが静止状態にあると、そこにかかる力の大きさは、与えられた磁場の大きさにおいてローターの回転速度が増大すれば、大きくなる。そして与えられた回転速度において、磁場が増大すると【かかる力が】大きくなる。粒子Pに作用する誘導された動電場の力の方向は、磁場B及びその速度Vと常に垂直である。電場の極性は正(回転軸から外側に向けた放射状)または負(回転軸に向かった内向きの放射状)のどちらかであり、永久磁石のある与えられた極性配列の時には、ローターの回転方向を逆転させれば【動電場の方向も】逆転するだろう。図1そして2に示したような磁極方向である時に、矢印9で示されたような回転方向である時に、もし粒子Pが陽子または正に荷電した分子だとすると、その電場B×Vの力は、粒子Pから延びる実線で示した内向きの放射状方向となるだろう。しかし、もし粒子Pが電子または負に荷電した分子だとしたら、その粒子は破線で示したような外向きの放射状方向に動こうとするだろう。もし粒子Pが電気的に中性であるならば、電場の強さEが増大するような方向に動こうとするだろう。Eの増大は、BとVの両方の増大または、その片方がもう片方の減少よりも充分に大きな割合で増大している時に、結果(B×V)として増大する。図1に示したような、場と粒子の相互関係においては、結果(B×V)は放射状内向きに増大する。

 研究目的のためには、しかしながら、ありふれた永久磁石の外部周囲の空間には、Pのような荷電した物質に対して作用を与える程の、容易に計測し得る充分な大きさの電場を作るためには不十分な磁場しか発生しないために、少なくとも、回転の早さにおいては、実際上の限界になる。その結果、この発明の装置の限界は、後で述べるが、磁束密度Bが膨大な値になるような外部磁場を発生するために可能な形の電磁石の使用と、できるだけ速い速度Vとなる。

 「単極誘導」という言葉は、磁場の中心軸の極く近くの回転軸に関して回転する対称的な磁場が電場を誘導する意味に使われてきた。矛盾が見られるのは、磁場が回転する時に、磁場の誘導線【電場】が磁場と共に運ばれたのか、または、磁場が回転して通過するように静的にそこに存在するのかということである。例えば、一つの棒磁石がその磁場の中心軸に関して回転する時に、その磁場は静的であると多くの人に信じられている。私は厳密な環境下で、少なくとも、その磁力線は動けるようになることを実演した事があるし、強烈な電場の、局所化現象を製造現場の役に立たせるような確かな方法と装置を発明している。

 次に図11に行くと、確かな磁気的現象を実現するための一つの装置が図解形式で描かれている。一つのコアが、数字200によって普通に示されており、永久磁石210と220の対を含み、それらはその回転軸方向に磁化されており、U型の高い透磁率を持つ磁性体で作られた磁気回路230の先端部分に回転軸を同じくして取り付けられている。磁石210と220の間隙240を空けて向い合った面の極性は反対である。磁力線は描かれている通りであり、数字262によって普通に示されている。真鍮の棒250が回転軸として磁石210と220を貫いている。そのコア200は棒250によって回転可能なのである。硬い導体棒260が、磁石210と220の間隙240の中の棒250上の1点にある、一つの環261にその一端が回転出来るように、または固定的な方法を選択した上で電気的に接続されている。導体棒260の他の一端は、実質的に棒250に垂直な方向へと、磁石と【U字型】コアから、磁場の強さがほぼゼロになる、充分に離れた空間まで延びている。検流計270から導線280を通って真鍮の棒250から導体棒260へと至る回路を完成するために、フレキシブルで伸縮性のある導線264が導体棒260の突端に接続されて、検流計270へと至っている。一つのギア252が、ネジ254から棒250への固定、または、ネジ256から磁気回路230への固定のどちらかの選択によって、棒250または「磁気回路」230のどちらかに対する要求に従って、運転状態を与える事ができる。通常は、実験の目的に従って、導線280と264の接続があるために、運転は交互に行なわれる。

 この装置に関し、もしコア200が固定されるならば、そして導体棒260に対して、与えられた角速度で間隙の中を棒250の周囲をまたは棒と共にその水平面【=回転面】を回転させる事によって、角速度を【導体棒260に】与えるならば、検流計270を振れさせる電圧が誘導される。その上、導体棒260が固定され、コア200が棒250に関して同じ角速度で回転させたならば、検流計の回路には正確に大きさが同じで、しかし向きが反対の電圧が誘導される。その同じ針の振れは磁石210と220が磁気回路230と一緒に回転するか、または、固定された上で磁気回路が単独で回転している時に、得られる。これが明らかに差し示すものは、磁気的に誘導される方向での大きさは、回転軸250の周囲の回転に対して、まるでそれらがコア200に対して厳密に結合されたかのようである点である。

 図11の装置の作動に関する、最も重要な側面は、磁石210と220が導体棒260と棒250に対して固定された時に、コア230が棒250を中心に回転する時である。この作用が、検流計の回路の中に電流を誘導する原因となるのだが、それは磁気構造の全体、または、導体それ自身が動く時と正確に同じである。しかしながら、もし磁気コア230と導体棒260が固定され、そして磁石210と220が回転したとしても、検流計の針は触れない。このように、コアという構造が磁束の運動をコントロールする重要な部分を担っている。その上、注目すべきなのは、普通に考えれば、と言ってしまえば、その磁束は検流計の回路に関係していないが、磁石210と220の向き合った面の間にある磁場を単純に横切る導体棒260の作用によって検流計の回路に一つの電流が誘導された。

 210と220は電磁石で置き換えられるだろうが、その結果は全く同じであることが分っている。その上、ソレノイドの空気コアの中の磁束がその磁気の中心線を中心に回転されるだろう事を証明可能である。トロイダルC型の形をした真鍮製チューブの全長に巻線をし、図11に構造が描かれている【回転軸棒】250としての真鍮棒を受入れる為の穴があけられている。巻線に通電した上で、上記に書いたような手順を踏むと、検流計の針の類似の振れが起きる。

 このような応用は、上記に述べたような現象を使えるようにする確かな手法と装置に関わっている。

 第2の実現例として描かれた図3、4、そして5を参照すると、一つの中空のローター10の内側表面に、かなめ石形の断面を持つ12個のソレノイド・タイプの電磁石11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、そして22が取り付けられている。断面図5に見られるように、複数の電磁石がシリンダー状を成す部分として並べられている。同じ図において複数の電磁石11〜22が円周状に取り付けられているが、それによって停止状態において相互に動いてしまう可能性を最小のものにする放射状内向きの拘束力としており、ローターの内側の円筒形の部分を通る【磁石の】外部の磁束密度の事実上の均一性の達成への関心は勿論のこと、もし望むなら、その複数の電磁石は一つ一つ円周上に並べられるし、もしそう望めば、比較的低い透磁率のスペーサーをそれらの間に挿入する事もできる。複数の電磁石をローターの外殻から守るために何等かの適切な手段があるだろう。

 描かれてあるように、ローター内部の複数のかなめ石形の電磁石の密集を容易にするために、少なくとも2つの部分23と24によってローターの外殻が作られる。図3〜5に見られるような形において、2つの部分23と24はカップ形であり、それぞれ、外側に広がったフランジ部分25と26がある。ひとたび、複数のソレノイドが長い外殻部分23の内部に配置されると、より短い外殻部分24はフランジ25と26にカップを被せるように取り付け、そしてリベット、ボルト、溶接またはセメントによって適切に固定化する。

 外殻部分23と24は、それらの結合物質と同様、透磁率が無いか、または小さいもので形成されるだろうし、または、外側部分を磁気シールドにしたい時には、透磁率の高い物質で作られるだろう。ローター筒を回転軸【を含んだ断面】に関して2つの部分に分割する代りに、放射状方向の面で2つに分割されるかもしれないが、この時は、その2つの部分は組み立てた時に軸方向の結合部分があり、そして、そのローターが使える実験材料となる為に、バンドまたは他の適切な手段により、組立てた位置関係がその遠心力に耐えられるようにするだろう。

 フランジ25から離れてるほうの、外殻片23の端において、スリップリング27と28があるが、外殻片が電気的な導体で作られた場合には、副リング29と30のような適切な絶縁体によって外殻片から隔てられるだろう。スリップリング27は導線31を通して電磁石11〜22のそれぞれのソレノイド巻線内部回路の自由端に繋がっている。スリップリング28は導線32に接続され、ソレノイド11〜22のそれぞれの巻線の外部回路の自由端まで繋がっている。全ての12個のソレノイドは、その電流の方向が等しくなるように結線されている。励起する電流は学科でよく知られているように、導線33と34及びブラシ35と36を通じて外部電源から供給される。

 ローターは、適当な台37に取り付けられており、それは鏡像のように向かい合っている【接合部補強用の】金属環38と39の形をした軸受け【の円周部分】を持つ。鏡像のような関係にある金属環38と39は40と41の内側部分の位置に、それぞれローター10の両端に取り付けられたボールベアリングに位置を合わせて適切に取り付ければ、ローター10の中心軸に関して台37とは無関係に自由に回転するようになる。 この実現例に見られるように、ローター10のシリンダー形表面は、動力源45に繋がった運転ベルト44によって滑車としても使う事ができるが、ローターを回転させるどんな他の適切な手段も利用できるだろう。

 図3〜5に形が見られるように、この装置は複数のソレノイドが放射状内向きに磁束を集中させるように意図されており、高い透磁率を持った材質でできたコア46によって、それぞれのソレノイドがこれを実現し易くなっている。図4に見られるように、複数のコア46はぺしゃんこで広がったU字型をしており、そのほとんどの部分においてローターの回転軸と平行になっているが、コアの両端面はカーブした後に、放射状内向きに接触するように用意された接触面47と48に位置付けられる。複数のソレノイドからの放射状外向きの磁束部分の【漏れによる】無効を最小限にするために、それらは適切に絶縁された、なるべくリボン状の導体によって巻線される。その巻線の最初は49から始まり、コア46周囲で隣り合った巻線間の間隔が最小になるように螺旋形に巻き進め、その反対側に至ったら、すぐ、導線を切断する事なく、2番目のコースは最初のコースの上に螺旋形に巻かれて、最初のコースとは進行方向【巻く時の回転方向ではない】が反転する。このようにして、最初のコースで巻かれた時に出来たどんな【導線間の】間隙も、2番目のコースの巻線により、覆われる。それぞれのコア46の導線のコースは単に2つのコースだけが【図5に】描かれているが、経験で分るだろうが、もっと沢山のコースがあるだろう。

 スリップ・リングを通して、上記で述べた直流源に接続された複数のソレノイドに関しては、全てのソレノイド11〜22がローターの回転軸と平行な方向に関して同じ極性方向である事が分るだろう。例えば、全てのコア端47はN極であり、そして全てのコア端48はS極である。

 単一チューブ50の断面図は38と39のそれぞれの金属環の内側に固定された関係で描かれている。そのチューブ50は透磁率が小さいかまたは無い金属で作られるようにする。そのチューブ50は動かないが、ローター10はチューブ50の軸を中心にして回転する。

 動かないソレノイド51はチューブ50の外側部分にしっかりと安定するように綺麗に掃除してから固定されており、ペシャンコのU型のソレノイド11〜22の中に入り込む。ソレノイド51はチューブ50の周囲に直接巻かれるだろうが、図では、透磁率が少ないかまたは無い材質の円筒形コア52の周囲に巻かれ、そのコア52はチューブ50の周囲にはめ込まれる。静止したソレノイドは導線33と34からの適当な導線を通じて駆動されるか、または、他の直流源から駆動され、そしてその磁極がソレノイド11〜22のそれに対して反対になるように接続し、コア端47がN極だとしたらそこに近接するソレノイド51の端はS極にする。このように、ソレノイド11〜22の磁束はチューブ50を貫く外部磁路を持ち、ソレノイド51内部の磁束と同じ軸上のものとして、同時に起きる。

 このように、11から22のそれぞれのソレノイドによって発生する磁場は、ソリノイド51によって発生するのと同様、チューブ50の内部空間を貫き、そして、ローターが回転を始めると、これらの磁場はチューブ50の軸を中心に回転し始める。そのような回転の間、チューブ50の中の物質粒子群は、磁束の回転により発生した動電場の中にある。そのような一つの装置は磁束の分離と集中について証明できる効果を持つ。例えば、海水の淡水化において、磁場の回転によって発生したそのB×V電場は、塩化ナトリウム溶液中で、分離しているそのイオンに対して作用を及ぼす。これは、もしローター10が図5の中に示される矢印の方向に回転している時に、そのB×V場は正の電荷を持つナトリウム・イオンを中心部へ動かそうとし、そして、負の電荷を持つ塩素イオンをチューブ50の中心から離れさせようとする事実から説明される。よって、チューブ50の端54から塩水を流し込む事により、そして、チューブ50の端56に同心円状に独立したチューブ55を用意することによって、その固定されたチューブ55からはナトリウムが集中し、塩素が希薄な流体が出てくるだろうし、一方、チューブ55の外側とチューブ50の内側との間からは、塩素が集中しナトリウムが希薄な流体が出てくるだろう。

 この装置の他の利用法として水素をヘリウムへ転換する時には、チューブ55は省略され、チューブ50の両端54と56にアーク放電ができるように電極が取り付けられる。従来、電極間に比較的真っ直ぐなアーク放電のプラズマを維持しようとすると、特にアーク放電それ自身に一つの小さな壁に接触させるようにした場合はなおさら、それがゆらゆらしたり消えたりして困難に出会ってきた。しかしながら、B×V電場をそのようなアーク放電に印加すると、その放電経路がコントロール可能な範囲に制限される【放電経路が安定化する】だろう。そのB×V電場はさらに、水素原子の陽子をチューブの中心に動かし、電子をチューブの外側へ動かそうとするような効果がある。水素原子核に中性子を一つ加えるとそれは重水素として知られる同位体ができ、重水素原子核にもう一つの中性子を加えると三重水素となり、三重水素に中性子を一つ加えればヘリウムとなる。

 三番目の実現例は図6、7、そして8に描かれている。図6、7、そして8の実現例についての重要な例外事項は、機械的に動く部分が無いという点であり、その構成体は、一般的に言えば、図4と5に描かれたものと全く類似しており、そのため、後者の2つに関する参照については、この実現例にも適用できる。図6に示したように、円筒形のチューブ150の外側にソレノイド151が巻かれており、そしてそれは導線153を通して適当な電源からの直流によって駆動される。ぺしゃんこなU型のソレノイド111、112、そして113のほとんどは、かなめ石形の断面図で示し、それぞれの4つ、組または4つ組の複数を並列接続にしてあり、前の実現例に関して描写したように巻いてあり、そしてそれらの磁極面147そして148がチューブ150の軸のほうへ向くようにして適切な方法でしっかりと【チューブ150に】隣接させて取り付ける。この実現例については、しかしながら、複数のU型ソレノイド111、112、そして113は、透磁率が小さいかまたは無い材質のコアを持っており、そのようなものとしては中空の、かなめ石形のボール紙のチューブ146がある。前の実現例において、ソレノイド151の磁極は、ソレノイド111、112、そして113の極性とは逆にされているのは、もしソレノイド111〜113のコイル端147がN極である時に、ソレノイド151の隣接の磁極面はS極であるということで、ソレノイド111〜113からの外部磁束はソレノイド151の内側の磁路と同時的に同じ方向を向くのである。

 図6〜8に見られるような実現例に関して、複数のU型のソレノイド111、112、そして113は、相互接続無しの三相交流によって励起され、それぞれの相は交流の半分の周期で脈動するような直流を作り出すために半波整流されてある。図8に図解されているように、その脈流の第一相はソレノイド111の全てに接続し、第二相はソレノイド112の全てに接続し、第三相はソレノイド113の全てに接続するが、そこで三相交流発電機100からは3組、計6本の導線が出ており、すなわち、第一相として導線101と101′が、第二相として導線102と102′が、そして第三相として導線103と103′がある。それぞれの相は電気的に相互接続されていない。導線101、102、そして103のそれぞれに整流器104、105、そして106がある。導線101、そして101′は4つあるソレノイド111のためであり、導線102、そして102′は4つのソレノイド112のためであり、そして導線103、そして103′は、4つのソレノイド113のためである。導線101と101′にまたがって、整流器104とそれぞれのソレノイド111の間に容量107がある。そのような容量は、入力の容量とインダクタンスを調整し、ソレノイド111に電流が流れない半周期の間に、隣り合ったソレノイドからの誘導効果を中和する。同様に、容量108は導線102と102′の間に接続されており、そして容量109は導線103と103′の間に接続されている。成熟した技術であるのは明らかだろうが、同相のソレノイドがお互いに4回対称に配置されており、ソレノイド112がその磁束のピークを迎える120゜先にソレノイド111がピークに達するだろうし、最後のソレノイド113がその120゜先に磁束のピークに達しているだろうから、一つの回転する磁場が作られた。交流を整流する事によって、必然的に半周期の利用となるが、それは全て同じ方向に流れるわけで、ソレノイド111、112、そして113のどれによって発生する磁束の方向も反転する事がなく、そして、その故に、前の実現例に関しては、ソレノイド111、112、そして113の内側で発生する磁束全ての磁路は、ソレノイド151を励起する直流によって発生した内部磁束と同時的に、全て同じ方向となる。そのような配置に対し、高周波の交流が与えられれば、1秒当りに1000回のサイクルがあるような時でも、同じ結果が、前の実現例の可動部分が無いものとしてのこの実現例によって達成され得る。

 B×V電場の効果を詳述するという目的のため、そして周囲環境の磁場や静電場の効果から分離するために図9そして10に論及してもいいだろう。そこに見られるその装置は、電気的にアースした箱70の中に入れるように意図されており、その箱は高い透磁率を持ち、かつ静電場シールドのために電導性のある物質でできている。

 その箱70の中に複合ローター機があり、そこにあるそれぞれのローターは逆方向に回転する。台座71と72という適切な骨組にはシャフト73、そして独立したシャフト74が取り付けられている。シャフト73と74の両方は同じパワー源から駆動されるだろうが、なるべく同じ回転速度で運転され、反対方向にする。一つのカップ型円筒75がシャフト73に取り付けられ、一緒に回転できるようにする。そのカップ型円筒は、カップ形で、シリンダー状のスカート76がある。そのスカート76の内周に、複数のソレノイド電磁石77が固定される。その複数の電磁石はシャフト73と74の共通の回転軸と平行に配列されており、そしてそれらのシャフトに関して同じ磁極方向を持つ。その複数の電磁石77は前に述べたように、全く同一の高い透磁率を持つコアに全く同一のソレノイド巻線をしたものである。その複数の電磁石ソレノイド77は、導線84と85、ブラシ86と87、スリップ・リング88と89、そして導線90と91を通して適切な直流電源から駆動される。ソレノイド76のそれぞれは並列接続されるのが好ましいが、しかし、もしそうしようと思うならば、同様の磁極の向きを維持したままで直列にしてもよい。

 シャフト74は、同軸の穴79を持つ円筒78と一体であり、その穴には回転可能でピッタリした支持棒80がシャフト73と同じ回転軸をもって入れられている。円筒78の外周上には複数の電磁石81が固定されて取り付けられており、それぞれ全く同一のソレノイドであり、それぞれ高い透磁率材質を使った全く同一のコアを持つ。前のケースになぞらえて言うと、複数のソレノイド81は全て、それが回転する時の回転軸に関して同じ方向の磁極を持つように駆動される。ソレノイドのそれぞれは、導線68と69、ブラシ82と83、スリップ・リング95と96、そして導線97と98を通して適切な直流電源から駆動される。ソレノイド群81の全ては直列接続にするのが好ましいが、しかし、もし望むのならば、並列接続でもいいだろう。

 もし望むのならば、そして示されているように、複数のソレノイド群81は、ほぼ螺旋形に巻線をした単一ソレノイド99によって囲まれており、ソレノイド群81と導線群97〜98は、ソレノイド99に流れる電流がソレノイド群81を流れる電流と同じ方向に流れるように、直列または並列接続されている。このように巻線99の2重の目的として、ソレノイド群81による磁場を高める為と、ハブ78の外殻として機械的な締めつけの用途がある。

 詳細に見て行くと、シャフト73と74は同時に回転し始めるが、逆方向であり、シャフト73と共に回転するソレノイド群77は、シャフト74と共に回転するソレノイド群81とは逆方向の磁極を持つ。複数のソレノイド群77は、その発生する外部磁束密度が、電磁石群81と99によって発生するのとはおおよそ等しい大きさで向きが反対になるように設計されるのが良いのだが、しかし、重ね合わせの原理("Elec. & Mag.", by Ralph W. Winch, 1963 Ed., p.202)によって、それぞれの磁束は、まるで他方 がそこに存在していないかのように振る舞う。電磁石群77と81と99【原文では89となっておりますが、間違いと思われます】に応じて発生した磁束が反対方向であるという事実にも関わらず、なぜなら、それらは反対方向に回転するよう意図されるからで、その結果としての一つのB×V場の発生に関する限りにおいては、累積効果となる。故に、B×V電場は装置の外部において強められ、そして、遮蔽箱70の外側におけるその効果は、たとえそこにある磁束密度がほとんどゼロであったとしても、実証可能である。そのような実証は、例えば、図9に描かれたような容量と電位計の使用によるかも知れない。

 最大の磁束密度による最大のB×V電場の強度を達成するために、装置を低温状態に置いて計測するのが望ましい。これは「超伝導体」と呼ばれているもので複数のソレノイド巻線をするという手段を使う事を含めての意味で、それは「スパコン」の宣伝でよく知られており、おおよそ絶対温度4゜に維持されるような液体ヘリウムの浴槽に浸す事による装置の冷却のことである。

 複数に図解されたこの発明の実現例について既に詳細に明らかにしている間、この発明がそれらの実現例に限定されるという誤解があるかもしれない。それどころか、この発明の原理からして、発明の精神または主張で与えられた範囲から外れることなく幾多の応用の可能性がある。以下の主張で定義されるこの装置は、以上で明らかにされた出願人のユニークな理論を証明すると本人によって信じられている。

何が主張されるか:

1.一つの電場を発生するための装置に含まれるのは:
 一つのフレーム;
 一つのシリンダー形のローター;
 フレームに一つのシャフトが取り付けられ、そしてローターをその長さ方向の軸に関して回転させる為に支えており;
 複数の電磁石のそれぞれは高い透磁率の材質で形成されたコアを持っている全く同じソレノイドであり、その電磁石はローターの上に固定され、その回転軸に平行にそれぞれが並んでおり、
 電磁石のソレノイドを駆動する手段は直流電源であり、そのソレノイド群は同一の磁極方向を維持するように駆動されており;そして、
 一つの囲いがフレームとローターを取り囲み、その囲いは導体で作られ、アースされている。

2.主張1に準じた装置において、どのようにローターがシリンダー形のローターであり、その電磁石がローターのシリンダー内側表面に張り付けられているかについて述べた。

3.主張1に準じた装置において、どのようにソレノイド群が並列な回路接続関係にあるかを述べた。

4.磁気現象を実証するための装置に含まれているのは:
 一つのフレーム
 一つのシリンダー形のローター;
 フレームに一つのシャフトが取り付けられ、そしてローターをその長さ方向の軸に関して回転させる為に支えており;
 複数の電磁石のそれぞれは高い透磁率の材質で形成されたコアを持っている全く同じソレノイドであり、その電磁石はローターの上に固定され、その回転軸に平行にそれぞれが並んでおり、
 電磁石のソレノイドを駆動する手段は直流電源であり、そのソレノイド群は同一の磁極方向を維持するように駆動されており;
 一つの囲いがフレームとローターを取り囲み、その囲いは導体で作られ、アースされており;そして、
 駆動されたローターの回転している間に発生した電場を検出、そして計測するための設置が、少なくとも囲いの一部としてある。

5.磁気現象を実証するための装置に含まれているのは:
 一つの、U型で高透磁率材料のコア;
 永久磁石の対がU型コア端の間に、回転軸にそって並列するように取り付けられ、その磁石は一つずつU型コアの両方の端に取り付けられ;
 一つの、導体で非磁性体の棒が、磁石を貫いて回転軸として配置してあり;
 一つの硬い導線棒の片方の端がその回転軸棒上、磁石間の中間に取り付けられ、回転軸棒に対して垂直な面の中でU型コアに対して回転するようになっており、その導線のもう片方の端が、磁石の磁場がほとんどゼロの強さになるような、磁石から十分な距離まで延びており、そして、
 その導線の終端は、その導線を流れる電流を計測するために検流計に繋がれている。

6.主張5に準じた装置において、どのようにU型磁石【の端】にその回転軸棒の軸に関して回転できるように磁石が取り付けられ、そして磁石が軸方向に磁化されており、異なる極が向かい合さっているかを述べた。

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